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堺筋倶楽部


堺筋倶楽部 (サカイスジクラブ)


戦前の当時は、北浜地区を中心に洋風の近代
建築が次々と建てられた時代で、堺筋本町と
長堀橋の丁度、真ん中に建つ重厚なこの建物
も時代の流れに乗って、1931年に銀行と
して建設されたものである。


このビルの設計は、施主の川崎貯蓄銀行内の
建築課が基本的な構造案を引いたものを当時
の東京川崎財閥の建築の多くを手掛けてきた
矢部又吉氏が設計をしたものである。


この矢部が建築設計を学んできたプロイセン
のバロック・新古典主義の歴史的な建築様式
が採用されているもので、日本の近代建築と
してはとても珍しいものとなっている。


銀行は、戦後から今に至るまで、多くの銀行
が合併や統廃合より、多くが集約されていき
この川崎貯蓄銀行もまた、同様に三菱銀行に
吸収合併されたのである。


この建物は、2001年にコンバージョンを
されてレストラン施設へと改装された。この
『コンバージョン』とは、『用途変更』を意味
しており、関西地区では大きく注目をされた
変革でもあった。


古き良きレトロ建物を次の使い道に利用する
というカフェやレストランコンバージョンの
まさにブームというものを『堺筋倶楽部』は
かなり早い時期にやってのけたのである。


この2001年のレストラン改造を施した際
に、金庫室はワインセラーへと姿を変えた。


現在の姿は、銀行当時の元営業室の高い天井
を生かした1階部はイタリアンレストランに
2階と 3 階は役員室や電話交換室、金庫室と
いった小部屋を上手に活用しててフレンチと
なっている。また 4 階にはバンケットルーム
もあり、施設全体を使ったウェディング対応
も可能となっているもの。


今回のイケフェスの時は特別で、レストラン
やカフェの利用者でなくでも中に入って撮影
をするのもフリーという状態であった。


外観



1階部分の天井高いイタリアンレストラン部分



2階、3階へ続くフレンチレストランへの階段


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名称 堺筋倶楽部
   (サカイスジクラブ)
旧名 川崎貯蓄銀行
   (カワサキチョチクギンコウ)
所在 大阪市中央区南船場1ー15ー12
建設 1931年
構造 RC 造 4 階、地下 1 階
設計 川崎貯蓄銀行建築課
   矢部又吉
番号 イケフェスエントリーNO.93
撮影 2023年10月28日(土)

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#生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪
#イケフェス大阪2023
#OPENHOUSEOSAKA2023

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