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【side B】はなればなれ〜KANさんのこと

私が利用している「書く習慣」アプリは、毎日夜7時にお題が更新され、ユーザーはそのお題をもとに小説や詩、エッセイなどさまざまな作品を生み出しています。

【はなればなれ】というお題が出たのは、一昨日の夜7時のことでした。当日には書けなかった私は翌朝、つまり昨日の朝から創作するべく設定をあれこれ考えていました。

普段は離れて暮らす家族と会うとか、同窓会で久々に仲間が集まるとか、そんなシチュエーションが浮かびはじめたころ、突然耳に入ってきたのがKANさんの訃報でした。

はるか遠くへと旅立ってしまったKANさんと、もう2度と会うことは叶わない。今回は創作ではなく、自分の正直な気持ちを書くことにしました。

書き終えた後、KANさんの29周年記念LIVE DVDを観ました。副音声でスタレビの要さんとのトークに爆笑しつつ、今観ている映像の真ん中にいる人がもういないという寂しさも同時に感じていました。

今日、ワビサビ(KANさんがレギュラー出演されていたラジオ番組)で要さんと馬場俊英さんがKANさんとのさまざまなエピソードを語ってくれました。決して悲しいだけじゃない、KANさんへの愛に溢れた温かい雰囲気の中、番組のエンディングで流れた曲は『世界で一番好きな人』。この曲を聴いた途端、涙腺が崩壊してしばらく涙が止まりませんでした。

このとき、あらためて気づかされました。大切な人を失ったとき、悲しみに暮れるのは当たり前のことで、むしろ悲しみを抑えすぎて泣きたくても泣けないと、次へは進めなくなってしまうのではないか、と。

必要なのは『ちゃんと悲しむ』こと。涙をぐっとこらえ、故人が安心できるようにと考えることも大切ですが、そのためには、まず失ったことへの悲しみをしっかり感じて受け止めないと前に進むための一歩を踏み出すことはできません。

私はまだ、KANさんを失った事実をちゃんと悲しんでいなかった。そのことを教えてくれたのが今日のワビサビでした。要さん、馬場さん、ありがとう。ようやくちゃんと泣けました。明日からまた、次へと進めそうです。

そしてKANさん。素敵なメロディーやサウンドアレンジ、そしてセンスある言葉の数々…たくさんの宝物をありがとうございました。今回の旅先でもまた、いろいろなことを楽しんで過ごせますように…おやすみなさい。

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