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根無蔓


根無蔓 (ネナシカズラ)


学名は、カスクータ (CUSCUTA)。


ナス目、ネナシカズラ科、ネナシカズラ属の
完全寄生型の植物。


黄色い蔓性植物で、過去の種が発芽し、根が
先ずは生えるのだが、蔓で寄生する植物へと
巻き付くと、最初の根は枯れてしまう。
葉も基本的にはないに等しいものであって
根も葉もない恐るべきパラサイトプラントと
言えるシロモノである。


寄生した植物の茎の中に複数ものアンカーを
打ち込むとそこから、寄生した植物の養分を
その植物が枯れるまで吸い上げてしまう。
花言葉に下賎(ゲセン)と付くのは寄生して
生き、寄生したものを殺す植物だからである。


そして、寄生後には花が咲き、種をばら撒く。
この種は何年も生き、再び植物を襲うという
悪しきプログラムを繰り返す性質を持つもの。


その蔓は黄色い色であり、葉緑体は含まれず
光合成は一切しない。あくまでもパラサイト
を前提とした生き方がこの植物のスタイルで
あり、前述の様に葉をもたないのも寄生先の
植物の光合成したものをそのまま頂くのだ。


淀川河川敷の一部のエリアでこれが発生した
途端にそのエリアだけ植物が陥没して黄色い
地獄の様な光景となる。野菜、果物、などの
畑などにこれが発生すると植物は全滅する。
豆倒(マメダオシ)などが発生するとその種
を完全に根絶やしにする必要が出てくる厄介
な植物となる。ネナシカズラがターゲットに
する作物はこんなにも範囲が広いのである。


野菜(タマネギ、ジャガイモ、ナス、トマト)
豆類全般
ハーブ植物全般
シダ類全般
果物類の樹木全般
観賞用の樹木全般


基本、私はありとあらゆる植物のスタイルは
その植物の個性だと思っているが、この植物
だけは生理的にも生き様も、大嫌いである。


さて、この植物がもしも発生したならどんな
対策をするのか?であるが…


土壌を完全に焼き尽くす必要がある。除草剤
レベルでの対策では不可、何年もこの種子は
生き延びるからである。そしてその汚染された
土壌はどこかに持っていって廃棄はいけない。
その廃棄した場でネナシカズラが発生する為
新たなエリア拡大を招くからである。


淀川のこの河川敷も、昔の自衛隊出動した時
に火炎放射器で土壌を焼き尽くす位の措置は
した方が良いのではないかと思うのである。

百害あって一利なし。この植物だけには私は
この言葉が当てはまると思っている。






和名 根無蔓 (ネナシカズラ)
洋名 フィールド ドッダー
   (FIELD DODDER)
学名 カスクータ (CUSCUTA)
分類 ナス目、ヒルガオ科、
   ネナシカズラ属
種類 一年生植物
   完全寄生植物
草丈 1m
開花 8〜10月
花色 赤
原産 地球の熱帯地方
言葉 下賤(ゲセン)
撮影 淀川河川敷


不愉快な写真を沢山載せたのは、コイツらだけは
国を挙げてでも何とか根絶に持っていかないと
いけないと思うからである。



世界の事例画像を下に載せる。



この様に樹木にすらも取り憑いて殺してしまう
パラサイト植物なのである。



私は色んな植物の葉や、種などをコレクションに
しているが、この植物のパーツだけはひとつとして
持ち帰りたくない植物である。

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