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【泊まれる複合施設をつくる④】 いま変わらないと #ANSHINDO

こんにちは!EFC.incの志水 陽平です!

みんなでつくるANSHINDOプロジェクトを始めるに至ったストーリーを、赤裸々に綴っていくこのマガジン。
ANSHINDOプロジェクトとは、北海道上川町の中心市街地にある元薬局(安心堂)の空き店舗を活用して、1階をフロントと貸しテナント、2階をまちやど(宿泊施設)、3階をシェアオフィスへと整備して運営するプロジェクトとのこと。

前回までの記事はこちらです!


僕が上川町の層雲峡温泉で宿をやりはじめたのが2018年、友人である絹張たち4人が地域おこし協力隊として上川町に移住してきたのが2019年。

今回は2020年、温泉街にコロナが直撃したときの話。


思ったよりやばいかも


変なウイルスが出てきて、なにやら日本にも上陸したらしい。

「へえ、そうなんだ。」

宿をやっているのにも関わらず、その時は気にもとめていませんでした。


そういっている間にあれよあれよと感染と風評が広がり、日本中がパニック。
マスクを買うためにドラッグストアに並ぶ人たち、なぜか売り切れているトイレットペーパー。(なつかしい)

『観光は不要不急』
『旅行なんて今やることではない』

だんだんと世の目は厳しくなって、これはウイルスそのものよりも嫌な感じで宿に影響がでるかもしれないと考えるようになりました。


宿を営業したらゲストやスタッフを健康的にリスクがある方へ導いてしまうかもしれない。
でも宿としてできることがあると思うし、来年以降のためにも営業したい。そして僕やスタッフ、地域としても稼いでいかなければ。



なんだこれ。
どっちに行っても行き止まり…?


挑戦しないと変われない


どうしたらよいのかわからず、電話でもネット上でも、とにかく立場の違う色んな人の話を聞きました。

そこでわかったのは、今後どうなるかは誰にもわかっていないということ。

偉いとされている人も、経営の先輩も、学者も、公務員も。

そして大変だったのはコロナに対する意見が立場によって違ったこと。
震災後のようにひとつの方向を向いていないところがかなり難しかったです。

あんなに考えたことは人生ではじめてでした。

健康面。経済面。安心安息。やりたいこと。地域としての評判。先の不透明さ。
あの規模にまでなると、早く終われ、誰かなんとかしてくれ、手を合わせて祈るだけ。正直そんな感じでした。

考えれば考えるほど思考が塞がれていき、一度は絶望して具合が悪くもないのに寝込んだりもしました。


でも、やれることを全部やってから泣こう。

良いのか悪いのか、答えは闇の中でしたが、宿を営業する決断をしました。

なんというか、いま挑戦し経験を積んで、時代と共に変化できなければコロナ後に悪い意味でなんにも変わってない気がしてしまったのです。

地域で温度感を合わせたい!


そう決めたものの、うちの宿は温泉街の中にあって、うちだけがそう思っていても変なムードの中で営業することになる
世は緊急事態宣言中でした。

温泉街のどの施設でもきっとスタッフの皆さんが一番対応に不安を持っていること。
どの施設で感染者が出ようと”誰のせいでもなく仕方がない”という認識を改めて統一すること。
感染者が出た場合の対応が遅れ、クラスターが発生する。またその風評で地区全体が沈むという最悪の場合を回避すること。

どうしたらよいか、、、
勇気を出して、観光協会へ連絡を入れました。

「外部からの人を受け入れる上での温度感をある程度揃えるようなガイドラインのようなものを作っていただけないか。概案をつくってみたのでみてほしい。」

地区にきて3年目、生意気な男に見えたかもしれません。でもそうした方が良いと思ったから迷いはありませんでした。

その時に地域おこし協力隊として活動していた絹張に相談すると、「それは温泉街だけじゃなくて町内エリア全体でやった方が良さそう」と。
本当にその通りだと思い、改めて協会さんへ提案に行きました。

当時提案したガイドライン資料

嬉しかったのは協会の方々が動いてくれたこと。

ガイドラインをつくるために事業者の方々を集めてくれ、ガイドラインができたら広報につなげようとポジティブな話になっていったこと。

そして、広報のアイディアを僕や絹張といった若手の意見を聞いてくれたこと。

歴史のある温泉街で物事を決めていくのはホントに大変だったけど、事業者としても年齢的にも若い僕たちに発言権を持たせてくれたことが嬉しくてキャッチコピーやデザインを提案に行きまくりました。

そしてできた広告がこちら。(なつかしい)

感染症対策がととのう。お迎えする心境がととのう。温泉でととのう。


まちぐるみでCMも流すことにしてくれました。

おかげで温泉街には風評被害もなく、観光客が戻ってきて、今日も温泉街にはたくさんの人が来ています。

この一連の流れがきっかけで、同地区にいながらも今まで関わりの薄かった方たちと繋がれて、“あそこにはこの人がいる”という安心感の中で宿を営業できるようになったのが何よりよかったです。(役場、観光協会、温泉事業組合、各施設のみなさん、その節は本当にありがとうございました)

近くの人、地域の人と同じ方向を見ると、なぜだかこんなにも心強い。

僕の中で勝手に中心部と温泉街を分けていただけで、全部一緒。

変わる勇気を持つこと、自分たちで何かを動かせること、思えばあのピンチの時に学んだことだと思います。
ひとつの宿だけではなくて、上川町のこともやりたいなと思ってきたのはこのときから。


でも、まだまだ町内にビルを買うなんて考えていなかったなあ。


上川町のまちづくりを一緒にしていただける事業者様を募集しています!

ANSHINDO2階の現状

ANSHINDOプロジェクトはただ廃ビルをリノベーションして複合施設をつくるだけではありません。
移住者や新規開業でお店も増え始め、さらにインバウンド需要も回復してきて、海外からの旅行者も増え始めている上川町。

暮らしに近い中心市街地に新たな観光の拠点となる複合施設としてANSHINDOを整備することで、上川町全体の魅力を底上げすることに加え、各店舗や町内で動き始めている様々なプロジェクトと掛け合わせながら、中心市街地の活性化や、層雲峡温泉街への誘客にも繋げ、持続可能な観光のまちとしてさらに進化することを目指しています。

地域の暮らしと自然、そして上川町の基幹産業である観光をつなげて、住んでいる人も訪れる人も楽しく過ごせる町にしていくために、共に上川町の新しい景色をつくっていただける『まちづくり・地方創生』に関心のある事業主様を募集しています。ANSHINDOにテナントとして入ったり、ソフト事業として関わったり。まずは下記のフォームからお気軽にお問い合わせください!

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