すぐに決めつけて、非難すること- judgemental

長く人生を生きていると、「えーーーー!」という人に出会うこともあります。
「えー?そんなことやっちゃうの?」
とか
「えー?そんなこと言っちゃうの?」
とか。

先日、実に身近な人があからさまに人を傷つける場面に出くわしてしまいました。
暴力ではありませんが、言葉の暴力です。
被害にあった人から、その暴言メールを見せられた時には、
何かの間違いかと思いました。
もう驚いたのなんのって。

その日は眠れませんでした。(自分が被害者ではなかったのですが)
傷つける方は正当な理由があると思ってやっているわけです。
電話して、あなたは間違っていると、長々説明してやりたいと思いました。
他の人がどう思っているか知っているの?と、言ってやりたいとも思いました。
そうやって相手をやっつけるシミュレーションを布団の中で夜中までやっていました(笑)。

その数日後、昔の友達と久しぶりに集まるために連絡を取り合いました。
一人は看護師さんです。
彼女の病院ではコロナの症状が消えた後の患者さんを受け入れています。
陰性が確定されていない状態で転院してくるので、防護服でケアしなくてはなりません。
本当に大変そうです。

そしてもう一人の友達は、「ノーマスク主義」でした。
夜も普通に出歩いているそうです。
さすがに看護師の友人は、マスクしていない人には会えないということで、
今回の会はお流れになりました。

私の妹はケアマネージャーで、
コロナ以降ピリピリして気の休まらない日々を送っています。
彼女の施設の人たちはご老人なので、クラスターが出たら悲劇です。
妹はもうずっとほとんど外出していません。
身近な人の大変さを見ているので、
一部のマスクしない派の人には腹が立って仕方がありません。
マスクなんて効果ないという人達が、
依って立つ論拠とデータを示してくれ、といつも思っていました。
ですので、友人がノーマスク主義とカミングアウトした時は、
正直言って、かなりひきました。

そんなことが続いたものですから、あまり心が良い状態じゃありませんでした。
久しぶりに軽い頭痛などもあったのですが、ゆっくり散歩に出ることにしました。
心を落ち着けるには犬と山を歩くのが一番なのです。
少し小雨の降る風の強い日でしたので、山には誰もいませんでした。
意識的に呼吸をゆっくりしながら、歩を進めます。
ふと気をぬくと、ここのところの人間関係のことばかり考えてしまうので、
風を感じたり、空を見上げたり、マインドを休ませます。

そうしているうちに、諸々のことが大したことではないと感じられてきました。
そして、私は「あの人は悪い」「この人は良い」とすぐに決めつけたがるなーと気づきました。
ある人の心全てが、真っ黒クロな訳ないんですよね。
私に長所があれば欠点もあるように、暴言を吐いた人も、
ノーマスク主義の人も、長所もたくさんある。
その人のほんの一部を見て、すなわち悪人にしてしまうのは、
あまりに極端というものです。

人の考えや人の志向はそれぞれで、そこに良いも悪いもない。
その考え方に対して、好きか嫌いかはありますが、
嫌いなら近寄らなければ良いだけですものね。
今の私にできることは、傷つけられた人の気持ちに寄り添うことだけ。
今回、私の生活に何の影響もないことを、
くつくつと数日考えていたんですね。

往年の人気ドラマ「sex and the city」の中で、
キャリーが何度かミランダのことを「judgmental」と非難しているのを思い出しました。
すぐに決めつけて、批判する…という意味です。
私のことだ。
​浅はかなことです。気をつけよう。

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