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図書館を考える ⑵百聞は一見にしかず


図書館の箱と中身と

おすすめの図書館特集(📙『ソトコト』第15巻5号、2013年5月発行)は、私にとって最適な図書館ガイドとなった。従来の古くて暗い本棚のイメージが刷新され、一歩踏み入れただけで心がときめくような新しい図書館の雰囲気に魅了されると共に、この新風が住民にどこまで受け入れられるものなのか気になった。
例えば長野県小布施町の「まちとしょテラソ」の紹介ページには、パフォーマンスユニットと共に図書館を練り歩く子どもたちの姿が写っている。静かに読書する人とお祭りスタイルの同時進行はかつて見たことのない光景なだけに衝撃だった。
この中に掲載されているおすすめの図書館は全国83館。公営に限らず民間の図書館も数多く存在することを知った。

📙鳴海雅人他著『ほんものづくり』(建築ジャーナル、2014年)は、建築家が図書館のデザインに込めたコンセプトや設計上の着眼点を知る上で、大変参考になるものだった。📘『世界の美しい図書館』(パイ・インターナショナル、2014年)に見られるように人を魅了する図書館の「箱」が注目される中で、📙吉成信夫『ハコモノは変えられる!」(学文社、2011年)はその「箱」に「命」を吹き込む必要性とそのノウハウを明記した稀有な1冊だ。本書は県立児童館の改革に関するものだが、後に岐阜市立図書館みんなの森 ぎふメディアコスモスの館長を務められた吉成氏の実践例から学ばせていただいたことはすこぶる大きい。

以下に私が訪ねた図書館のうち主なものをリストアップした。これに限らず、いつもは行かない図書館にも足を踏み入れて自分が何を感じるか、利用者目線で何を良いと思うか、ぜひ実際に訪ねてみることをおすすめしたい。

みんなの森 ぎふメディアコスモス ※
武蔵野プレイス 
ゆいの森あらかわ ※訪問記というほどのものでもない記録はこちら
おおぶ文化交流の杜 図書館 ※

国立国会図書館国際こども図書館
大阪府立中之島図書館
まちライブラリー@大阪公立大学
三鷹市 星と森と絵本の家 ※訪問記はこちら

ついでながら、海外滞在時に利用したBoston Public Library Bibliocycleの取り組みもとても参考になった。図書館が利用者をじっと待っているのではなく、みずから街中に出ていく意義を考えるきっかけになった。

最近は書店もカフェを併設することが増え様変わりしてきたが、「泊まれる本屋」としてのBOOK AND BED TOKYOや、話題の銀座 蔦屋書店も直接利用してみることで貴重なヒントを得ることができた。コ○ナ禍の影響によりBOOK AND BED TOKYO 池袋店が閉店に追い込まれてしまったことは残念でならないけれど、常に新たな形を模索しながら進んでおられるので今後に期待を寄せている。BOOK AND BED 池袋店 訪問記はこちらからどうぞ。(※についても後日訪問記を追加予定)