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WISHING 08/19/23 人食いバクテリア ビブリオ・バルニフィカス

このバクテリアによる感染症は、比較的まれだが、生存率が33%と低く、感染しやすい人にとっては致命的である。C.D.Cは、感染者の5人に1人が死亡すると推定している。感染者の多くは感染して腐った手足を切断される。

7月以降、ニューヨークとコネチカット州で、4人がこの細菌に感染し、うち3人が死亡した。感染者のうち2人は、ビーチの海水または汽水(淡水と海水が混じった状態。川が海に注ぐ河口部、深く入り込んだ湾、干潟の陸寄りの部分の水)に触れただけで、1人は生牡蠣を食べて感染した。

北の海でこの感染症が発生するようになったのは、気候変動に伴う海水温の上昇によるものだと推測されている。2005年以降、フロリダ州では、ハリケーン到来後にビブリオ菌による死者の異常な増加が繰り返されている。海水温の上昇に伴い、より多くの人々が感染の危険にさらされる可能性がある。

ビブリオ・バルニフィカスに汚染された海域で泳ぐと、できものや切り傷が菌の侵入口となる。そこから感染が拡大し、いわゆる肉食性感染症となって傷口から健康な組織へと急速に広がる。そして菌は血流に乗り、手足などの軟部組織を破壊し、敗血症を引き起こす。また、免疫不全の人や肝臓病の人が汚染された生牡蠣を食べた場合にも感染する。

高齢者はリスクが高い。コネチカット州で発病した3人の患者はすべて60歳以上だった。胃酸を抑える薬を服用している人も、感染しやすいか、感染後に合併症を起こす可能性がある。

症状は、感染後12〜24時間以内にあらわれ、下痢、胃痙攣、嘔吐、発熱、悪寒、耳の感染症、敗血症、傷口の感染症を引き起こし、急速に進行し、生命が脅かされる。腸炎は、生牡蠣を食べて感染した人ほど早く起こる。

治療には抗生物質が必要である。同時に、感染した傷口をきれいにし、感染の拡大を食い止めるために手足切断が必要になる。

塩水や汽水域では、切り傷や擦り傷を守る靴を履くこと。生の魚介類を扱うときは保護手袋を着用すること。切り傷や擦り傷など、細菌が侵入しそうな傷がある場合は、海水浴を避けること。

最近の外科手術やピアス、タトゥーなどによる傷がある場合も、海水浴を避け、ビーチを歩かないこと。傷口や擦り傷が汽水や海水、生の魚介類やその汁に触れた場合は、石鹸と水でよく洗うこと。

ガンの人、免疫不全の人、肝臓病の人、妊婦、胃酸を低下させる薬を服用している人は、生牡蠣や加熱が不十分な貝類を食べてはいけない。生の貝類を扱う場合は、調理後に石鹸と水でよく手を洗うこと。

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