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推しがいるあなたを、わたしは推したい

よく思う。

推し・担当がいて、結構な熱量を注いでしまうあなた。
好きな人が好きで好きで、自分事よりずっと優先順位が上になってしまうあなた。
好きが過ぎて、もはや当たり前に人生に影響出てるあなた。

それって、ものすごい才能だから。

わたし自身も完全にそちら側の女で、当たり前にそのときの担当さんファーストで自分を適応させてきた結果、紆余曲折して今がある。誰に遠慮することもなく、自分次第でライブに制限なく行けるようになった今が、一番しあわせで最高だなぁと思っている。こんな夢みたいな生活、本当に実現できるものだなんてまったく思わなかったけれど。

一方で、わたしたちにとっては当たり前で、どう転んでもこうなってしまう生き方を、どう足掻いてもできない人たちも存在する。

推し・担当と呼べる誰か一人が見つけられない。
好きで応援している子はいるけれど、テレビで見つけたら見る程度。
そこまで熱量注げる人たちが、不思議で不思議でたまらない…
そういう人が、一定数存在する。

そういう、いわゆるオタクになれない層は、口を揃えてわたしに言う。
「楽しそう」「どうやったらその1人を見つけられるの」「そこまで注げる人いないよ」

極めつけに、「自分も『推し活』してみたい」と言う方も。

わたしは、ファンという生き方しか選択肢がない人たちを愛おしいなと思っている。

まずファンは、愛の量が半端じゃない。
そして、推し・担当さんに会う機会があるから、外見に気を配っている。
さらには、謎にスキルが高い。ファンを続けるには、情報収集・処理、遠征を伴う遠出、チケット交渉など、ビジネスでも使えるスキルが意外と必要になる。必要に迫られるから、何でも習得していく。
推し・担当さんの急なスケジュール変更にも合わせるために、柔軟で適応性が高い。急な休みをとる必要もあるから、仕事が早い。
天才では!!

熱量の差は大きいだろうけれど、SNSを眺めている限りは日本人のかなりの割合の人が推し・担当を心の支えに生きている。もはや、推しは文化であり、それぞれの哲学であり、ある種の宗教的な役割も果たしているんだと思う。

それなのに、日常では、そんなに熱心なファンは見当たらない。なぜか。わたしは、多くの人が一般人に擬態して生きているからだと考えている。

だいぶ多様な生き方や働き方が認められるようになったとはいえ、「推しのライブがあるから休みます~」とサラリと言えちゃう会社は、今はまだ少数なのだろうなと感じている。だから、熱心なファンも、一般の人に紛れて普通の人のふりをする。その方が生きやすいからだ。

わたしはここに、ものすごーーーいもったいなさを、感じずにはいられない。


喋れば面白いし、謎にスペック高いし、各分野を極めていて、何よりも底知れぬ愛を抱えて生きている。そんな人が、自分を隠して生きるなんて。女性や高齢者の労働力をもっと活かすべきなんて声はよく聞くけれど、わたしはもっと、熱心なファンがその力を存分に発揮できる環境や労働条件を整えた方が絶対にいいだろうと思っている。

だって、こういう人たちって推しさん・担当さんに会いにいくことが最優先事項だから。もてる力を存分に生かせる仕事をしてもらう。対価として、思い煩うことなく貢ぎつつ、自信をもって会いにいく自分になるための美容やファッションにも使えるだけのお金を支払う。それで、推し・担当の現場がある日は確実に休暇がとれる。それだけであれば十分すぎるって人、思っている以上にいるんじゃないかなって想像している。わたしは、そういう人と働きたい。


今、いかに企業・サービスのファンをつけるかは、社会全体の課題になっているテーマだ。個人でも、SNSを頑張っていかに発信力や影響力をつけるかに注力している人はたくさんいる。そこに、どうやってもファンをしてしまうわたしたちの力が活かせないはずがない。

散々ファンという人生を送ってきて、
・どんな時にファンになるか
・逆に、心が離れるのはどんなときか
みたいなことは、死ぬほど実体験をもっている。施策も山のように見て、その善し悪しを身をもって経験してきた人がぞろぞろいる。こんな特殊能力、生かさない手はないんだ。


ファンって恋愛の延長みたいな立ち位置にあって、何となくふわふわとした、かるーい存在に見られがち。でもこれって、「英語が喋れます」「学生時代に起業しました」「実はフォロワー10000人のアカウントを運営しています」みたいな転職時の自己PRなんかのタイミングで並べても遜色ない価値ある経験であり、スキルなんだとわたしはずっと信じてる。


だから、「推し活してるんだけど、職場では誰にも言えなくて」「ライブのために仕事してるんだけど、希望休がとれない職場だから泣く泣く我慢する日々です」みたいな人がいたら、一緒に抜け出さない? だって、もったいないじゃない。

今年は、熱量高めのファン活動してる人とたくさん出会ってお話したいし、お仕事も、遊びも、いろんな方と、いろんな形で一緒にやれることをたくさんしたい。

だって、真ん中にあるのが底知れない愛の人たちだもん。そういう人たちと何ができるの、想像しただけでも絶対楽しいふえるよなぁ。もう楽しみすぎる。

たくさんの方が目に止めてくださったおかげです
2週連続いただいてしまった!これははじめて泣

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