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Saras Sarasvathy教授の授業

こんにちは、広瀬です。

今日はバージニア大学ダーデン経営大学院のサラスヴァシー教授のオンラインコースの内容を書いてみようと思います。しかし、このコース内容としてEffectuationの5つの原則を色々と書いてしまうと、授業内容と私が学んだことがミックスされ、あとから5つの原則を検索する際にトピックのタイトルがふさわしくない等がありますので、ここではコースのアウトラインにとどめます。コースを受けないと得られない情報などは別のトピックにしたいと思います。

私が学んだこのオンラインコースはMoocs(Massive Open Online Courses)よ呼ばれるコースの一部で、コース運営会社のCouseraがバージニア大学ダーデン経営大学院の代わりに運営しているものです。オンラインコースの中にはHarard Business School OnlineやMIT Sloan School of Management Executive Programのように、各ビジネススクールが直接運営しているものもあります。なお、勉強の環境はすべてWeb Based Trainingで、紙などはありません。iPhone(小さいですが)、タブレット、PCが勉強の端末です。

今回受講したコースの概要を以下に示します。
正式なコース名は、Effectuation: Lessons From Expert Entrepreneurs です。サラスヴァシー教授は最初のウェルカムメッセージで「Welcome to Effectual Entrepreneurship course」と言っていたので、Entrpreneurshipコースの一部なんだろうと思います。

コースのトップページ
サラス・サラスヴァシー教授

コース中途と最後の課題をすべてクリアするとこんな修了証書を頂けます。Certificationと呼ばれていて、サラスヴァシー教授のサイン入りです。

Certification

書き忘れましたが、コースは資料と講義プレゼンすべて英語です。基本的に英語力はあったほうが良いですが、私の経験から英語はそれほどできなくても課題をクリアし、Certificationを頂ける裏技もありますので、そのうち披露したいと思います。Moocsでも海外大学の学部や大学院の学位取得が可能ですので受講したいと考えている方々は楽しみに待っていて下さい。

さて、以下がコース内容です。このコースに関しては、申し込んだ日から4週間Self-Paced(公文みたいに自分のペースでどんどん進める)です。HarvardやMITでは毎週開始日と終了日が決まっていて、自分のペースで進めることはできませんでした。なお、ここに示す内容はバージニア大学側との契約により詳細に書くことができませんので、簡略化した内容のみを示します。もう少し詳しく見たい方は最後にURLを示しますので、そちらをご覧ください。

Week 1
I don't have an idea
Course Welcome:
 コース全体の説明とサラスヴァシー教授がシリアル・アントレプレナー(連続して起業を繰り返す起業家)であることの紹介
Lesson 1: Effectuationの5原則で立ち上がったベンチャー企業の事例紹介
Lesson 2: Bird-in-Hand(手中の鳥)の原則
第1週目テスト

Week 2
I don't have resources
Lesson 1:
Affordable Loss(許容範囲の損出)の原則
Lesson 2: Crazy Quilt(クレイジーキルト)の原則
第2週目テスト

Week 3
I'm afraid to fail
Lesson 1: Lemonade(レモネード)の原則
Lesson 2: Pilot-in-the- Plane(飛行機のパイロット)の原則
第3週目テスト

Week 4
I don't know what to do
Lesson 1: How do you control a future you cannot predict? (事例が多い)
Lesson 2: The Entrepreneurial Method(事例が多い)
第4週目テスト
全体確認テスト
実習課題(Effectuationに独立するビジネスプランを作り、コース参加者同士が採点する)

コースの授業はサラスバシー教授のプレゼンから始まり、途中で関係者に変わったりして、プレゼン時間は5分~10分くらいです。このプレゼンのショートビデオは一つの原則につき5本くらい流れます。プレゼンの後は課題問題を解いたり、PDFの参考論文を読んだりします。論文を読み終わるとプレゼンに戻ります。プレゼンに関してはトークスクリプトが表示されており(ビデオとトークスクリプトはダウンロード可能)英語が第二か国語の人にとっては助かると思います。また、各週のLessonの途中でプレゼンが止まり、そこまでの理解を確認する選択式の小テストがあります。この小テストは確認だけで成績にはカウントされないようです。(Harvard Business Schoolのオンラインコースではカウントされていました。)さらに、各週最後にはFinal Quizがあり(Quizと言っても日本で言う立派な確認テストです)、全てのテストで80点以上が合格点になります。(提出後すぐに得点表示されます。)

実習課題に関しては、自分自身が立ち上げたいビジネスを考え、Effectuation流にプランをまとまるというものです。Effectuation流とは何かと言うと、自分のBird-in-Handとして、私は誰か?、私は何を知っているのか?、私は誰を知っているのか?をまとめます。 Affordable-LossではBird-in-Handの中から自分は何ができるのか、どのくらいの予算がかかりそうか、それはAffordable-Loss(許容可能な損失)として失敗しても生活に問題のない金額か等を考え具体的に実行することを文章化します。また、そこに至るまで誰と会話し(少なくとも3人以上)、どのようなアドバイスを貰ったかも記録します。そして自分が具体的に実行する内容にアドバイスを追加し、次のステップとして何をどうするか記述して実習は終わります。

私は、今の延長線上のコンサルティングをEffectuation流にサラッと考えてみました。以下が、その時のBird-in-Handです。全体で8ページのプランです。Effectuation流に考えると、今自分がやっているコンサルティングビジネスもこんなゆるい感じになるんですね。競合分析もなく、身近な人達にコンサルティングを提供する感じです。「身近な人」、これが正にEffectuationなんだろうと思います。そして、この8ページのプランがコースが決めた基準に達しているかどうか、コース参加者が相互に評価しあいスコアを付けます。私はどうやら基準に達したようでした。

実習は一見簡単なように見えますが、基本的にコースで学んだすべての項目がコンパクトに纏められているかが問われますので、ここで自分は新規ビジネス立ち上げのベテランだからといって自分流に数十ページのレポートのようなものを提出しても良い点が取れるとは限りません。

正月(2024年)明けたらコースで習った、今まで世の中に出ている本に書いていないことも含めてEffectuationの素晴らしさを書き始めようと思います。

Effectuation: Lessons From Expert Entrepreneurs
Coursera URL: https://www.coursera.org/learn/uva-darden-effectual-entrepreneurship

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