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式の整理・展開の問題解法

高校数学の学び直しも兼ねて,数学の問題の解法についての記事を記します.

➀降べきの順に整理

式を書くときに,項の並び方を適当に書くこともできますが,一定の順序に従って書くことで,見やすくしたり,問題解法への見通しがよくなったりします.

そのための一つの方法として,降べきの順に整理する方法があります.

$${ 3x^3+4-2x^4+5x-2x^2 }$$

という式を降べきの順に整理すると,以下のようになります.

$${ -2x^4+3x^3-2x^2+5x+4 }$$

数学では,数式などの表現の仕方を変えることで新たな発想を得たりしますので,それぞれの問題に対して最適な式の表現の仕方を考えることが重要です.

➁括弧()を外す

括弧がある式を簡単にする場合は,括弧を外して計算することになりますが,その時に利用する規則が分配法則です.

分配法則

$${ a(b+c) = ab + ac }$$

$${a}$$は()の中のそれぞれにかけなければいけません.

$${c}$$にかけ忘れることがないように注意しましょう.

➂例題

ここで,式の整理の問題をひとつご紹介します.

$${ 2a(a-1) -3(a^2-1) }$$を降べきの順に整理せよ.

式の整理の問題です.
括弧を外して,同類項の整理,つまり,同じ文字で次数も同じ項は計算して,降べきの順に並べればOKです.

$${ 2a(a-1) -3(a^2-1) }$$

$${ = 2a^2 -2a -3a^2 +3 }$$

$${ = -a^2 -2a +3 }$$

④式の展開

$${(x+2)(x-1)}$$などのように,整式のかけ算の形になっている式の括弧を外して,計算して整理することを「展開」といいます.

基本は分配法則を段階的に使って括弧を外していきます.

$${(a+b)(c+d)}$$

$${=a(c+d)+b(c+d)}$$

$${=ac+ad+bc+bd}$$

式の形によっては,展開公式という公式を用いて計算をスピードアップできますので,慣れてきたら活用します.

⑤例題

式の展開の例題を紹介します.

$${(3x-2)(5x+8)}$$を展開せよ.

慣れないうちは,愚直に分配法則の適用です.

$${(3x-2)(5x+8)}$$

$${=3x(5x+8)-2(5x+8)}$$

$${=15x^2+24x-10x-16}$$

$${=15x^2+14x-16}$$

ここで適用できる展開公式として以下の公式があります.

$${(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd}$$

これを用いると,

$${(3x-2)(5x+8)}$$

$${=3×5x^2+(3×8-2×5)x-2×8}$$

$${=15x^2+14x-16}$$

となり,一行節約できます.

ただし,順を追って計算したほうがケアレスミスはしにくいので,慣れるまでは慎重に計算してもいいと思います.

⑥展開公式

覚えておくべき展開公式には以下の4つがあります.

❶$${ (x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab }$$
❷$${ (x+a)^2 = x^2 +2ax + a^2 }$$
❸$${ (x+a)(x-a) = x^2 - a^2 }$$
❹$${ (ax+b)(cx+d) = acx^2 + (ad+bc)x +bd }$$

❶は,$${x^2}$$の係数が$${1}$$のときの公式で,❹は$${1}$$以外のときの公式です.

⑦終わりに

筆者自身も数学の学び直しとして,数学に関係する記事を書いていきますので,よろしくお願いいたします.

⑧参考書紹介

私が愛読している数学の参考書をご紹介します.

長岡亮介先生の参考書です.

例題を解き進めていく中で,長岡先生が注意点や危うい箇所を説き明かしておられます.

数学で利用される論理についてのお話です.

論理的に考えることに興味のある方にお勧めします.

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