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金戒光明寺



五劫思惟阿弥陀仏 (ゴコウシユイアミダブツ)



螺髪(ラハツ)が通常の阿弥陀仏(アミダブツ)
より大きく被さるこの仏像、日本の国内に十六体
ほどあるのだがその中、石像として削り出された
像は、この金戒光明寺(コンカイコウミョウジ) だけとなる。因みに金属製の像は他にもある。
キャハハ、何コレ、アフロ頭ジャン、などとは
言ってはいけない。とても有難い阿弥陀仏である。


通常の阿弥陀仏と大きく違うこの髪型の意味とは
果てしなくも長く気の遠くなる程に修行を重ねた
その時間を表したものとなる。

五劫思惟阿弥陀仏 (ゴコウシユイアミダブツ)
の仏像の名前の五劫(ゴコウ)とは、あの落語の
前座話の『寿限無』(ジュゲム)の中に出てくる 『五劫の擦り切れ』 を意味する。


では、その『五劫の擦り切れ』とは何かである。
天女が三千年に一度下界に下る度に衣で巌を撫で
(この巌(岩)とは四十里立方もの巨大なもの)
その巌を撫でて無くなってしまうのに要する時間
の事を一劫と呼び、それの五倍で五劫となる。

人が想像しうるレベルのものでない程の長い時間
を修行してきたことをこの阿弥陀仏の螺髪は表している訳である。


一枚目の阿弥陀仏だけで、長い解説となった。
金戒光明寺は境内の中が非常に穏やかで人の往来
の少なさにホッとした。





名称 金戒光明寺 (コンカイコウミョウジ)
   くろ谷さん (クロダニサン)
所在 京都府京都市左京区黒谷町121
山号 紫雲山
宗派 浄土宗
寺格 大本山
本尊 阿弥陀如来
創建 承安5年 (1175年)
開山 法然
札所 洛陽三十三所観音霊場第6番
   法然上人二十五霊場第24番
文財 三重塔「文殊塔」(重要文化財)
   木造千手観音立像「吉備観音」(重文)
   絹本著色山越阿弥陀図(重要文化財)
   絹本著色地獄極楽図(重要文化財)
   阿弥陀堂(府指定有形文化財)
   山門(府指定有形文化財)
   絹本著色法然上人像(府指定有形文化財)
備考 □ 浄土宗の大本山の寺院
   □ 知恩院に並ぶ浄土宗七大本山のひとつ
   □ 京都四箇本山のひとつ
    (知恩院、百万遍知恩寺、清浄華院)
   □ 初めは念仏道場として利用されていた
   □ 境内に皇族・公家の茶湯に使用の名水有
    黒谷明星水
   □ 洛陽三十三所観音霊場第6番札所本尊
    千手観音(吉備観音)が本堂に祀られる

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