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胡麻斑髪切


和名 胡麻斑髪切 (ゴマダラカミキリ)
洋名 ホワイトスポッテッド ロングホーン
   ビートル
   (WHITE SPOTTED LONGHORN
    BEETLE)
学名 アノプロフォラ マラリアカ)
   (ANOPLOPHORA MALARIACA)
分類 コウチュウ目、カミキリムシ科、
   ゴマダラカミキリ属
種類 カミキリムシ
全長 20〜35mm
出現 5〜9月(成虫)
食性 ミカン、イチジク、クリ、ヤナギ、
   シラカバ、クワ、プラタナス(幼虫)
分布 日本全域(北海道〜九州)
撮影 兵庫県、御影





都市部でも比較的、目にすることが出来る
カミキリムシが、このゴマダラカミキリ。


ツヤツヤの光沢のある羽に白い斑が胡麻の
様に入ってて美しいカミキリムシである。
身体を裏返して見ると、腹部や脚は灰青色
をしていて、この色も美しい。


手で捕まえてやるとギーコギーコと頭部と
胸部の付け根を摩擦させてヘンテコリンな
音を立て逃げようとする。


二枚目の写真の様にコンニチハ状態でいる
のを見つけて写真を撮り、それを捕獲した
後にしばし眺めた後、木の幹にとめてあげ
撮影をして逃してあげた。


私は虫好きではあり、捕獲するのは好きだが
標本とか、虫を死なせる行為が嫌いだった為
基本はキャッチアンドリリースである。


私にとって虫は昔からの友達みたいな存在で
あり、久々に姿を見せてくれたゴマダラくん
との再会に嬉しく思う。長い触覚も大きな黒
い複眼も、鋭い牙もその全てが素敵である。


元の自然にそっと戻してやる。そして長生き
して頑張れと心の中からエールを贈るのだ。


カナブン、コガネムシ、ハナムグリ等の虫が
道端でひっくり返っていたら私は基本的には
生きているのを確認するとそれを捕まえ木に
とめてやる。セミも生きていたら木にとめる。
彼等はひっくり返った状態でもがいていると
体力をどんどん奪われてしまって、容易には
起き上がれない。灼熱の太陽の陽光に晒され
更に体力と水分を奪われてしまう。せっかく
授かった命、助けられるものなら助けたいと
私は思ってしまうのだ。


ただカミキリムシだけはその必要はなくて、
ひっくり返っても長い触覚で器用にパタン
と元に戻る。カミキリムシのもつ触覚はその
身体より長く頑丈に出来ているのである。



このゴマダラカミキリが、スタンダードな
カミキリムシであるのには理由がある。
この虫が育つ為に必要な樹種が多岐に渡る
からである。


ミカン、イチジク、クリ、ヤナギ、クワ、
シラカバ、プラタナス、など必要な樹種が
広範囲である事がその理由である。交尾を
終えたゴマダラカミキリのメスはこれらの
樹種の根本から1mの範囲に卵を産みつけ
その幼虫はその樹木の生木を食いながら
成長していく。大きく育つとその食べる穴
は直径で1cmにまでなる。成虫になると
葉っぱや樹皮の柔らかな部分を齧る。


幼虫の被害によりその木は弱体化したり、
収穫に打撃を与えてしまうので、ミカンの
農家からは駆除対象の害虫となっている。
このゴマダラカミキリの親子の所業により
樹木はその箇所から樹液を出す様になる。
これらは他の甲虫や蜂や蝶の貴重な餌場と
なる。この様に自然界ではお互いの役割が
あり、それが知らぬ間に助けにもなって
いるのだ。


ゴマダラカミキリは御影の六甲山へと登る
道の木にとまっていたものを撮影。

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