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鍵盤音楽作曲家群像5

お気に入りのチェンバロ音楽を紹介します。

チェンバロ奏者もさまざまな方を選んでいますが、私のイチオシをご紹介しております。

今回はElisabeth Jacquet de la Guerre (1665-1729)を紹介します。

エリザベート・ジャケ・ドラゲール

ドラゲールはフランソワ・クープランと同時代の作曲家ですが、ルイ・クープランへの敬慕を感じますので、ここで紹介したいと思います。

エリザベト・ジャケ・ドラゲールは、フランスの女流作曲家のパイオニアで、名チェンバリストであると同時に歌手でもあったそうです。

プレリュード・ニ短調

プレリュードは、ルイ・クープラン風の音価が指定されていない即興的な部分で、小節線が記載されている部分を挟むというタイプです。

ドラゲールの時代ではあまり流行らなかったと思いますので、懐古趣味の作風がうかがえます。

シャコンヌ・ニ短調

シャコンヌは、パッサカーユと同様の変奏曲ですが、特徴的なのはもとのテーマを繰り返しつつ、間に自由な変奏を挟むタイプです。

組曲自体はニ短調ですが、このころになると、組曲の中に同音長調を挟むこともよくあり、終盤に穏やかなこの曲を配置しています。

ブランディーヌ・ヴェルレはドラゲールの曲を収録した最初期の方だと思いますが、以後いろいろな女性奏者が収録を試みています。

トカード・ヘ長調

トカードというのは、一見トッカータのフランス流の言い方のように思えますが、古風なトッカータのような雰囲気よりは、同時代のフランソワ・クープランのプレリュードと似ており、気まぐれな雰囲気もあります。

シルビア・エレクはハンガリーのハープシコード奏者で、高い演奏技術とバロックの深い理解に定評があるそうです。

この演奏は、おそらくリュッカースチェンバロによるものではないかと思います。

深みのある低音が魅力的ですね。

シャコンヌ・ニ短調

エリザベス・ファーによる演奏です。

穏やかで牧歌的な雰囲気のテーマの間に、ドラマティックな短調のパッセージが挿入されるところがとても印象的です。


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