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烏野豌豆


烏野豌豆 (カラスノエンドウ)


カラスの文字が使われるのはこの豆が熟す
とその鞘が真っ黒になるからの名称となる。
豌豆(エンドウ)の名だがエンドウマメ科
ではなく、ソラマメ科の植物。


この植物には、知られざる秘密があって
特徴的なその葉の付け根の部分には蜜腺が
ある。ここから甘い蜜を滲ませる。これは
蟻(アリ)にとっては、ご馳走なのである。


ありがたや、ありがたや、蟻は自分達へと
恩恵をもたらしてくれるものに対して忠義
を尽くして、それを大切にして護るという
与えられた恩に対して、ちゃんとそれを恩
で返す性質をもった昆虫である。社会性を
もった組織的な昆虫は、別の側面をもつ。


蟻はこの烏野豌豆(カラスノエンドウ)に
にやってきては蜜を提供してくれるお礼に
葉を食い荒らす害虫を片っ端から追い払い
この植物を守るのである。人間ですらも
それが出来ない者が増えてるご時世の中、
アリの方が偉いのかも知れない。


この事例はカラスノエンドウだけではなくて
植物の茎に取り憑き汁を吸い尻から甘い露を
分泌するアブラムシ(アリマキ)、キノコを
食べながら甘露を出すシジミチョウの幼虫も
アリはこの幼虫を巣の中へとお連れし、その
餌となるキノコ栽培をしその幼虫を育てる。
大切に丁重に育てあげる。勤勉さと義理堅さ
の両方を兼ね持つアリの素晴らしい生態から
我々は学ばなければならない。


さてさて、ではでは、このカラスノエンドウ
にアブラムシがその茎にとりついて汁を吸い
始めた場合はアリはどうするのであろうか?


アリはカラスノエンドウを守ってやりながら
アブラムシをも護ってやり、その両方が提供
してくれる蜜、どっちも頂くのである。


どちらも、アリにとっては「ありがたや〜」
なのであるのだ。両得でめでたしめでたし。





和名 烏野豌豆 (カラスノエンドウ)
   矢筈豌豆 (ヤハズエンドウ)
洋名 ナロウ リーブド ベッチ
   (NARROW LEAVED VETCH)
学名 ヴィシア サティヴァ
   (VICIA SATIVA)
分類 マメ目、マメ科、ソラマメ属
種類 一年生植物
草丈 30〜90cm
開花 春〜夏
花色 桃
花寸 2cm
原産 地中海沿岸部
言葉 小さな恋人たち
撮影 大阪、神崎川周辺

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