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合歓ノ木


合歓ノ木 (ネムノキ)


マメ目、マメ科、ネムノキ属の樹木である。

夏に咲くこのオシベが束となり形成されてる
この花は夕方になり、日没前の夕陽に晒され
燃える様なその赤は趣きがあるものである。




この花は万葉集にも詠まれており、オシベは
まるで扇の様に大きく広がるのだが、その葉
は夕方を過ぎると閉じ眠りにつく。マメ科に
特有のこの現象は「就眠運動」と呼ばれてて
マメ科の植物にはこの葉を専門に食べる虫が
いる為、この防衛策とも言われている。自然
の中の営みは色々と理由があるということ。


さて、合歓ノ木、この合歓とはなんだろう。

古代中国において、ある皇帝が南方遠征の場
で消息を断ち、それを地を渡りその姿を探し
続けた女王はいつまでも見つからぬその絶望
の中、血と涙を流し最後には死んでしまう。
想い人に一目でもいいから会いたい、そんな
情熱に対する天の憐れみからか、彼女は神に
なったという。その時に彼女は皇帝と結ばれ
それがこの合歓ノ木となったと伝説の中には
残されている。


この合歓の言葉は、男女が床を共にする事や
ひとつに繋がる時の悦びや歓喜を指す言葉。
伝説の中では離れ離れになった男女がやっと
再会を果たして、ひとつへと合わさった姿の
まま化身になった樹木こそがこの合歓ノ木で
それを表すのには相応しい名称となる。


合歓ノ木の花言葉は伝説のままに男女の性の
繋がりを尊いものとした和合を表す言葉となる。
『歓喜』『胸のときめき』


『象潟の 雨や西施が ねむの花』
松尾芭蕉も「おくの細道」の中で合歓ノ木を
詠んでいる。この歌の内容を解説する。


秋田県 象潟(きさかた)



象潟(きさかた)とは、秋田県の地名であり
松尾芭蕉が「おくの細道」最北の地に選んだ
場所のことである。西施(せいし)とは中国
古代四大美女に名を連ねる内の一人の事で、
絶世の美女として松尾芭蕉の耳にもその名が
海を渡って詠まれたのである。


中国古代四大美女 西施(せいし)




象潟のこの地で雨に濡れた合歓の花の姿には
まるで遠い地の美女、西施が憂に眠り沈んで
いる様である。


と詠んだのである。合歓ノ木の花にとっては
これ以上ない程の賞賛の言葉だった言える。





和名 合歓ノ木 (ネムノキ)
洋名 シルク ツリー (SILK TREE)
学名 アルビジア ジュリブリッシン
   (ALBIZIA JULIBRISSIN)
分類 マメ目、マメ科、ネムノキ属
種類 多年生
草丈 3〜15m
開花 春〜夏
花色 桃
花径 25〜50mm
原産 日本、朝鮮、中国
言葉 歓喜、胸のときめき
撮影 京都嵐山
   大阪市淀川区区民センター

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