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【アメリカ駐在】渡米2年目、7thで英語力が開花⁉ 「娘の心情と母の後悔」

こんにちは、EDUBALアンバサダー小川のぞみです。私には3歳差で帰国高校受験を経験した第一子長女と、帰国中学受験を経験した第二子長男がいます。
今回は、再び娘の現地校での出来事をお届けしたいと思います。前回はミドルスクール6thの成績表がボロボロの話でしたが、今回は7thのエピソードを書きます。小学校高学年という多感な時期に渡米し、ミドルスクールを卒業した娘のストーリーの一つです。

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アメリカ現地校7thのバックトゥスクールナイトでESLの先生に呼び止められた!

2018年1月、当時小5(11歳)でアメリカ・カリフォルニアのシリコンバレーにある現地校に、5thとして編入した娘。6月にエレメンタリースクールを卒業したと思ったら、夏休みを挟んで8月中旬からはミドルスクール生に(汗)!
当然といいますか、ミドルスクールの初年度、6thの1年間は訳も分からず過ぎ去ったような感じでした。ただ、パパはアメリカ人・ママは日本人というハーフのお友達が同じミドルスクールだったので、それが娘の心の支えだったと思います(7thになる頃ロスに転校してしまいましたが……)。

現地校の仲良しをお家に呼んでプールパーティ。ネイティブのハーフのお友達、ESL仲間のコロンビア人、韓国人、シンガポール人のお友達。とってもインターナショナルな繋がり!

2019年8月にミドルスクール2年目の7thになり、受ける授業が正式にアサインされた9月(様々な事情で学年始まりの数週間の間に、違う授業に移る場合があるんです)、バックトゥスクールナイトがありました。バックトゥスクールナイトとは、夕方から始まる保護者会のようなもの。1年間の授業計画などを各教科の先生から聞くために、子どもが昼間に受けている授業の順番通りに教室を移動して話を聞きに行く形式です(アメリカでは通常、中学生から教室を移動して授業を受けます)。

3時限目(この場合もそういうのかな)だったでしょうか、ESL(英語が第一言語ではない生徒の国語のクラス)の先生の説明を夫と聞き終わり、次に移動しようとしていたら、「あ、ちょっと! 〇〇(娘の名前)のお父さんお母さんですよね?」とウチだけ呼び止められたんです。

「あ、はい。そうです」
(な、な、なにか問題でもあるのか、と一瞬、心臓がバクバク!)

「〇〇はこの1年で英語力がとてもジャンプアップしました! 私も英語が第二言語だから気持ちが分かるんです。素晴らしいです。彼女にはこのまま頑張ってほしいです。7thでの私の授業では、本を読んで発表する機会があるのですが、そのときにグループリーダーを担当してもらいます!」
(えええ⁉ 娘よ、凄いな⁈ ……そういえばこの先生はスペイン語が第一言語だったな、などと考えていると、次の時間の保護者が入室しはじめていて、なんだろう? という視線を数人から集めたのでした)

ミドルスクールの中庭。アメリカ人をはじめ、世界中から生徒や先生がいるような、ダイバーシティな環境でした。普段から各国の国旗がズラリと飾られていました

親にまで娘の頑張りを保護者会の忙しい合間で伝えてくれるなんて、アメリカの教育スタンスの良さを感じた瞬間でもありました。良いことは伝えようという積極的な態度の先生が、娘のみならず家族みんなのポジティブ精神をも養ってくれるーーそんな気がしました。

そういえば娘が歯の矯正をはじめた頃、学校の先生方は娘に「クール!」「いいね!」「ステキだね!」と笑顔で指摘してきたとか(日本だったら「ステキ」的な声はかからない気がします)。
言葉や態度でとにかくポジティブを伝えてくるスタンスは、人から人に伝染するな、と思いました。自信を与えてくれようとするのがアメリカのいいところです。周囲が認めてくれる→気持ちが明るくなる→やる気が続く、のサイクルができやすい環境だったのは間違いないです!

私は娘に自信を与えるような接し方をしていただろうか……反省

バックトゥスクールナイトでESLの先生からわざわざ呼び止められて、娘の頑張りを教えてもらったことは私には衝撃でした。たわいもないエピソードかもしれません。でも、面談でもないのにわざわざ先生が近寄ってきて子どもを褒めてくるなんて、私の日本での母親人生であったでしょうか(笑。日本の学校の良さはもちろんありますが)。
しかもアメリカの学校は聞くと何でも応えてくれますが、向こうからは何も言ってはこないので(私のイメージです)、これはかなり珍しいことーー娘、実は頑張り屋で凄いのでは、とハッとしました。
そういえば「サイエンスの先生がいい先生でね。レポートを褒めてくれたんだ」ということも話してくれていたな、と……周りの大人は娘の頑張りに気がついてくれているんだーー走馬灯のように考えが巡りました。もしや、母である私だけが、娘の成長や頑張りに気がつかず、称えもしていなかったのでは⁈

ミドルスクールのいい先生の話を教えてくれた娘ですが、そういえばエレメンタリーのときも「先生に感謝する日」に一生懸命つたない英語でお手紙を書き上げていました。よく考えたら、周りへの感謝がある子……?

ちなみに、ジャンプアップの理由の一つに、日本人のチューターのお姉さん(10年在米の同じエリアに住む高校生で、週に1回でしたが、家庭教師のように課題を手伝ってくれていました)の存在があげられます。
ミドルスクールに入ってから娘は、お姉さんと真剣にホームワークに取り組んでいました。丸1年コツコツと続けて、7th時点で少し学校の勉強に追いつき始めていたところだったのかもしれません(そのお姉さんにはミドルスクール卒業までお世話になりました。いまやお姉さんはUCバークリーの大学生!)。
周りのいろんな人のおかげで、2年目でも十分に英語力だけをみても、成長していたんですね(泣)。

家の近くのトレイルでよくジョギングをしていた娘。文字通りといいますか、写真通り(?)、少しづつ先を走っていたのかも。そばにいた私が、いち早く彼女の頑張りに気がついてエールを送るべきでした……

よく考えたら、親の都合で海外に来て「マイノリティとして住んでいる」だけでも実は凄いこと。それなのに、日々暮らしていると、英語のことや学習のことでできていないこと(当たり前なのに)に目が行き、母である私から娘を褒めるシーンがなかなかなかったように思います。慣れない海外で頑張る娘の心情を思うと、なんともイヤ~な母ではないですか(苦笑)。
さすがにESLの先生の件をはじめ、まったく褒めて称えなかったわけではありませんが、積極的でなかったのは今でも後悔しています。できるなら時を戻したいーーああ、たくさん褒めておけば良かった!

「あなたは本当に新しい環境に適応しようとしていて凄い」
いや
「ただチャレンジしているだけで凄い」「ここにいるだけで素晴らしい」
いや
「あなたという存在が素晴らしい」と言ってあげられていたら……。
それが彼女への一番のメッセージになっていたらどれほど良かっただろう、と悔やまれます(汗)。

もちろん、本人が頑張ったかいあって、学習面だけの成果をみると7thからは現地校の成績を気にするようになり(結局7th以降はオールAを修めて受験ではかなりプラスでした)、日系塾で真剣に受験用の勉強もこなし、結果、帰国後は第一志望の高校に入学できました。

しかし成果や結果だけでは語れない後悔が、私には残ったままです。英語ができなくても、日本語での勉強ができなくても、高校受験が第一志望以外だったとしても、別にいいではありませんか!
なぜあんなに焦っていたのだろうと今振り返ると思います、私は。

英語をやろうと思えば&何か勉強をしようと思えば、いつでもできるのですから。本人がやりたいときにやればいいのです。それなのに信じ切れず、勝手に娘の将来を不安がっていたんです。いまなら分かる、別に失敗なんてないのだと! アメリカでいい経験したね、と元気に帰国できればいいのだと!

いま海外暮らしをしているママやパパには、ぜひとも子どもの「凄いところ発見器」になって「拡声器のごとく」褒めちぎって接してあげてほしいです。それもやりつつなら、「英語大事だよ、勉強大事だよ」もありなのではないでしょうか(笑)。

アメリカ時代の子どもへの接し方を反省し、いま日本の高校生である娘には積極的にエールを送っています。以前できなかった分、アメリカ人のような褒め上手をここ日本で、いまさらながらでも目指していきたいと思います! 娘よ、ママはあなたをとっても尊敬しているよ!