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70人裏垢不倫夫と離婚バトルに突入する話 ③ ~まさかの謝罪プラン~

前回までのめちゃめちゃ真面目に弁護士さんと話し合っていたのと同時期の話なのですが、今回は何の役にも立たない小ネタです。ご了承ください。
(1番最初の話:発覚の経緯から読まれる方はこちらからどうぞ!)



夫が謝罪したいらしい

発覚から約半月後、裏垢夫より「一度改めて対面でお会いし、謝罪させていただきたいと考えています」とLINEで連絡があった。
当時すでに私は代理人弁護士もほぼほぼ決まっていて、かなり離婚について勉強していたので「謝罪…?意味ある…?」と思いつつ、良く情報収集に使っていたHPを慌てて見返した。分かったのが主に以下2点だ。

・一般的に加害者側が謝罪するメリットは反省していることが認められる可能性があること。デメリットは非を認めることになること。
・離婚事件においては、協議で第三者が反省の有無を認めるような判断をする局面はない。ただ謝罪によって被害者側の気持ちが落ち着けば、スムーズに合意できるメリットはある。

なるほど、もし謝罪が成功すれば協議上でも確かに意味があるっぽい。
ただし今回のような犯行内容において謝罪で相手(私)の気持ちを鎮めるのは大変困難だと思う。「悪気はなかったんです…」なんて通用しない状況である。さだまさし「償い」のテンションで来られたらさすがに蹴るぞ私は。
さらに前回義父が実際にやらかしたように、態度によっては相手(私)の怒りにハイオクを注入する可能性も高い。

つまり、義実家においてはどちらかというと謝罪は悪手だ。
もし弁護士に相談していたら、おそらく「これ以上はもう連絡しないでください(やらかすので)」という指示が出るはずだ。

ということは、義実家はまだ弁護士に相談していない可能性が高い
もしこれが当たれば、先制して代理人が決まったのは良かったと言える。
そして謝罪そのものは「私が謝罪で折れると考えている人物」、つまり義父の案である可能性が高い
そんなことを名探偵コナンのように考えた結果、面倒になってきたので一旦既読スルーすることにした。


義父は着いて来たいらしい

スルーしていたら翌日追撃が来た。

夫「昨日の謝罪の件ですがいかがでしょうか。一応ホテルのラウンジか公園でと考えています。親父の都合の良い日程は以下です」

まさかの義父スケジュールが送られてきた。

義父案かと思ったら案の定である。そしてスケジュールが全然空いてないのがすごい腹立つ、こういうのは先方が指定した日程に無理でも来るだろ謝罪側は。お前なんなん?と返そうと思ったらきたのがこれ。

夫「第三者の立ち合いですが、親族のみにしたいと思います。」

したいと思いますじゃないんだよお伺いを立てろ。ハワイの結婚式みたいな条件本当に何なんだ、こっちは貴様のせいで結婚生活そのものがクライマックスを迎えてるんだが?

私「条件が色々意味不明なんですが?義父のスケジュールとか意味不明なんですけど」
(※腹が立ちすぎて「意味不明」を2回言ってる)
夫「性依存症の病院に先日行った際に、謝罪をどのようにしたらいいか聞いてみたら条件がいろいろあって、まず1対1で会うのは絶対に避けないといけなくて、第三者が立ち会うというのがマスト。だとしたら親父かなあと…

第三者の誰を呼ぶかで普通に考えたら親父の選択肢は一番に消える。頭大丈夫か?
ただ病院に行ったのはちょっと意外であった。プライドが高い夫、自分が性依存症ですという体で病院に行くことはきっとないだろうと思っていた。

私「普通に考えたらどう考えても親父だけはあり得ないと思うけど、一応プランだけ聞こうか」
夫「まず場所としては、仮に殺傷事件が起きたとしても周囲が気づいて命だけは救える場所として例えばホテルのラウンジや公園で話し合いをするようにという指示があったので、どちらかというと公園を想定しています。」

どうもこの夫「私が夫を殺そうとするかもしれない」設定で話を進めてる。
えっめっちゃ失礼じゃない????お前病院でどう報告してるの????
私なりに一応理性的にここまで進めてきている。本気で殺っていいなら初日の段階で別班してるんですけど。

私「殺傷事件って、私があなたを殺す体で話してるよね?それが怖いからガードマンとして父親連れてきたいということでよい?」
夫「いや親父は俺を実家から公園に送って、遠くから見守って、終わったら俺を公園から実家に送るつもりみたい。あなたにはタクシーを使ってほしいって言ってる」

もはや夫はあまり関係ない完全な義父プランである。そして義父自信はがっつり参戦するつもりっぽいのに、私には一人で来いという。私だって伝説のポケモンの1体や2体くらい引き連れて行きたいですけど。

私「ちょっとよくわからないんだけど、あなたの父親は何がしたいんでしょうか?」
夫「親父はみんなの命を守りたい思いが強くて、絶対に見守りたいと言ってる

みんなの命を守りたい、なぜならみんなの命を守りたいからです、みたいなのが来た。本格的に頭大丈夫か?

私「さっきから私のことを殺人者予備軍扱いしてるけどナチュラルに失礼じゃない?そこまで怖がってるなら会ってくれなくて大丈夫だけど」

私「そもそも世間的に見れば、あなたと父親にこそ「口封じ」という私を殺害する動機があるのでは?1人で来いって、私からすると1対2の圧倒的不利な状況、絶対行かないです

長文で物騒なLINEを続けて送ると慌てて返信が来た。

夫「そういうつもりではなかったです。気分を害したならすみません」
私「だとしたらどういうつもりの提案?あなたが私を殺してしまうかもしれないから、自分の暴走を止めてくれる父親を連れてきたいってこと?私が殺される可能性があるなら普通に会いたくないんですけど
夫「すみません医者に言われたことをそのまま言っただけで、深く考えられてなかったです。親にもう一度相談してみます」

深く考えてから連絡して来いよである。
そして逐一親に相談するのが本当にああもうこいつだめだな、という感じだった。見守る権利があると思っている義父もやばい。俺も登場人物の一人だ!と思っているなら、まず電話の件を謝罪して欲しいのだが、どうやらふざけたスタンプを一個送ってなかったことになっているようだった。

伝説のふざけたスタンプ



謝罪プラン改定案

さらに翌日、本当に改定案が送られてきた。

夫「親と話して送り迎えと見守りはナシにしました。完全に1対1にして、公園で話すのはどうだろう。もしそれが嫌なら後日あなたの実家に謝りに行く際に話すのでもいいです」

うーーん、目的がよく分からない、、、が第一印象だった。
どうしたら許してもらえるだろうかと深く考えている感じはない。ここで何が何でも事件を鎮火させるという意気込みも感じられない。実家に行っても良いと当たり前に思っているのも謎である。

圧倒的に勝率が低い手を使おうとしているのに、勝ち筋が見えている感じがしない。どうも代理人を立ててきちんとした協議をするのを見越して行動していない感じがしてきた。本当に当事者間で解決しようとしているのかもしれない。
その上で、あくまで謝罪をするというプロセスが必要だと考えているんだろうか。だとしたらこちらとしては受け入れませんの回答だ。
それともここまでの舐めた対応を見るに、前回は親父が強行突破に失敗したから、今回はふんわりした謝罪でゴールに持ち込みたいという北風と太陽作戦だろうか。公園でブランコに揺られつつ今まで楽しかったこといっぱいあったね、みたいな話して役所行く前に、最後に儀式として花壇に指輪でも埋めとく?どう考えても換金したいですけど。

どれくらい謝罪に重点を置いているのか探るべく、ちょっと斜めから質問を投げてみた。

私「謝罪の時って坊主にしてくる?
夫「えっ何で?」

令和なので別に坊主を強要したい訳ではなかったのだが、あまりにあっさり「何で?」と言われたので、それは逆になんでだよであった。

私「ここまでのやりとりで、ものすごい謝りたいという気持ちがあるのか正直分からなかったので、どれくらいの気合で来るのかなと思って聞いてみました。もし私が謝罪する立場だったら、申し訳なさを表すのに瀬戸内寂聴がわかりやすいなと…」
夫「俺を殺す気…?
私「えっごめん逆になんで?」

急に夫がおびえ出したので意味が分からなかった。
自分が同じ立場なら躊躇なくやるし、今この瞬間に毛髪と引き換えに結婚前に時間を戻せるなら全く惜しくないと思う。
ちょうどこの会話の数日前に親友に「もう出家しようかな」と相談したら「自由にオタ活できなくなるからやめた方がいい」と止められたところであった。

夫「俺からしたら坊主にするのはもう死ぬのと同じだから
私「えっ毛根が?生えるから大丈夫だよ?」
夫「俺は子供の頃から毛が細くて汗をかいたりすると頭皮が見えるのがずっと中学くらいからコンプレックスで、朝から長い時間をかけてワックスで髪を立たせて見えないようにして、ずっと昔から必死でやってきたんだよ」

夫が急に長文で薄毛の悲しみを吐露し始めた。

私「ええ…そうだったんだね。それは知らなかった。誰にも言っていないのでは?」
夫「誰にも言ってない。」

実は夫が自分のコンプレックスを吐き出すことはこれまで一度もなかった。多分、毛髪に関しては本当に友人や家族にも言ったことはないのではなかろうかと思う。夫はこれまでどの時代も割と二枚目のキャラクターで通っており、本人もそれを受け入れているような状態だった。「俺って猫っ毛なんだよね」とか「髪が細いんだよね」とは言っていたけど、あくまでスタイリングが好きという体を本人も保っていた。

髪が薄いとは結構みんな思っていたと思う。「あの人、イジっていいキャラじゃないから言えないけど、本当は気を付けやって言ってあげた方がいいんかな」みたいな話を友人からも聞いたことがある。
その時私は「いや別に気にしてないんじゃない?」と答えつつ、こういうキャラだと薄毛いじられないんだな~得してるな~と単純に思っていた。正直パートナーとしても、見た目で選んだわけではなく髪型はどうでもよかった。
まさかここまで本人が気にしているとは。

私「そんなのみんな思ってないし気にしてないと思うよ」
夫「誰も思ってなかったとしても自分が気になって仕方なくて、だから髪を傷めないために一度も染めたりもしなかったし」
私「そうなんだね」
夫「だから俺にとっては、坊主は死ぬも同然なんだ
私「そうかコンプレックスを刺すようなことは言うべきではないな、それはごめん」

素直に一旦謝ったけどこの時間何?

私「ただ私は今回あなたに人生をぶち壊しにされて死ぬほど苦しい思いをさせられてるんだよ。多分両親もそれを知って死ぬほど悲しい思いをすると思うんだよね。あなたにとって坊主が死ぬほど辛いのであれば、反省を示すのにちょうど良いかもね!
もし両親があなたが来ることを許可したらその重みは伝えとくね。そもそも許可しないかもしれないけど」

我ながらサイコパスな返信をしてしまった。
夫は実家に行くのが当たり前の体でいて、その時の最悪の場合のイメージ(玄関で水ぶちまけられて帰される/警察に通報される etc.)が全然できていなさそうであった。義父の様子からもこの父子、あまり深く考えないで本当に押し掛けてきそうなので、剃らずして来るなよ、つまり勝手に来るなよの牽制をしたいのが狙いであった。

坊主を恐れたのかは不明だが、この後謝罪を夫から提案してくることはなかった。





夫の人物像を事件以降度々分析するのですが「自分の弱みを一切他人に見せないようにしていた」というのは特徴的だなと思ったりしています。なにかやらかしても絶対に明石家サンタに応募しなさそう。(普通はそう)

あまりためにならない話で恐縮ですが、今回は以上です。今後もお読みいただけたら嬉しいです。


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