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Effectual Business Modeling Method 起業アイデア具現化全体像(1)

こんにちは、広瀬です。前回は具体的な起業アイデアを実際にEffectuation Business Canvas(以下、EBC)に当てはめ、EBCを使用することのメリットと起業しようとしている人の強み/弱み/隠れた可能性が見えてくるところまで説明し、EBCを使用することの利便性をご理解いただけたかと思います。今日は出来上がったEBCのその後の扱いと、Effectual Business Modeling Methodの全体像についてお話します。


前回のストーリー

Effectual Business Modeling Method

以下に私が考案したEffectual Business Modeling方法論のブロック図を示します。この図はEffectuationの5つの原則をベースに、アイデアの閃きから、そのアイデアのEBCによる具現化、さらにCrazy Quiltでワイワイガヤガヤ、そして独立・起業・事業化までの大きな流れを示しています。Pilot-in-the-PlaneとLemonadeの原則は全ての行動の基本原則であるとして、一番外側の枠に入れています。つまり、Bird-in-Hand、Affordable Loss、およびCrazy Quiltの行動はPilot-in-the-Planeの原則のもと、全て自分がコントロール可能な行動として、またこれらの行動の中で得たダメ出しや知見はLemonadeの原則として前向きに受け入れることを表しています。


Effectual Business Modeling Method
(筆者考案・作成)

Effectual Business Modeling Process

次の図はアイデアの閃きを事業化し、さらにその先の行動指針(プロセス)を示したEffectual Business Modeling Prosessです。私は経営コンサルタントですので、何かの作業実施手順や作業全体がどの様な要素で構成されているかを視覚的に表示するために、◯◯プロセス図とか、〇〇モデル図等を描きますが、決して話を難しくしているわけではなく、物事を文字で理解するより図や流れ図で視覚的に理解したほうが記憶に残るので、このように図式化しています。

Effectual Business Modeling Process
(筆者考案・作成)

少し話がズレますが、上図プロセスの「アイデアの閃き~ブランディング」の流れ全体は独立・起業・事業化の戦略を表しています。そして、「アイデアの閃き」などの一つ一つの右側が尖った長方形は戦略実行のための戦術になります。StrategyとTacticsです。戦術を一つずつ実行することでプロセスになります。そして、戦術の下にある長方形が戦術の具体的な作業内容になります。こう言う図を見ただけCausation的と思われる方も多いと思いますが、内容を見て頂きたいと思います。内容はすべて自分たちでコントロール可能なものばかりです。何かの計画が入っていて、その計画を全うするための予想スケジュールなどは一切入っていません。

アイデアの閃き

新規事業のアイデアが閃いたら、Bird-in-HandやAffordable Lossをざっくり考えEBCを作ります。2~3パターン作ってみるのも良いかもしれません。

アイデアの閃き再確認/評価

まずは自分で再確認/評価を行い、これから行う新規事業の妥当性や、自分自身の強み/弱み/隠れた可能性を確認して下さい。この時、親しい友人数人に話を聞いてもらうと良いでしょう。この時の話では、あなたの弱みの解決策、あなたが思っている隠れた可能性に対する意見を中心に聞くと、良いアドバイスが得られるかもしれません。この時に受けたダメ出しやアドバイスは真摯に受け止め、新しいEBCにまとめ直して下さい。

アイデアの事業化

ここでは再確認/評価されたEBCを唯一の説明資料としてCrazy Quiltに望みます。Crazy Quiltで話す人は多岐にわたります。前回話しをした親しい友人や身近な人(奥さん、旦那さん)、営業チャネルになってくれそうな会社の人、部材の仕入先になってくれそうな会社の人、主なパートナーになってくれそうな会社の人、顧客になってくれそうな人や会社の人、ひょっとしたら共同創業者になってくれそうな人、出資者になってくれそうな人、その他色々です。Crazy Quiltでの話は相手の回答がYes/Noで終わらない質問を中心に話し合いを行うと良い、とサラスヴァシー教授は述べています。それぞれの人に対する質問のヒントは別NoteのEffectual Business Modeling Method 効果的な問いかけ(Effectual Ask)をご参照下さい。

多分Crazy Quiltを繰り返すごとにEBCも充実してくることでしょう。EBCが唯一の説明資料になりますので、変更点は必ずEBCに反映することをお勧めします。Crazy Quiltは多くの人と会話すると言う原則なので、自分のアイデアがまとまり、この辺で実現可能とおもったら早い時期に事業立ち上げを行いましょう。なお、ここから先の個人の独立・起業と一般企業の新規事業立ち上げの手順に関しては割愛させていただきます。


この先は、事業立ち上げ後しばらくして顧客の購買行動や反応が見え始めた頃の話になります。このまま話を続けると長くなりますので、今日はここまでとさせていただきます。
次回の予告としては、顧客体験の確認でValue Proposition Canvasを使って(使い方はオリジナルの使い方と異なります)、立ち上げた事業の価値と顧客の欲するもの(Job-to-be-Done)の評価方法と製品/サービスや個人のブランディングの話をします。また、皆さん見たことのないピラミッド図のお話もしたいと思います。
本日は、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

顧客体験の確認

ブランディング

Effectual Business Design Pyramid


Effectual Business Design Pyramid
ハーバード・ビジネス・スクール
Job理論の経営戦略コース
故クレイトン・クリステンセン教授の
講義資料をヒントに筆者が作成



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