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朝鮮人蔘


朝鮮人蔘(チョウセンニンジン)



生薬や漢方薬にもなる高級な植物。
人蔘と名がつくが、一般の人参とは種類が異なり
その根の姿が、人の姿に似る事からついた名称。
別名では、高麗人蔘(コウライニンジン)とか
御種人蔘(オタネニンジン)とも呼ばれている。



この植物は朝鮮の薄暗い林の中に生息していた
ものを発見し、その希少性から人の手によって手間暇を掛けて栽培する様になった。その注意点は



強い陽光に晒したら、途端に枯れる。
強い雨に打たれたら、途端に枯れる。
強い風に吹かれても、途端に枯れる。



とにかく大切に過保護に育ててやらないと枯れる。



今の5月の日差しに直に当たると1時間足らずで
ダメになり、枯れる程のデリケートさとの事。


ひたすらに穏やかな薄暗さと、爽やかな微風と
仄かに雨で湿る程度の状況、これが大事らしい。


そして、逆を返すと弱い光でしか育たないという事
は、成長をするのにも時間がかかるという事。



普通に朝鮮人参と云われるものが育つまでに掛かる時間がだいたいで6年にもなるのだと云う。それは
子供が小学校に入学し卒業するまでの時間と考えると改めて大変な植物だなと思い知らされる。これの
有効成分のサポニン(ジンセノサイド)が最大量に
なるのが6年と云うのを示したのが下のイラスト。


3年目ではまだ鉛筆位の太さだそうで、四年目から
いきなる太くなるらしい。そして6年目には立派なサイズまでになるという。

なので、この朝鮮人参は覆下栽培が必須ともなる。覆下栽培は、宇治のお茶畑での玉露を作る時と同じ栽培方式で、直射日光や風雨に晒されない様にと、植物全体を防護用の繊維等で全体を覆う栽培方法のことを云う。下の写真は宇治の玉露用茶畑の覆下の栽培の写真で、光・雨・風の影響を軽減するもの。



そんな環境さえ作れば良いという事には成らずで、
この6年間で、朝鮮人参を栽培していた土地は完全にダメになる。実はこの朝鮮人参を育成をする為に土壌を作り上げる作業に先ずは3年間時間を掛けているのである。そして6年間掛け朝鮮人参が出来てその後は栄養分が抜け落ち使い物にならない土だけ残る。この畑は次の育成の為に土壌を作るのに3年を掛ける必要が生じるのである。朝鮮人参が何故、こんなにも高価なのかはこれらが理由となる。




下の写真はそんな手間のかかる朝鮮人蔘の可愛い
花を撮影したものとなる。



和名 朝鮮人蔘 (チョウセンニンジン)
   高麗人蔘 (コウライニンジン)
   御種人蔘 (オタネニンジン)
洋名 チャイニーズ ジンセング
   (CHINESE GINSENG)
   コーリャン ジンセング
   (KOREAN GINSENG)
学名 パナックス ジンセング
   (PANAX GINSENG)
分類 セリ目、ウコギ科、トチバニンジン属
   オタネニンジン種
種類 多年生植物
草丈 60cm
開花 春〜夏
花色 緑、白
活用 生薬 生薬名『人参』
   漢方 人参剤
   食用 参鶏湯(サムゲタン)、ほか
   茶類 人参茶
   酒類 人参酒
成分 ジンセノサイド(サポニン群)
効能 疲労回復、滋養強壮、食欲不振対策、
   胃腸虚弱改善、など
原産 中国、朝鮮、ロシア
言葉 癒し
   願い
   愛
撮影 武田薬品京都薬用植物園(花)
   *それ以外の写真を含めた画像はネットから
   拝借したもの。





朝鮮で見つかった天然物の朝鮮人参は415g
のもので、世界最大級との事から四千万円もの
価格がついた。この植物ひとつで家が建つ、
何とも素晴らしい夢のある話である。

下の写真は実際に報道されたものの写真となる。

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