見出し画像

コンサドーレの進むべき道とミシャ解任論の是非

J1リーグ第13節を終えた時点で北海道コンサドーレ札幌は11位につけている。降格圏1歩手前の16位エスパルスとの勝点差は僅か3ポイントで。今後の試合結果によっては降格争いに加わる可能性も十分にありうる状況である。

チームとしての決定機創出数・シュート数・ドリブル数・クロス数など攻撃のスタッツはリーグで屈指である。

しかし、ゴールを決めきれず、勝ちきれない試合が多い。さらにチーム全体で前線からボールを奪いにいくオールコートマンツーマンによる息切れが原因なのか、試合終盤での失点で勝ち点を落とす試合も多くみられた。

ボールを保持し、アグレッシブにゴールを目指し、奪われたら猛烈なプレッシャーをかけるサッカーは爽快かつ魅力的だ。

しかし、決めきれず、勝てない試合が一時期続いた。それを受け、クラブの進むべき方向性への疑問、ミシャ監督解任の声がネット上で多く挙がっていた。

確かに歯がゆく、ストレスを感じる試合が続いていたのは事実だ。しかし、目先の結果だけで、判断してしまってよいのだろうか?

ネット上の声に対する私なりの答えをクラブのこれまでの過程と現在地から考えていきたい。

コンサドーレの強化費(選手やコーチングスタッフの人件費)は、7~8年前から倍以上に増加したとは言え、J1全20チーム中15~16番目である。資金力相応の守備的な戦いをすれば短期的な成功は手に出来るかもしれない。しかし、長期的な成功は望めないだろう。

そんな状況からクラブをさらに飛躍させるため、他クラブとの差別化が必要であった。差別化を図る上でのポイントは、クラブとしてのサッカースタイルの確立である。

そのためにクラブが選択したのが、2018年からのミシャ監督の招聘だった。ミシャ監督のスタイルは、観客、さらに選手をも魅了する超攻撃的なサッカーだ。さらに超攻撃的なサッカーを通し、選手の成長も促すことが出来る。

ミシャ監督招聘前の2017年のチームは守備中心で、得点はセットプレー・ロングボール頼みだった。

そんなミシャ監督招聘後の変化は、劇的だった。

守備的だったチームが、自らボール保持し、攻撃面ではJ1屈指のスタッツを記録するようになった。さらに若手を中心に選手達が目に見えて成長を遂げ、代表選手も数名輩出するようになった。2018年にはリーグ4位、2019年はルヴァンカップ準優勝と想像もしなかった成績も残した。

攻撃的なスタイルやミシャの指導に惹かれ、これまで獲得出来なかったであろう有望な高卒・大卒選手も加入するようにもなった。

シーズンの1/3が経過する段階で、まだ降格圏内に沈んでいないにも関わらず監督解任の声が上がること自体が、クラブの地力がついた証明ではないだろうか。

クラブは、確実に正しい方向へ進んでいる。

ミシャ監督の解任は、これまでの積み重ねを失ってしまうのと同義である。

目先の結果に一喜一憂し、軸がブレては更なる成長・成功は望めない。

川崎フロンターレでさえ、苦い結果を噛みしめながら、ポゼッションサッカーの土台を積み重ねてきたから今の圧倒的な強さがある。

多少結果が出なくても、歩みを止めてはいけない。

ミシャ監督を信じ、選手を信じ、そして超攻撃的なサッカーを信じ、前へ進むべきだ。

その先にきっとまだ見ぬ景色がある。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?