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「暮らしをデザインする」とは、心地よさを追求することなのかもしれない

「明日を知って今を生きる人はいない」

パンチラインだらけの約1時間のお話のなかで、わたしに一番グッときたのはこれかもしれない。

note CREATOR FESTIVAL 2021(noteフェス)の初日、一つ目のトークセッションだった「暮らしをデザインする」。ゲストは建築家で起業家の谷尻誠さんと、「1階づくりはまちづくり」をモットーに街の使い勝手を良くしている田中元子さん

1階を充実させることがまちづくりになるという考え方を田中さんの著書で学んで、とても興味をもって参加したセッション。

「暮らしをデザインする」ってどんな話をするんだろう、難しそうだなって思ったけれど、お二人のお話聞いて、自分の心地よさや楽しさを追及することだと受け止めました。


とにかく行動する、変わり続ける

アイデアを形にする、机の上だけじゃなく自分で手を動かす、リスクも自分で取るなどが共通点だというお二人。

田中さんのパーソナル屋台、喫茶ランドリー、JAPAN BENCH PROJECT。

谷尻さんの細胞をデザインする社食堂、絶景不動産、自宅や別荘づくりを事業にしちゃうなどなど。

どの活動を聞いてもわくわくするものばかり並びます。

これらは、「チャンスを自作自演するためにやっているのかもしれない」と田中さんは話していて。

始めから「あったらいいな」と思っていたことばかりではなく、知らない人と接点をつくって関わる中で、いろんなことが起点になってつくられていったものというのが印象的でした。


「アイデアには価値はない。アクションして、形にするまでがセット」と谷尻さんは話していました。

着想タイプのわたし、いいアイデアがひらめくとそれに満足して終わってしまうことも多いなぁ……


リスクは何もしないこと

「リスクが何か、よく分かってないかもしれない」と話すお二人。

えっ、そんなことある??


谷尻さんが、「世の中は基本混ぜるな危険。だから家・職場・レストラン、みたいに分かれている。でもこれを混ぜる方がいい」と言っていたのが興味深くて。

ご自身の設計事務所の食堂を、一般の方も使える「社食堂」にしたら、静かに仕事したいのにうるさい人がくることもあるそう。

それでも世の中を分けずに混ぜるのは、付加のない成長はないから。化学反応を起こすために、あえて混ぜる。

理科の教員やってたので、この例えは感動。教科書通りに実験していても、教科書どおりの反応しか起きないんだよなぁ。学校の理科室から、大発明は生まれない。

「良好に問題を起こすから人は考える」。うん、確かに。発熱するか、色がかわるか、爆発するか。どんな反応が分からないから実験って楽しいんですよね。身にしみます。


・リスクの先にしか楽しいことはない。グレーゾーンにいる楽しさを覚える
・反対意見が多いのは新しいから。そこに面白さがある
・間違いなんてない。あとから自分の都合で調整できる
など、「でも」「だって」と足をとめてしまいそうなときに背中をどーん!と押してくれそうな言葉がたくさんありました。

これだけ聞いていると、なんでも気軽にエイッと試してみたくなってくるのが不思議です。


「頭を使う」が、人の、人らしい生き方だ

「人は動物としては体は弱い。脳みそは一人前の生き物。だから、脳を使うのはとても人らしい生き方」という田中さん。言われてみたら、確かに。


谷尻さんは「不便を楽しむのがいい」というお話をしていて。

考えないと、人はつまらなくなる。わたし自身ルーティンワークがめちゃくちゃ苦手なんだけど、それって考えなくてもできちゃうから。やることに意味を見出せない。

考えたことを、形にする。うまくいく。ほめられる。だからおもしろい。

そのためには、先に書いた「良好に問題をおこすこと」だったり、「不便を楽しむこと」が必要になってくるんですね。

わたしにとってトラブルは苦手で避けたい事。できるだけ問題がおきない方向でやろうとするし、問題が起きそうな場所からはスッと逃げてきたタイプだったなぁ。今回のお話で、「問題」や「不便」の良さに気づくことができました。


田中さんは「谷尻さんは脳みその人」と表現していたのがおもしろくて。

・彼の考えることに味があるから、アイデアにお金を払う。
・釣りによく行く彼は遊んでばかりいるようにみえるけれど、頭で何を考えているかは分からない。
・たくさん遊んで、コンディションをつくることが大事。

このあたりのお話ききながら、思考タイプのわたしも励まされました。

強みは考えることっていっても、頭のなかだけ充実していても意味がないように思うこともたくさんあって。

味のある考えをつくるためには、オフィスで仕事してる風じゃないときも大切で必要な時間だって言ってもらえて、救われた気がしました。

コピーライターの方がよく、生きてきたことは全部コピーになるって言います。経験したことも全部アイデアの種になるんですよね。

自信もっていろんなことに触れて、いろんなことを考えて、味のあるアイデアをつくっていきたいなー。


明日を知って、今を生きる人はいないから

暮らしへの理想像がないという質問に、「理想とか夢とか希望とかがある人だけが応援される対象じゃなくていい」って田中さんが言い切ってくれて。

目の前のやりたいことを、まずやってみる。

うまくいったり、成功したりして一歩進む。

そしたら次のやりたいことをやってみる。

それを続けていくうちに、理想かもしれないところに近づくかも。

谷尻さんも田中さんも、そうやって「今」をつくり続けてきた方なんだなって思います。


「明日なんてわからないから、みんな賭けているし、人生はガチャ」
「青写真どおりにいかない、デザインしきれない醍醐味を楽しむ」

田中さんの言葉を胸に、自分の心地よさや楽しさに手を伸ばして、答えがわからないことをもっと楽しみたいな。そう思わせてくれたセッションでした。



ほかにも学びがいっぱいすぎて。アーカイブもあるので、お二人のお話ぜひ聞いてみてほしいです。わたしもまた見る▼



note公式のイベントレポートに本記事を掲載していただきました。ほかの方のご感想もあるのでぜひ^^▼


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