モノカキ・広田望

引きこもり系の元記者。論文と小説と報道を読むのが好き。フェルマーの最終定理と量子力学を…

モノカキ・広田望

引きこもり系の元記者。論文と小説と報道を読むのが好き。フェルマーの最終定理と量子力学を小学校教養にするのが野望。猫派

最近の記事

生娘シャブ漬け炎上案件を正しく読み取れていない人が多いかもしれない案件

最近はマーケティングと広報にかかわることが多い身として思うことがあったので、久々にノートを書いてみようと思う。話題は吉野家役員の不適切発言だ。 吉野家も言う通り不適切な発言であることは分かりきっているのだが、それ以外にも個人的には気になることがあったので筆をとった。このニュースへの反応を見ていると、「日本語が伝わっていないようだ」と思ったからだ。 「生娘シャブ漬け戦略」とは何だったのかまず最初に、吉野家の取締役が本当に説明したかったマーケティング戦略が一体なんだったのかを

    • 何のための「ブランド」か

      先輩記者が書いた本を今になって読んだ。文庫版も出てお求めやすい価格で読めるようになっている。業界のことを端的にまとめていて面白い。 内容は、最近の経済誌によくある「大企業を腐して新興企業を持ち上げる」というスタイルだ。取材を元にアパレル業界の不調を多角的に分析し、その状態に陥ってしまった経緯を分かりやすく解説している。新興勢力は、こうした沈みゆく大手のアンチテーゼとして取り上げている。 この本で取り上げられている新興勢力の中には、現時点で撤退済みのサービスもある。業界が陥

      • 企業の失敗プロジェクトに欠けていたのは熱エネルギー

        この本は、企業が本来取り組みたかった「プロジェクト」のあり方を教えてくれる。 企業が取り組むプロジェクトの多くがうまく行かないのは、ドラマのように誰かが悪さをしているのでもなければ、試験のように能力が足りないわけでもない。 普通の人間が集まり、全員がよりよい結果を目指してプロジェクトに取り組んでいる。しかし、気がつくと手段が目的化し、投じた労力と資金の割に効果がでないという事態が起きがちだ。 答えを教えないコンサル住友生命が取り組んだ「営業用タブレットの刷新」というプロ

        • 金がチラつくとコンセプトがブレる

          米国カルフォルニア州でライドシェア事業がピンチなようです。ドライバーとのマッチングを提供しているという建前は通用せず、ドライバーを従業員として扱わなければならないとの判決が出ました。仮差し止めも失敗し、判決は執行されそうです。 2020年8月21日追記:差し止めされたようです。 破壊的なイノベーションの代表例とも取り上げられるライドシェアですが、何がいけなかったのでしょうか。一つの原因は、事業拡大を期待して当初のコンセプトがブレたことだと思います。 当初は相乗りを促す発

        生娘シャブ漬け炎上案件を正しく読み取れていない人が多いかもしれない案件

          「広報」の属人化が加速しそう

           今日もリハビリ記事執筆です。参加したオンラインセミナーはこちら。  緊急事態宣言が4月に出されたこともあり、広報初心者なのに会社初のオンライン広報という人もいる様子。広報初心者としての心構えなども含みながら、これからの広報についてスピーカーそれぞれが考えや経験を話しました。  私はトラブルがあって参加するのが遅くなってしまい、谷川耕一さんの話し始めをちょっと聞き逃し。ちなみに、記者時代には私もIT系で活動していたので、谷川さんは会見場でよく見た顔です(※1)。 やっぱ

          「広報」の属人化が加速しそう

          マーケティング改革するなら営業が暇している今

           たまに記事を寄稿したりしているものの、基本的にNetflixと読書の合間に求人サイトを眺めるほぼ無職な私。このままだと取材の腕や文章力が衰えそうだったので、流行りのオンラインセミナー(※1)に参加して感想を書くことにしました。  参加したのはこちら。『マーケティングと営業のデジタルシフトに失敗しないために』(2020年5月20日開催)。ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(※2)というコンサルティング会社のセミナーです。 (出処:ケンブリッジ・テクノロジー・パートナ

          マーケティング改革するなら営業が暇している今

          感情に訴える言葉は殺されるほど怖い

          ネットフリックスのオリジナルドキュメンタリー『裁判とメディア』、第1話はトーク番組がきっかけで起きた殺害事件を取り上げています。考えさせられる内容でした。 私が記者を辞める少し前、過去に取材した人が刺殺される事件が起きました。自分が書いた記事とは関係ない事件でしたが、知っている人が殺害されるという初めての体験に、しばらく言葉が出ないほど動揺しました。 特に衝撃的だったのが、殺害の動機です。被害者は有名なブロガーで、刺したのはそのブログの読者。ブログで馬鹿にされたことを恨ん

          感情に訴える言葉は殺されるほど怖い

          無職になったのでブログを書こう

          おはようございます。モノカキの広田望です。報道記者を辞め、AIベンチャー(?)を辞めて初の無職になりました。 さほど長くもない社会人生活を振り返ると、「会社という組織の一員としてしかコンテンツを作ってこなかったなぁ」と気付きました。学生の時には、作りたいから教科書のようなモノを作り、書きたいから下手な同人誌を作っていたものです。 最近では古巣の日経ビジネスでも、個人名を冠したコラムが始まっています。どうやら社会人として文章を書くなら、サラリーマンでもフリーランスでも「個人

          無職になったのでブログを書こう