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70人裏垢不倫夫と離婚バトルに突入する話 ④ ~精神科に行く~

(1番最初の話:発覚の経緯から読まれる方はこちらからどうぞ!)

精神科を受診した話

地獄の探偵活動や弁護士探しの旅と並行して、体調を少しでも立て直すべくメンタルクリニックに通ったのでその話をしたいと思う。
ちょっと暗い話なんですけど、大事なことなので・・・

まず声を大にして言いたいけどメンタルを病むと心の問題を越えて身体にも影響が出る。たまに「甘えてるよね」とか「気持ちの問題だ」などと平気で言う人がいるけれど無視してOK。後で別班に引渡しておきます。
メンタルはダイレクトに体調に来る。やばいと思ったらすぐに精神科に行って欲しい。不倫発覚から数日後、私も体調に影響が出始めていた。


サレ妻メンタル

発覚当初はこんな感じである。
まず、夜全然眠れない。消灯して横になっても頭がもうずっとフル回転で「人生終わったわ…」みたいなネガティブなことを考えている。
スマホを見て「まだ1時だ…」と思い、1時間くらいはうとうとできたかと思ってスマホを見て「まだ1時20分だ…」という感じ。分かるだろうかこの絶望感。明けない夜はないよ~ って分かっているけど、本当に全然夜が明けない。
寝れない寝れないと悩むのも良くないと思っていたので、2日ほどでもう寝るのは諦めた。気分が落ち込みすぎなければ、寝るのではなく「背骨を休める」を目的に寝転んでスマホを見て、それができなければ起き上がって探偵活動をする生活になっていた。

全然時間が過ぎて行かないのは日中も同じだった。仕事に行っている間は気がまぎれるが、特にしんどかったのは休日に家で1人でいる時間である。
そもそも当時私が住んでいた家は、ほんの数日前まで夫と住んでいた場所である。夫の荷物は初日に持たせたもの以外全部残っているし、家具も家電も二人で選んだ(説得した)ものである。ここでスマホをいじってたのは動画編集だったのか…とか、このコート誕生日にあげたのに着てホテル行きやがったな…とか、変態の亡霊が部屋中をうろついている心霊スポットで、部屋の中にいるだけでなんか生気が吸い取られていく。

しかし出かけるような元気もなかなかないし、外で普通に過ごしている人々を見ると「どうして自分だけこうなってしまったのか」とやりきれない気持ちになる。だから一日中ずっと閉じこもって心霊スポットで過ごしていることが多かったのだが、日曜日なんか全然時間が過ぎていかず、15時くらいからずっと死んだ目で体操座りをして鉄腕DASHが始まるのを待っていた。(当時気になり出した新しい推しが米作りをしていてよかった・・・)

気力で何とか持っているが、寝ていないからフラフラで頭痛がすごいし、食欲もなく胃腸も荒れていた。それでいて殺すか殺されるかみたいな謎の気迫を放っていたので、当時の私は周りから見てめちゃめちゃ怖かったのではないかと思う。

とりあえず眠れるようにならないとやばい、と病院を探しはじめた。実はこれまでにも仕事で悩んだときに精神科にかかったことがあったので、病院に行くことには抵抗がなかった。
もし「薬で良くなるとは思わないし…」とか「根本的な問題が解決するわけじゃないし…」とか色々考えて病院に行っていなかったら、今こんなに元気じゃないかもしれないので不幸中の幸いだったのかもしれない。

(同じ境遇の人で迷っている人は背中を今押させていただきますのでとりあえず病院に行ってください。根本的な問題は解決しないかもしれませんが、体調が良くなれば視野が広がるはずなので、、、)


病院にて

病院に行ったのは発覚から約半月後だった。

地域性にもよるかもしれないが、精神科の先生は2パターンに分けられると個人的には思っている。カウンセリング並みにしっかり寄り添って話を聞いてくれる先生と、診察は医師・カウンセリングはカウンセラーと役割を分けて診察をされる先生(※超個人の見解です)
寄り添いタイプの先生は丁寧に話を聞いてくれるがその分混んでいて、1カ月先まで予約がとれなかったりする。診察タイプの先生はさらっとしているが比較的早く予約が取れる。
なお、診察タイプの病院に「心の癒し」を求めていくと、先生が冷たいと感じて悲しくなるかもしれない。あくまで診察、薬をもらえればよいと思っていくくらいが最初は良いかもと個人的には思っています。(※めちゃめちゃ個人の見解です)

今回はとりあえず早く睡眠薬などの薬をもらいたいと思っていたので、予約の取りやすさを優先に行った事のない病院に問い合わせてみた。連絡するとすぐに見てもらえることになったので、平日に有給をとって向かう。
大きな駅の近くにある病院だったので、久々に街をぶらぶらしたのだが、全然心が躍らないのが悲しかった。道中にマックで朝ごはんを食べたり、資料をまとめるバインダーを買いにロフトに寄ったりするけれど、やっぱりなんとなくどんよりした気持ちである。散歩も好きだし、街を歩きながら目的なくウィンドショッピングをするのも好きだった自分はもう戻ってこないのだろうか。

病院は駅ビルの一室にあった。クラシックのかかる待合室には、平日でも意外と患者がいる。普通に見える人も、ものすごく暗い顔の人もいる。受付では耳にピアスがたくさん刺さったお姉さんがサクサクと対応してくれ、「まずこれやってください」と小さな冊子を渡された。「自己評価式抑うつ尺度(SDS)」という簡易テストである。内容は職場で受けるストレスチェックのようなもので、今の自分の気持ちを聞かれる形。気持ちが落ちている時に受けるので、質問の内容がもう当てはまる当てはまる。
気が沈んでゆううつだ、泣いたり泣きたくなったりする、将来に希望がない、全部塗りつぶさざるを得ない。今塗りつぶすタイプの宝くじ買ったら逆に当たるのでは?と思えてきた。

回答を受付に提出するとしばらくして診察室に呼ばれた。診察室の椅子は花柄のソファで、先生と向かい合う形だった。先生は細身で穏やかな眼鏡のおじさんだった。

先生「はじめまして。今日はどうされましたか?」
私「私生活でトラブルがあって、眠れない状態が続いていて来ました。あの、夫の不倫なんですけど」
先生「それは、大変でしたねえ」

聞かれてもいないのに過激な理由を話し出した私に対しても、先生は特に驚いておらず、戦場カメラマンのようにゆったりと相槌をうってくれる。
多分こういうケースはたくさんあるのだろう。どうしてここに来ることになったか、自分の巻き込まれた事態の異常性を伝えた方がいいかなと思い、そのまま話し続けた。

私「内容がほぼ犯罪みたいなもので、相手に高校生がいたり、動画をインターネットに公開していたり」

さすがに先生のタイピングの音が止まった。

先生「それは、本当に、大変でしたね」
私「事件のあと、義理の父からお前が悪いというような暴言があって、そこから更に眠れなくなりました」
先生「ああ……それは……」

時系列や、現在の眠れていない状況など、つらつら話をした。先生はカタカタとメモを取りながら、はあそれは大変でしたねえ、と相槌を打って聞いてくれていた。話が終わると、診察前に取り組んだペーパーテストが出てきた。

先生「さっき取り組んでもらった心理検査なんですけど、この結果だとegoさんは『抑うつ状態』と言えると思います
私「それはうつ病とは違うんですよね」
先生「抑うつ状態が長く続いて、生活に支障が出てくるようになると『うつ病』になってしまいます。だから、早く来てくれてよかったですよ」

私「先生、この気持ちの状態が落ち着くときは来るんでしょうか」
先生「心が交通事故にあったようなものなので、すぐには終わらないと思います。あとは大元の事件が片付いたらいいんですけど、egoさんの場合はすぐに片付くものじゃないだろうし…」
私「そうですか…長引くとキツイなあ…」
先生「仕事に行くのが難しそうであれば、診断書を出しましょうか」

診断書!!!!!

診断書があれば、私が今回受けたダメージを客観的に証明することができる。パワハラ裁判と同じ要領で、今後争う上で必要な証拠となるのではないか。

私「診断書はどんな内容になりますか?」
先生「診断名としては抑うつ状態で、まず1カ月ですかね、休養が必要という内容を記載します。次に来てもらった際に延長が必要であれば、もう一度診断書をお渡しするような形です」
私「これって、○○が原因で、みたいなことは書いてもらうことはできるんでしょうか」
先生「ああ、事件が原因でということですよね。それはねえ、実は難しくって。今回のegoさんみたいに、明らかに原因はそれだと分かるような場合でも、原因を断定して書くことができないんです
私「そうか…確かに、複合的要因の人もいらっしゃいますもんね」

どう考えても事件なんだけどな~とちょっと思ったが、後から考えてみると先生が言っていることは正しい。そもそも先生は現場を見たわけではないし判断のしようがない。調べてみたところ、一般的に診断書に原因を書いていただくのは難しいようだった。例えば職場でパワハラを受けてうつになったとしても、原因のパワハラの有無を判断するのは病院ではなく労基や裁判所なのだ。
診断書は一応もらうことにした。なおこの判断は正解だった。裁判では認められないかもしれないが、交渉や調停の場で自分が凄惨な状態におかれていることは主張できる。証拠になりそうなものは何でも取っておきたい。


かさむ医療費と忘れていた貯蓄

さて、この日の医療費等がこんな感じ。

メンタルクリニック 8,940円(診断書含む)
調剤薬局 2,660円
交通費 720円
合計 12,320円

社食で1カ月分のランチが食べられる金額なんだが???

不倫の余波がメンタルと将来に続き財布にも来ている。いやこれまでの蓄えがあるから大丈夫、大丈夫だけどなんか嫌だな~、そんなことを考えながら病院の帰り道に銀行口座の残高をアプリで見ていたら、ハッと大事なことを思い出した。

夫婦共同で貯めていた貯金が夫の会社の社内貯蓄にある!!

夫の給与から2人の合計額額が天引きで貯金されていて、私の分を夫に現金で渡していた。ざっと計算して、これまでに渡した金額は約300万円。

うわあしまった、これ初日の敵が死んでいる内に取り戻したかった、、、
この300万円は初日に動かされていなければ財産分与で取り返せるはずだ。でも、ドケチで運用大好きな夫のことだからこれを財産分与されるまで普通預金に置いておくとは思えない。300万円あれば、年5%で運用したとしても3年で70万円の利益、、、

もう社食のランチ一生無料じゃん。

自分が辛い目に合っている間、やらかした本人は私の預けた金でさらに潤っていくのだと考えると、本当に初日に実家ごと燃やせばよかったなと思ったのだった。

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