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【泊まれる複合施設をつくる⑨】 デザインはリビセン!事業計画づくりと最強の布陣を紹介! #ANSHINDO

こんにちは!EFCの絹張蝦夷丸(きぬばりえぞまる)です!

みんなでつくるANSHINDOプロジェクトを始めるに至ったストーリーを、赤裸々に綴っていくこのマガジン。
ANSHINDOプロジェクトとは、北海道上川町の中心市街地にある元薬局(安心堂)の空き店舗を活用して、1階をフロントと貸しテナント、2階をまちやど(宿泊施設)、3階をシェアオフィスへと整備して運営するプロジェクトとのこと。

前回までの記事はこちらです!

物件の取得から数ヶ月後には申請した中小企業庁の補助金が採択され、本格的にANSHINDOプロジェクトを進めていくことになりました。
物件を取得した時は「時間があるときに片付けや解体を少しずつでも進めながらじっくり事業計画をつくろうか」なんて呑気なことを考えていましたが、こうなるともうガツンとギアを入れて全力でやっていくしかねぇ!となったところから今回のお話です。
ANSHINDOってどんな風に考えて作っているのかについて書きました!

上川町の中でのEFCの役割や立ち位置

1954年の洞爺丸台風で発生した大量の風倒木の処理のために集まった人たちで上川町の人口は一時的に急増しましたが、その後風倒木の処理が終わると一気に人口が減り、町の産業は林業から層雲峡温泉を足掛かりとした観光へとシフトしていきました。

団体の観光客を受け入れられる大きな温泉ホテルが複数誕生し、北海道内でも有数の温泉街へと成長した層雲峡でしたが、2010年代に入り観光産業全体が個人旅行者が中心の観光に変わっていく中で、上川町の観光にも新たな取り組みや情報発信が求められるようになってきました。

そこで上川町は、町が有する資源や財産は何かを改めて考えたときに、大雪山や石狩川をはじめとした豊かな自然の恩恵をなしに町の未来は描けないと考え、大雪山を中心とした自然環境を軸に据えた新たなまちづくりの戦略、ビジョンとして、「北の山岳リゾートタウン」を掲げました。

そんな上川町で事業を行っている私たちEFCは、この町が掲げるビジョンの実現のために何ができるだろうと考えるところから、今回のANSHINDOプロジェクトの事業計画作りが始まりました。

志水が層雲峡ホステルを開業してから5年。
絹張が地域おこし協力隊として上川町へ移住してから4年。
共にEFC inc.を立ち上げてから2年が経ち、今上川町は確実に大きなうねりの中にあります。
これまで自分たちが経験してきたこと、実践してきたことから、捉え直した自分たちの強みと役割は「人と人、地域と人をつなぐ」ことでした。

今、上川町ではものすごいスピード感で様々なプロジェクトや取り組みが起こっています。勢いがあり、注目も集まりつつある。
それら一つ一つの「コト」の中にある思いや熱量、魅力を個々に伝えていくのではなく、「北の山岳リゾート」という大きな屋根のもとに、上川町全体の魅力として届けていくことができれば、上川町全体の魅力が底上げされ、上川町の名前を全国区に押し上げることができるはず。

EFCはこれまでの取り組みを通して、町内事業者、役場職員、学校、地域おこし協力隊、子どもたちからお年寄りの方々まで、地域の多くの方々との関係性を深めてきました。
また、2019年から運営している町の交流スペースPORTOの取り組みを通して町外の様々な方々とも繋がりを作ってきました。
この「顔の見える関係性」を武器に、地域住民と観光客、そして上川町が誇る大雪山を中心とした雄大な自然をより密接につなぎ合わせ、訪れる人たちにとって上川町が「推しの町」となり、それが暮らしている住民にとっての「誇り」となっていくような未来をつくりたい。

ANSHINDOは、そんな「北の山岳リゾート」という町のビジョンを町の中心から体現していくきっかけの場所にしようと、事業計画をつくり始めました。

顔の見える関係性から最強の布陣で挑む

「上川で暮らす自分たちが、自分たちの力で」というこれまでの挑戦とは違う。
事業計画を作る中で意識したのは、「次のフェーズ」へ行くことでした。

より遠くの、たくさんの人たちに上川町を知ってもらい、実際に訪れてもらい、好きになってもらうために。
町の人たちに親しまれ、喜ばれ、愛される場所にするために。
尊敬できる、信頼できる人たちの力をお借りしてでも自分たちだけでは辿り着けないところまでいきたい!
そこで、今回はその道の「すごい人」にオファーをして、最強のプロジェクトチームを結成することにしました!
顔の見える関係性とはいえ、断られたらどうしようとか思ってオファーするのもめっちゃ緊張したけど、当たって砕けろ精神で思い切ってお願いしてみました…!

ローカル、複合施設に精通するビジネスプロデューサー小野さん!

補助金が採択され、その条件の中に「専門家の伴走支援」というものがありました。
これまで志水も絹張も、個人事業としての事業作りの経験はありましたが、EFCとしてガチな事業づくりは未経験でした。
しかも「ビルを改装して複合施設をつくる」となると自分たちの経験と知識だけでは不安もあり、ローカルに精通していて複合施設の事業開発の経験もあるビジネスプロデューサーの小野裕之さんに専門家として伴走していただくことにしました。

小野裕之
ソーシャルデザインをテーマにしたウェブマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズの経営を6年務めた後、同法人のソーシャルデザインやまちづくりに関わる事業開発・再生のプロデュース機能をO&G合同会社として分社化、代表に就任。下北沢のまちづくり会社 散歩社 代表取締役。西粟倉のベンチャーsonraku社外取締役。発酵デザインラボ株式会社 取締役CFO。

実は6年ほど前に、帯広で開催された小野さんの講演会に参加し、ビジネスに対する考え方やローカルとの向き合い方などめっちゃ勉強させていただきました。(今思えばあの頃から真剣にローカルのことを考えるようになった気がする…)
その後なかなかお会いする機会はなかったのですが、SNSを通して小野さんの事業や取り組みについては追いかけていて、専門家の伴走支援を誰にお願いしようかと考えた時に真っ先に思い浮かんだのが小野さんでした。
補助金申請が迫る中での急なオファーだったにも関わらずご快諾いただき本当にありがたかったです!

小野さんには事業計画づくりから伴走していただき、自分たちだけでは思いつかないようなアイデアや考え方をたくさんいただいてます。
ミーティングを重ねる度に自分たちの視座が上がり、やろうとしていることに対して自分たちがどれくらい足りていないのかも痛感しました。(お金も知識も信頼も…涙)

テナントリーシングのために様々な事業者に声掛けをして、プロジェクトのお話を聞いてもらったり、金融機関に融資の相談をしたり、初めての経験だらけで「これが事業をやるということか…!」とここ数ヶ月脳みそに汗をかきまくっています。
小野さん本当にありがとうございます!

古物、古材、リノベーション!あのリビセンがANSHINDOをデザインしてくれます!

2023年3月に、上川町でエリアリノベーションについて学ぶイベントを開催しました。
その講師としてお招きしたのが、長野県で古物・古材のお店を営む「ReBuilding Center JAPAN(リビセン)」の東野ご夫妻!

このイベントがきっかけで、ANSHINDOプロジェクトに本腰を入れて取り組む覚悟ができました。
イベントの当日には、まだ片付けも解体も始まっていない手付かずの状態だったANSHINDOを見てもらっていました。

そしてこのイベントの直後に、ANSHINDOの内装デザインをオファーしました!
完成すれば北海道初のリビセンがデザインした施設になります!

ReBuilding Center JAPAN
2014年より空間デザイナーユニットmedicalaとして「Nui.」「萩ゲストハウスruco」「マスヤゲストハウス」「hotel aioi」など、全国に居心地のいい空間づくりを行う。
2016年、長野県上諏訪にてReBuilding Center JAPANを設立。「Rebuild New Culture」という理念のもと、古材を再活用する文化を広めている。
2023年3月に上川町交流&コワーキングスペースPORTOにて実施した空き家対策関係イベントにて登壇。メディア情報:ガイアの夜明け

実は上川町へ移住する前、学生時代から札幌のゲストハウスで働いたこともあり、全国各地の素敵なゲストハウスやお店を手掛けてきた東野さんのことは10年以上前から知っていて、憧れの存在でした。
いつか上川町でもリビセンのようなお店を作りたいと思い、2年前にはリビセンに視察に行ったこともありました。
今回そんな東野さんに上川町の物件をデザインしていただけることになり、絹張も志水もとても感慨深い気持ちになっています…嬉しすぎる!

まだ解体工事が始まったばかりのANSHINDOですが、現時点ですでにたくさん相談に乗っていただいています!
自分たちだけではわからないことも多過ぎて本当にありがたいです!
東野さんが書いてくれた手書きのレイアウト案を見ただけで「めちゃくちゃ良い〜!」と興奮しました。マジすごい。楽しみすぎる。

北海道で素敵なリノベのお店をつくる大工さんといえばyomogiyaさん!

「デザインはリビセンさんにお願いするけども、施工はどうする??」となった時に、もうこの人以外考えられない!と思いお声かけしたのが、長沼町を拠点に道内各地の素敵なお店のリノベーションを手掛けているyomogiyaさん!

yomogiya(中村直弘)
システムエンジニアを経て大工に転向。2015年「住みよい」をつくる、をテーマにヨモギヤ設立。長沼町を拠点に、小屋の制作や青い星通信社(美深町)、shandinivascafe(長沼町)など、道内各地の店舗の改修を多数手がける。
メディア掲載:BRUTUS、小屋の時間、CabinPorn Inside、スロウ、その他多数

札幌に住んでいた頃、よく長沼のカフェに通っていました。
そこで知り合ったのがyomomgiyaのなおさんでした。
たまたま遊びに行ったり、SNSで見かけた「このお店素敵だなぁ」と思うお店がyomogiyaさんが手掛けたお店だったということがめっちゃあります。

そんなyomogiyaさんはなんと、上川町でリビセンのイベントを開催した時に、東野さんへ連絡して、上川入りの前に長沼に呼んでいたのです!
そこで東野さんと意気投合し、その翌月には長野のリビセンに行っちゃうというなんとも運命的な巡り合わせ…!
これはもうyomogiyaさんに施工してもらうしかないですよね!

なおさんにはもう3回上川町へ来てもらっていて、解体のやり方を教えてもらったり、A工事を依頼している地元の建設会社の笠間建築さんとの打ち合わせに入ってもらったりしながら、めちゃくちゃ背中押してもらってます。
ありがとうございます!

ここで暮らし、ここでやっていくのは自分たち。

多分この布陣を見てめっちゃ興奮しているのは僕たちだけではないはず。
こんなに最強な布陣で挑むんだから、あとは俺たちがどれだけ頑張れるかだ…!
やるしかねぇ!よっしゃー!と自分たちを奮い立たせる日々を過ごしています。

ただ、どれだけすごい人たちに協力してもらえたとしても、結局ここでやっていくのは、ここで暮らしている自分たちです。
「こんなすげー人たちとやるんだぜ!俺たちすげーだろ!」ってことでは全然なくて、あくまでも当事者であり実践者である自分たちが、自分たちで決めて、やっていくこと。
上川町が描く「北の山岳リゾート」というビジョンを、ここで暮らす自分たちが体現していくために。

次回は現在進行中のANSHINDO解体工事について!
マジで大変!でもたくさんの方がお手伝いに来てくれて、 #みんなでつくるANSHINDO が進んでいます!
とはいえまだまだ作業がたくさん残っています…
ぜひお手伝いお願いします!本当に猫の手も借りたい〜!

上川町のまちづくりを一緒にしていただける事業者様を募集しています!

ANSHINDOプロジェクトはただ廃ビルをリノベーションして複合施設をつくるだけではありません。
移住者や新規開業でお店も増え始め、さらにインバウンド需要も回復してきて、海外からの旅行者も増え始めている上川町。

暮らしに近い中心市街地に新たな観光の拠点となる複合施設としてANSHINDOを整備することで、上川町全体の魅力を底上げすることに加え、各店舗や町内で動き始めている様々なプロジェクトと掛け合わせながら、中心市街地の活性化や、層雲峡温泉街への誘客にも繋げ、持続可能な観光のまちとしてさらに進化することを目指しています。

地域の暮らしと自然、そして上川町の基幹産業である観光をつなげて、住んでいる人も訪れる人も楽しく過ごせる町にしていくために、共に上川町の新しい景色をつくっていただける『まちづくり・地方創生』に関心のある事業主様を募集しています。
ANSHINDOにテナントとして入ったり、ソフト事業として関わったり。
まずは下記のフォームからお気軽にお問い合わせください!
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