お通夜式を終えて

2024/4/9(火)
本日はお通夜。
今、この記事を葬儀場の控室で書いています。

「さすがに疲れたなあ」というのが今日の感想。
そしてまた、いつもながら周りの協力に感謝するばかりの日でもありました。

父の葬儀では私は喪主を務めることにしました。
一般的には配偶者である私の母が喪主となるケースも多いようです。
今回は葬儀場の方の最初の質問が「長男様が喪主様ですか?」で、さほど深く考えずに「はい」と答えたという超偶然でした。

喪主ともなると、様々なことを決めなければなりません。お通夜や告別式の人数確認、告別式での食事の確認、遺影の選択、スライドショウ用の写真の選定、供花の確認、お焼香の順や弔電の確認、お香典の扱い、喪服の準備、支払方法、そして喪主の挨拶などなど。
また、葬儀場関連以外でも、お通夜や告別式の各方面への連絡、妹(知的障碍者)の参列の算段、疲れ切っている母のケアなども考慮が必要です。

とても私だけで(しかも疲れつつあるアタマで)こなせるものではありません。礼服はレンタルで済ませるにしても、ワイシャツや靴は用意が必要ですし、写真の選択にもかなりの時間がとられます。

今回活躍してくれたのは私の妻や子供たちです。
妻は自宅から必要なものを持ってきたり、参加者名簿の原案を作成し、長女は母につきっきりでスライドショウの写真選択をしてくれました。
お通夜の夜中は長男が付き合ってくれています。

当たり前といえばそうなのかもしれませんが、それでも自分の仕事や楽しみを置いて協力をしてくれています。感謝しなければバチがあたりますよね。

私も妻も両親がずっと健在でしたので、実はお通夜にちゃんと参加したことはありませんでした。(一晩の寝ずの番は大変だなあと思っていた程度)
今回は、自宅から葬儀場への搬送、葬儀場での湯かん(お清め)、納棺(棺の準備をしたうえで遺体を納め、多少の飾りを行う)といった手順を初めて経験しました。

どの工程でも皆さんが非常に丁寧に遺体を扱っていただき、「お肌がきれいですね」「いいお顔ですね」と言っていただきました。
それもこれも自宅で看取ったおかげなのかなと思うとうれしくなりました。

その後、バタバタしつつ、ご挨拶の原稿を考えているうちにたちまちお通夜の時刻になります。結局、紙の原稿は完成できず、半ばぶっつけ本番の喪主あいさつとなりました。

幸い、父のエピソードなんて考えればいくらでも出てきます。
父が苦しむことなく、非常に穏やかに旅立ったことをご報告した上で、いくつかのエピソード(スペイン語を勉強していた話、仕事での交渉ごとの話など)を紹介して、無事喪主挨拶を乗り切りました。

ついさっき、父が好きだった日本酒を父の棺の前に置き、私も同じお酒をいただきながら、父の写真のスライドショウを見つつ、父にたわいもないことを話しかけていました。なつかしいな、でも少し悲しいなとは思いますが、涙が止まらないような悲しさはありません。

私は泣き虫です。
だから、「父の衰えていくところをキチンと見続ければ、きっとこっちも覚悟ができるはずだ」と思って、父の入居している施設を十年間毎週訪問しました。

でも、実際に旅立つまでは、まったく自信はありませんでした。
「やっぱり、その時は涙が止まらないんじゃないか、いつまでも悲しくなるんじゃないか」という思いがありました。

それは全くの杞憂でした。
この文章を書いている今、私はすごくスッキリしています。
周りの方にも自信をもって「父は幸せに旅立ちました」と言えます。(多少涙声になるかもですが(笑))

ただ、一つ今日のお通夜で残念だったことがあります。
それは母が参加できなかったことです。
悲しみが強く、人前に出ることができなかったようです。
もう少し私がケアできればよかったのでしょうが、そこまでのはパワー出せませんでした。
残念ではありますが、誰が悪いわけでもありません。
これが母なりの愛情表現であれば受け入れようと思います。

でも、母の様子を話したところ、妹さんや私のいとこたちが「じゃあ、おばさんのところに寄ってみるね」と言ってくれました。私には家族だけじゃなくて、こんな人々がついてくれています。
本当に自慢のいとこたちです。えっへん。(泣笑)

今回のお通夜でもまた多くの方の献身的なご協力をいただきました。
葬儀場のご担当さん、
湯かんをしていただいた方々、
葬儀場でのお通夜の食事をお世話いただいた方、
そして参列いただいたご近所の皆さん、
自治会の皆さん(父は自治会にも積極的に参加していたようです)、
妹の施設(この施設の立ち上げには父はものすごい努力と貢献をしました)の皆さん、
父の妹さんとご家族、
母の妹さん、
私の自慢のいとこたち、
そして、私の最愛の家族。 

今回の成功は実に多くのみなさんの協力によるものです。
いつものセリフになりますが、父に関わってくださったすべての皆さんに感謝をいたします。
今回も、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?