こんにちは、Egoistic Islandです。今回はいつもと違いAEWのプロモを翻訳しました。WWEで驚異的な人気を持ったまま退団し、7年越しにプロレスに復帰したパンクと、AEW期待の星であるMJFの抗争を翻訳しました。下に英語の動画を載せていますので、ぜひ観ながら、聞きながらお楽しみください。本文の後に解説を載せていますので、このプロモの背景、登場人物を知りたい方はそちらも合わせてご覧ください。

本文

MJF：邪魔されてあまりいい気分じゃないだろ、だよなパンク野郎。いいか、正直...うるさいな。正直、ホントに辛かったよ、先週俺が紳士的に握手を求めたのにな。アンタがワガママ野郎になって帰ってった時*1と同じ位ヒドかったよ。

でも良い時もあったよな？パイプボムだ、皆パイプボムが好きだろ、だよなシカゴの皆？あれはホントにスゴかった、伝説的だよ。ああいうのを良いプロモって言うんだ。そしてパイプボムが、アンタのキャリアの中で最高の瞬間だったって言っても間違いないだろ。ただこう言っちゃなんだが、俺の言動は全て、俺史上最高の瞬間になるんだ。アンタと違って、俺は一発屋じゃない。

おいおい勘違いするなよ、俺はアンタを尊敬してるし、アンタがやってきた事についても敬意を払ってる。アンタが禁欲主義だって事さえ尊敬してるんだぜ。確かに、どうして禁欲主義の奴がこんな薬物依存症みたいなツラしてるのかってのは理解できないが。まあ確かに俺がアンタみたいな顔してたら、鏡を直視するのにウイスキー8杯は引っ掛けなきゃ耐えられないから、禁欲主義ってのは相当キツイ事だと思うぞ。

ただ俺が尊敬できないところ、分かるかCM?俺たちの今の状況の原因、見て見ぬふりはできないぞ。アンタがやってた古風でチンケなインタビューで、「誰と対戦したいですか？」って聞かれて全レスラーの名前を挙げてたじゃないか。俺以外のな。俺に興味が無い風に装ってもいいぞ、ただ実際は、俺と戦いたくないんだろ？誰もアンタの事は責めないよパンキー、アンタは小さい池のデカい魚だと思い込んでるみたいだが、今対面してる俺から見たらただの小魚だ。

俺とは対戦したくなかったか？残念だな、今から俺はアンタの事完膚なきまでに言い負かしてやる、アンタのUFCでのキャリアよりも短くな。これがアンタとサシで話す最初の機会だ。いつもみたいに時計でも確認して言い返せよ。お仕置きの時間じゃなくて、時間切れだってよ。アンタの小さいパイプ爆弾はいくらでも落としていいぞ、俺はMJFだ。俺が落とすのは核爆弾だぞ。

パンク：本当にガッカリだよ。ただそれは一旦置いておこう。まずはこちらのゲストにシカゴから敬意を払おう。先週は自己紹介してくれてありがとう。若者が先輩に対して取るきちんとした行動だよな。君の下の名前がマクスウェルだなんて初めて知ったよ。てっきりMJFって俺に(My)嫉妬する(Jealous)ファン(Fan)の略かと思ってたからな。

いいか、俺には時間があった。今も少しならあるから、お前が自分の名前が出されなくてそんなにイライラしてるなら教えてやる。俺の記者会見、インタビューでお前の名前が出なかったのはわざとだ。俺は絶対にお前の腐ったエゴに餌を与えるような真似はしたくなかった。

俺を見ろよマクスウェル、俺はお前の頭の中にいるだろ、実際お前の部屋には俺のポスターが貼ってあったじゃないか。ただ俺がガッカリしたのには変わりない。俺はお前についての良い意見をたくさん聞いてきた。そして先週、この業界、AEWで誰もできなかったことを俺はやってやった。MJFを黙らせたんだ、一言も発さずにな。そしてお前には一週間、ちょうど7日間俺へのディスりを考える猶予があったはずだ。でもお前は考え得る最悪のセリフしか持ってこなかった。コイツは自分の事特別だと思ってる、自分のやってることはこの業界にとって革命的だと。現実では、お前ただの無名なミズじゃないか。

MJF：オーケー、落ち着け、落ち着けよ。パンキー今のは良かったぞ、しっかりして創造的だし、俺の望んでたのと殆ど同じレベルだった。殆ど同じ、殆ど完璧って事だが、それはこれまでのアンタのキャリアについても同じように言い表せるよな？

よく言ったものだよな、ノスタルジーってのは薬物だ、俺たちの思い出を曲解するしな。そしてアンタはノスタルジー以外の何者でもない。なあ、アンタの言うとおりだよ、俺はアンタのファンだった。俺は恥ずかしくないぞ、だってファンにならない訳がないだろ？リングでもマイクでも、誰も敵わない。アンタが一番だ。ずっとそう思ってきたんだ。ただアンタは復帰してからどんな試合にも苦戦してるし、ファンの興味を引くマイクも出来てない。

うわマジか、パンク、アンタの息はクソみたいな臭いだな、多分アンタが最近多くのケツにキスしてきたからだろ。要するに、アンタ行く先々で機械的にケツにキスしてきたんだ。今から俺がアンタの真似をしてやる、シカゴのお客さんもかまわないよな？「ワタシはこの街に戻ってこられて嬉しいです。ワタシはこの会社の一員で居られて良かったです。ワタシはこの対戦相手と戦うのが楽しみです。」なんて無感情なんだパンク、アンタはヤワになった、髪も白髪交じりだし、アンタの目を見る限り今すぐ眠りについた方がいいのは他ならぬアンタだ。

いいか皆、俺は気づいちまった。コイツはもうCMパンクじゃない。コイツはPGパンクだ。俺の子供の頃のアイドルがどうしちまったんだ？アンタは背教者、ワル、アウトサイダーだったのに今じゃ俺に努力、忠誠、尊敬*2を説いてる。一つ問題があるぞPG、俺はアンタが見える、それどころかアンタの内心まで見透かせる。アンタは若いヤツらのために復帰したと言ったが、同時に金のためだとも言ってる。シカゴのソファからじゃプロレスを良くできないと主張してるが、アンタそのソファでもう7年も過ごしてきたじゃないか。

復帰しない為の言い訳に次ぐ言い訳、哀れなパンクよ、何故だ？誰も読まないマンガ本や誰も見ない映画でも作ってたのか？それとも怖かった？もう通用しないと思ったのでは？もしかしたら一試合も出来ないんじゃないかと怖くなったんじゃないのかな。俺がマイクを持ってるんだよシカゴ、俺が直接言ってやる、アンタは怖れるべきだ。他の会社のファンはアンタの事カルトのリーダーみたいに見てただろ。会社によって、アンタが一番の男だと調整され、見せびらかされてたからな。そして今、アンタは自分の価値を証明できるチャンスを手にしてる、ただ出来るのか？皆はCMパンクが出来ると思う？

俺は皆がまだアンタを信頼してて嬉しいよ、でも一か月後、二か月後、一年後も同じように思うかな、嫉妬じゃないぞ。でも分かる、アンタが俺に嫉妬してるんだ。アンタが俺を嫌いな理由も分かるぞPGパンク、俺はアンタが嫌いなこの業界の部分の代表格だ。俺はプロレスのために生まれ、汚れ一つ無いプロだ。評論家とプロモーターが夢にまで見る存在だよ。それに対してアンタは痩せこけてタトゥーだらけの不適格者だ、クソみたいな中西部のシカゴ出身のな。

アンタは身を粉にして働いてきて今の立場がある、それは凄いと思うよ、ただ俺はアンタがずっと抱えている葛藤、巣食っている悩みを知ってるぞ。アンタの頑張り、アンタがこのスポーツに捧げてきた血と汗と犠牲にも関わらず、アンタもファンももう知ってるはずだが、アンタはキャリア通してずっと、二番手にしかなれてないんだよ。それが「見えっこねえ」の男*2でも、王の中の王*3でもだ。アンタはまだ嗅ぎ分けられてないようだから忠告してやる。アンタは今俺のリング、俺の会社にいるが、事実は変わらない。世界最高の男と謳うのも勝手だが、俺はアンタより上だ、アンタも分かってるだろ

パンク：お前の言ったことには多少の真実があるよ、少しだけな。怖いかって？7年も経てばちょっとはな。俺は嘘はつかないぞ、お前相手でもだし、もちろんファンの皆にもだ。俺は皆がこんなに俺の事を覚えててくれるとは思わなかった、俺の事を気に掛けてくれてたとも。俺にまだそんな信頼があったとは、だがな、もう怖くは無いぞ。当然お前の事もだ。

時代のおかげかもしれないが、俺はマディソンスクエアガーデンを満員にした、お前がコメディアンと遊んでる時にな。最後にそのショーに出た時、お前は歌を歌ってダンスもして、ニューヨークタイムズにも載ったな。凄いじゃないか！今ここで歌ってくれないかマクスウェル？心配するな、お前は今プロとリングにいるんだ、ニューヨークタイムズにもまた載せてやるよ、今回はお悔やみ欄だがな。お前は親が学費を払えないような大学に入ったんだ。

お前は喋りすぎだ、昔の俺みたいだが、俺には支えてくれるファンがいたが、お前には何も支えがない。FTR、ショーン・スピアーズ、ウォードロウ、彼らみたいなのが正しいやり方だ。俺がインタビューでお前の名前を出さないのは、出す必要が無かったからだ。俺がAEWを見たときに、こここそ俺が参加したい、俺の実力を試したいと思ったんだ。だから俺はAEWの精神の象徴、ダービー・アリンと戦った。ああそうだ、お前には辛いだろうがな。そして俺はダービー・アリンを倒した。リングだって必要なかったぞ。お前は自分の力強さを証明したくて喋りすぎてる。お前の代わりはブリット・ベイカーでも出来るぞ。お前は自分でよくやったと思ってるかもしれないが、俺は喋りすぎだと思うしファンの時間を無駄にしたと感じてる。

皆がシカゴを二番目の都市と呼ぶのは、ここよりいい都市があるからでも、ここより歴史が長い都市があるからでもない。お前が俺を二番目の男と呼ぶなら、受け入れようじゃないか。シカゴのように、一度全て燃やされても、くすぶった残り火からすぐ元通り立て直すからな。で、ここで一番の男は誰なんだ？お前か？いや、そうは思わないな、お前が一番になるには、トニーに娘が出来てからお前と結婚するまで待たなきゃならない*3。最後にここに来てから、また戻ってこられて嬉しいよ。今日来てくれた皆には俺からアイスクリームの奢りだ。これより良い復帰祝いだと、今ここでお前とその針みたいなイチモツをぶん殴るしかないな。

アナウンサー：これは本当に真剣なプロレスですね皆さん

コメンテーター：皆ホントにアイツがリングから逃げたのに驚いてんのか？

*1: パンクが2014年にWWEのストーリーに納得できず無断で帰ったことと思われる
*2: WWEのジョン・シナのこと。パンクとは活躍の時期が同じで、2人の間で抗争も行われた
*3: WWEのトリプルHへの言及。WWE会長の娘と結婚し、レスラー兼会社の重役にも就いている

解説

WWEと袂を分かってから7年、CMパンクがプロレスに復帰するとなってAEWは大いに盛り上がりました。7年の空白期間を感じさせないほどに、ファンは皆パンクの復帰を喜んでいましたが、MJFが水を差します。
MJFはパンク復帰前からマイクでの活躍を筆頭に会社から期待されている若手ですが、パンクが自分に注目していない事から二人の抗争が始まります。二人ともマイクでの煽りに定評があるスターのため、このプロモは注目度が高く多くのファンから注目される一戦となりました。
プロモの最中にシカゴについて言及がありますが、CMパンクはシカゴ出身で地元に熱狂的なファンが数多くついています。パンクのホーム戦とも呼べる状況で、MJFは臆することなくパンクに罵声を浴びせ続けています。