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NEWS 池袋・新文芸坐にて「Jホラーの原点」奇跡の2本立て!

タイトル写真『ほんとにあった怖い話』©朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ

 4月15日と29日の2日、池袋の新文芸坐にて石井てるよし監督作『邪願霊』(1988年)と鶴田法男監督作『ほんとにあった怖い話』(1991〜92年)が史上初めてスクリーン公開される。共にJホラーの発火点として伝説となったオリジナルビデオ作品だ。ビデオ映像をクリアにした限界のDVD上映となるが、共に超常現象が徹底的なリアリズムをもって作られ、その点が再評価につながり、中田秀夫+高橋洋の『女優霊』や黒沢清の『回路』での幽霊表現の祖となった訳で、ビデオ撮りの画面が醸し出す、低予算を逆手にとって時代の先端をいった映像を改めて追体験することとなる。


『邪願霊』ジャケット・ビジュアル 
『ほんとにあった怖い話 新装版』(MAXAMより発売中)

 プログラムは15日(18時40分〜)が『邪願霊』+『ほんとにあった怖い話』全3作の上映。29日(18時〜)は『邪願霊』+『ほんとにあった怖い話 第二夜』(「霊のうごめく家」が収められている)+『新・ほんとにあった怖い話 幽幻界』の3本立てに加え、石井・鶴田の両監督に、『SHARING』『怪談新耳袋・怪奇』で独自の心霊表現を行った篠崎誠監督によるトークショーが行われる。篠崎監督はかつてこれらの作品を紹介する自主上映会を自らの企画で行い、そこで若き日の黒沢清たちはリアルな幽霊表現に衝撃を受けたのだ。石井、鶴田の両氏がJホラーを産み出した大いなる存在であるならば、篠崎監督は「Jホラーのお産婆さん」となる。優秀な産婆(紹介者)の力添えがあってこそ、新しい表現は世に出ることができる。この3人が揃うトークショーは、日本ホラー映画史上、最もラジカルな場となるだろう。

 最後に石井・鶴田の両監督によるコメントを紹介する。

「『邪願霊』はレンタルビデオ勃興期に全く新しいホラーを作ろうと考え制作した作品で、レンタルビデオ店の棚に埋もれていく筈のものでした……それが30年以上の時を経ても評価されているのは有難い限りです。Jホラーの端緒を切った『邪願霊』と、Jホラーを真の意味で確立した『ほんとにあった怖い話』が、初めて同時に新文芸坐のスクリーンに掛かるのは本当に光栄な事です。劇場においで下さり、ご覧頂ければ幸いです」石井てるよし

「TVドラマ『ほんとにあった怖い話』(略称『ほん怖』)の基になったオリジナルビデオ版『ほん怖』が昨年DVD発売されて大変に感激でした。実は、映画版の企画をしていたのが諸事情で形を変えたのがTVドラマ版なのです。それだけに、オリジナルビデオ版を新文芸坐さんで上映をしていただけるのは映画化の夢を少し近づけるようで本当に嬉しいです。しかも、『邪願霊』との2本立てで光栄です。是非、ご来場ください」鶴田法男

新文芸坐youtubeでの紹介(本企画の仕掛人・花俟氏が登場)

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