13歳の僕

この文章は2014年、僕が13歳だった頃、僕がROCKET第1期生に応募した際に書いたショートエッセイです。自分の記録用に残しておきます。


先日ウルリッヒ ヴァルター氏の講演会を聴いてきた。
地球消滅の日に向けて人類の地球脱出計画が既に始まっているそうだ。
火星の地球化はもちろんのこと、1000万人の人がコロニーで生活しながら400万年かけて天の川銀河を開拓して住処を探すらしい。
コロニーを動かすエネルギー源はやはり核融合が期待されている。
僕はそれを聞いて、今日からできないなんて概念は捨てようと思った。

この講演会だけでも僕の知りたい事は増えていく。
実際に開拓できる星とはどのような条件が必要なのか。
なぜ400万年という具体的な月日で天の川銀河を開拓できるのか。
これを知るためにはまず核融合によって取り出されるエネルギーと推進力を求める必要がある。
さらに天の川銀河の星の数、調査する時間なども知る必要がある。
また、1000万人が400万年生活するための水はどのように確保するのか
コロニーにはどのような建材が使われるのか
まず耐熱。
宇宙は温度差が激しく太陽系でさえ、日陰と日向で240度の差がある。
次に圧力。これは外部ではなく内部から空気が膨張する事を防げるような頑丈で柔らかい物でなければいけない
放射能等を遮断できる素材。放射能はほとんどの物質を貫通するため限られた物質を間に挟まなければならない。なおかつ取り替えが簡単でなければならない。どこかの星の軌道を外れた岩(隕石)の衝突にも耐えうる素材。
多分、コロニーは岩の衝突を避けるアルゴリズムがあるのかもしれないが保険のためにも頑丈な素材であるのが理想
その他にもきりがないほど疑問は出てくる
これを学校で聞こうとしても答えてくれる人はいない。
聞けば聞くほどうるさいと言われ、それよりも忘れ物をするなと言われる。
中学高校と頑張れば大学で勉強できるというけれど
僕は「今」それを知りたいのであって大学までその興味が継続するとは限らない。
実際僕は、知っている人を捜すのにとても苦労し、結局わからない事も多い。
インターネットを鵜呑みにして良い物かわからないし、知れば知るほど数学などの知識が足りない事に気付く。
いっその事ロボットが教えてくれれば良いのにと思う。
好きな事をすぐに学べ、煩わしく思われることもない。極端な話、学校に行かなくても良い

昔、携帯捜査官なるテレビ番組が大好きだった。
持ち運びやロボットのイメージを(僕はアンドロイドは不気味の谷で受け入れられない)壊さずなおかつ作りやすい形状にするならあの
形はもってこいだと思った(作りやすさをさらに求めるならiPhoneの形にした方が良いのかもしれない)。
もし、そんな世界が実現したとして、僕はそこで何をするだろうか
まず、どこでも勉強できるし時間の制約がないから、思い切って天文台や山で生活してみたい。
天文台なら昼間はゆっくりして夜は星を観測しながら勉強したい。
山では自然の草花、生物や気候について感じることもできる。何ならもう働いても良い。
トウモロコシを育ててみたい。
トウモロコシは美味しいし、気候の変化に強く、でんぷんも多く含まれており、バイオ燃料にもなるから実験もやってみたい。
実験が成功したらバイオエンジンを作って、車を走らせたい。
働いたらお金も手に入るし、世界中を旅行する事もできる。
今の学校には友達もいないけど、世界中探せばどこかでできるだろう。
働き手が増えれば国は納税者が増えていいんじゃないか。
ロボットの普及は勉強の場所、時間の制約や言葉の壁、教えてくれる人の能力や地域差もなくなる。
ロボットが普及したなら小学校3年生くらいまでの知識なら学校に行かなくても獲得できる。
僕は1年生のとき1+1=2なのはなぜかを聞いて先生を困らせた。
そのとき先生は45分授業で君にかけられる時間は1分ちょっとしかないと言った。
ロボットなら1:1だからかけられる時間も多くレベルにあわせた学習ができる。

では、学校や教師は無くなるのか。
そうではないだろうが、今とは全く違う形になっているだろう。
ロボットは学校の範囲以上のことを教えてくれるが、それぞれの持っている知識を学校で集まれば共有する事ができる。
自分の知らない世界を友達から教えてもらえる。
もちろんsns等で共有する事はできるが、自分の関心に近い人同士が集まるから視野が狭まってしまう。
「会う」という事はどれだけ通信技術が発達しても一番良いコミニケーション方法だと思う。
教師の役割は様々な分子が化学反応をするときに制御して新しい物を作り出す科学者のような存在になれば良いと思う
また自分の知識や経験が、その地域や社会にどのような役割を果たすのか、どうやって結びついていけば良いのかを教えてほしい

そんな未来は10年くらい先には始まるんじゃないだろうか。
そのとき僕は23歳、僕は世界のどこかの核融合施設を携帯ロボットと一緒に見てると思う。

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