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「麗しき島々」収録曲について 6.まつばんだ(屋久島)


5曲目は屋久島古謡「まつばんだ」です。
CDなのでA面、B面はありませんが、もしレコードだとしたらここでA面の終わりというイメージで構成しています。最近は配信で聴く方も多く、
CDを通して聴く方とそうでない方がいらっしゃると思うのですが、あえて懐かしい感じを出したいと思いました。

屋久島の曲だけ集めたえぐさゆうこ江草啓太名義のミニアルバム「まつばんだ」ではピアノアレンジでしたが、今回はアカペラで収録しました。酒匂シゲさんという名人の音源を元に歌っています。屋久島高校に赴任していた野呂正和先生が屋久島高校の生徒のために集めた音源CDを偶然手に入れることができ、考察を進めながら都内のライブ、やくしま夏まつり、アイランダーの屋久島ステージプログラム、など様々な場所で歌ってきたものです。

「まつばんだ」は、題名の不思議さも相まって非常にミステリアスな曲です。屋久島、トカラ列島などで歌われたと言われ、屋久島は沖縄と離れているのに「ナークニー」のなどの沖縄民謡の影響が感じられます。岳詣りの際に歌われたとか、松葉の座で歌われた、など様々な説があります。地元では「まつばんだ」の名前を冠した交通会社があり、それで題名を知る島の人が多かったと思います。ナークニーとの関連論文を書かれた杉本先生に会うために沖縄の糸満に行ったり、奄美の根瀬部(ねせぶ)集落では「今ぬ風雲節」の元歌に似た題名の歌があると聞けば根瀬部に行ったりもしました。

https://www.mbc.co.jp/news/article/2020110400045754.html?fbclid=IwAR3-vn-fnhANyc75rBD0KRGW7Ug19eaFTWLuaQn_K_bC6Jil30NYQtCg7sI
最近、屋久島の高校生の吹奏楽部が屋久島古謡「まつばんだ」を吹奏楽アレンジにして、時報に採用されたというニュースがありました。
私が最初に屋久島の歌探しをした際には屋久島には歌が無いと言われた頃から考えると感慨深いものがあります。
屋久島といえば壮大な山と森。自然を敬う心の大切さを昔から祖先は大切に歌ってきました。それが非常に伝わる歌詞です。

まつばんだ 屋久島古謡

屋久のお岳をおろかに思うな
金の蔵よりなお宝

うれしゅめでたの若松様よ
枝も栄えるる葉(ふぁ)も茂ろな



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