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GLORIOSA SUPERBA


グロリオサ スペルバ
(GLORIOSA SUPERBA)


ユリ目、イヌサフラン科、ユリグルマ属


和名では、百合車 (ユリグルマ)の名だが
あまりこちらの名では店頭に並ばない


その華やかな曲線を描いた花弁と雄蕊が織り
なす花姿の美しさ、そして熱帯地方原産の花
ならではの彩りが、この植物の魅力である。


生花や花瓶挿しにしても美しい植物となる。
日本へは明治時代の末期に渡来するも、当時
の人達からは、その奇抜な姿が受け入れらぬ
ものだったという。感受性の乏しさや過去の
ものを踏襲せず、伝統的でないものに対して
それを受け入れる許容範囲の狭い感覚からは
新たな道は開けない事をこの植物が証明した
良い事例であろう。


この植物には、薬効成分が含まれており
(毒でもあるが)、痛風、不妊症、蛇咬傷、
関節炎、寄生虫対策、多くの治療用の薬効の
成分を持つ、薬用植物の面を持っている。


薬となるものは、毒にもなり得るものなのは
誰もが知る通りであり、この植物をそのまま
食する事はあってはならない程の毒性植物と
なる。植物全体にアルカロイド系の毒性物質
であるゴロリオシン、コルヒチンを含んでて
これらは摂取してはならぬ猛毒である。


花の姿の面白さとその色の美しさから、子供
が触りたくもなり、その延長で口にして死亡
した例が何件もある。原因不明の子供の突然
に訪れる死亡事故に親はパニック状態になり
解剖検視の結果、植物によるものと発覚する
のである。


私は子供はいないのだが、幼い子はほっとく
と何でも口に入れる習性で危険極まりない。
他の生き物でこんなに無防備な生き物は多分
自然界では生きていけない。それだけに母親
の気苦労は絶えない。四六時中、その行動を
監視していなければならず、何か問題あると
何をやってたんだ、となる。母親とは本当に
大変なものだと思う。


生花や花瓶の植物は、小さなお子さんがいる
家庭は気をつけて、セレクトの必要があって
それらを身の回りに置かないだけでもリスク
が下がる。これは仔犬、仔猫も同様に空間に
有毒なものを外しておくと安心である。


このサバンナを生息地とする多年生植物の
花言葉は『栄光』 『勇敢』 である。確かに
この植物の花はそんな要素を感じさせられる。



和名 百合車 (ユリグルマ)
   狐百合 (キツネユリ)
洋名 グロリオサ (GLORIOSA)
   フレーム リリィ (FLAME LILY)
   グローリー リリィ (GLORY LILY)
学名 グロリオサ スペルバ
   (GLORIOSA SUPERBA)
分類 ユリ目、イヌサフラン科、グロリオサ属
種類 多年生草本
草丈 1〜2m
開花 春〜秋
原産 熱帯アジア、アフリカ
有毒 アルカロイド系毒物質
   グロリオシン、コルヒチンを含有
   全草が有毒である
症状 吐気、嘔吐、麻痺、腹痛、下痢、
   腸閉塞、横紋筋融解症、呼吸抑制、
   低血圧、凝固障害、血尿、精神障害、
   癲癇、昏睡、致死
言葉 栄光
   勇敢
撮影 大阪市、丹波市

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