たまにスタンダップ・コメディを見ると、ハマりますね。

トークだけの60分が何故面白いのか、それは本人が本人を演じているからです。

もちろん、ケン・チョンの出世作は『ハングオーバー』シリーズのミスター・チャウ役。その裏話を喋り倒します。

共演者やトッド・フィリップス監督とのエピソード、役を任された経緯など大ヒット映画だから観客が聞きたい話ばかりで当然大盛り上がり。

映画のおかげで、"Dr. Ken" というドラマシリーズも製作され、さあこれからという時にドラマは打ち切り。でも落ち込んでいたところに『クレイジー・リッチ』の出演依頼が舞い込みます。そういうライフストーリーを面白可笑しく語るのです。

『クレイジー・リッチ』の原題は"CRAZY RICH ASIANS"なんですが日本公開時にはキーワードのアジアンズが削除されています。ケン・チョンが触れたわけではありませんが、実は日本人はアジアンズに冷たいのかも。

スタンダップですから、話はしょっちゅう脱線します。観客をいじるからです。タイトルの"YOU COMPLETE ME, HO"のHOはケン・チョンのベトナム系の奥様の旧姓です。英語の発音だと"WHORE(あばずれ)”と同じだからそのネタでかなりの笑いをとっています。でも笑いを取るだけではなく、乳がんサバイバーの奥様のことをちゃんと紹介するくだりで元医者というキャリアが説得力を持ちます。スタンダップとはその人の人生と愛している人のことをより深く知らしめる芸能です。会場が湿っぽっくなったと思ったら、元医者ならではの心臓蘇生のリズムは♪ステイン・アライブ♪でやるといいよという鉄板ネタをかましてきます。

会場は名門コメディクラブ「ジ・アイス・ハウス」。200席の客席は超満員でベトナム系、シンガポール系、韓国系のオーディエンスも多数詰めかけて在米アジアンズのパワーを感じます。マイノリティネタもウケまくりです。 

ケン・チョンの最新作はFOXでのバラエティー番組”I CAN SEE YOUR VOICE”で司会を務めています。この番組もなかなかユニークです。

韓国系アメリカ人故かCJエンターテインメントが、ケン・チョンのTV番組をプロデュースしています。