映画前夜

眠ってしまった脚本、映画化されるアテが今のところない脚本を公開します。誰かの目にとまり…

映画前夜

眠ってしまった脚本、映画化されるアテが今のところない脚本を公開します。誰かの目にとまり、映画になる、前夜の脚本たちを公開します。賛同し、参加してくださる作家さんも募集しています!参加監督<2020.4.1現在>: 田中雄之(あの田中)、渋谷悠、大川祥吾、洞内広樹

マガジン

  • 『命乞いコレクター』

  • 『天真爛漫ミイラガール』

    脚本:大川祥吾

  • 『成仏(フィナーレ)は劇場で』

    脚本:洞内広樹 俳優くずれの地縛霊が、 過去を振り切って最後の舞台に立つ─。 (全6話) ※2016年作・上演の演劇の脚本です。

  • 有田屋千三郎

    脚本:田中雄之(原案:桂三四郎)

最近の記事

#8 映画『命乞いコレクター』最終回!

さて、バイオレンスコメディ映画企画『命乞いコレクター』の気まぐれ連載もいよいよ最終回となりました! まずは、前回の命乞いシーンで助かったクズ男、冨田のその後のシーンを紹介します。彼が電話ボックスにたどり着くのは、画的に好きだからというのもありますが、ヌエたちに拉致されたとき、携帯を奪われたからです。 【山小屋からの生還】 ◯山の中   両手に札束を持った冨田が走っている。   戸惑いと生の実感が混在した表情。   速度を緩め、来た道を振り返り、また走りだす。   ☓  

    • #7 映画『命乞いコレクター』様々な命乞い

      前回はクズ男の冨田とその彼女、日向子のシーンを紹介しました。クズ男がヌエと対峙するシーンが今回のメインディッシュなのですが、その前にこの作品でやりたいモンタージュをお見せします。 それは:命乞いのモンタージュ。 カメラ目線で命乞いをする様々なキャラクター。 切り返すと、それを聞いている(あるいは聞いていない)ヌエのリアクション。このモンタージュでは色んなことが一度に達成できます: ・ヌエが求める感動は中々ないということ ・時間経過の描写 ・命乞いを繰り返すことでヌエの日常

      • #6 映画『命乞いコレクター』"ゾンビ練習"のシーン

        前回はヌエとその仲間たちのシーンを紹介しました。この映画の設定から言うと「命乞いを集める側」ですね。さて今回は、命乞いをする側に焦点をあてます。 「命乞いが面白かったら助ける」という約束がある以上、映画の中で誰かが助からないと、お客さんの期待を裏切ることになります。 現在の構想では、冨田というクズ男が助かることになっています。今日は冨田と、冨田の彼女、日向子とのシーンを紹介しますね。 こちらのお二人です(イラスト:シーズン野田) ゾンビ練習 ◯日向子のアパート   

        • #5 映画『命乞いコレクター』"虫の息"のシーン、他

          さて、今日からは脚本の一部を公開していきます!なぜ一部かというと、全部見せたくないからではなく、単純に書けていないから・・・。 なので、想像で間を埋めていってください! 以下のシーンは、なんとなく映画のオープニングをイメージした内容です。映画の始まり方って二種類の擬音語に例えることができます: ① バンっと始まる ② ジワーっと始まる このシーンはジワーっと始まるタイプです。 (ノートの仕様上、通常の脚本書式にしづらいので:ト書きは1行目のみ字下げ、セリフは強調で表記しま

        #8 映画『命乞いコレクター』最終回!

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        • 『命乞いコレクター』
          8本
        • 『天真爛漫ミイラガール』
          3本
        • 『成仏(フィナーレ)は劇場で』
          6本
        • 有田屋千三郎
          23本

        記事

          #4 映画『命乞いコレクター』あらすじ

          前回の記事ではこの作品の一癖も二癖もある登場人物を紹介しました。読んでないよ!という方はあらすじの前にぜひチェックして下さい。 さて、彼らはどんな物語を繰り広げるのか? 【あらすじ】 ヌエはもう、随分前から人を殺すことに飽きていた。   来る日も来る日も、どこかの誰かの都合で、どこかの誰かを殺し、普通に暮らしていては使い切れない報酬を得ていた。変わった殺し方を試した時期もあったが、それはあまり趣味ではなかった。 ヌエはいつしか、ターゲットに命乞いをさせるようになり、そ

          #4 映画『命乞いコレクター』あらすじ

          #3 映画『命乞いコレクター』登場人物紹介

          ログラインやらテーマやら書いといて、映画のジャンルを書き損ねていました。『命乞いコレクター』は実はバイオレンス・コメディです。 バイオレンスって部分は「命乞いを集める」という設定から察してもらえたでしょうが、そうなんです、コメディにしたいんです。僕の世代で言うと『パルプ・フィクション』とか、近年の作品で言うと『スリー・ビルボード』とか、そんなイメージです。 あぁ!自分の作品の人物紹介の前に名作の予告編を貼って無駄にハードルを上げてしまった(笑) バイオレンスがバイオレン

          #3 映画『命乞いコレクター』登場人物紹介

          #2 映画『命乞いコレクター』のテーマとは?

          前回のログラインに続きぶっちゃけましょう。テーマ、苦手です! そもそも言葉にできない感情の変化や人物の関わりを描きたくて映画や舞台という恐ろしく面倒臭い物を作っているのに、伝えたいことをまとめろと? 大事なのは分かります。テーマはこれです!と言い切れた方が資金繰りもいくらかスムーズだろうし、スタッフ&キャストの気持ちを一つにしやすいし、宣伝も分かりやすく作れるでしょう。シンプルは強い。 ただまあ作ってる本人は題材に近すぎて、これが何の話なのか言語化するのに必ずしもベスト

          #2 映画『命乞いコレクター』のテーマとは?

          #1 映画『命乞いコレクター』企画書公開!

          初めまして、脚本家・映画監督・舞台演出家の渋谷悠です。長年温めてきた長編映画『命乞いコレクター』(仮)の企画内容や脚本の一部をここ映画前夜で連載します。ぶっちゃけ「これ面白い!」と思ってくれるプロデューサーと出会いたいです。連絡待ってます! 映画前夜とは:眠ってしまった脚本、映画化されるアテが今のところない脚本を公開します。誰かの目にとまり、映画になる、前夜の脚本たちを公開します。賛同し、参加してくださる作家さんも募集しています!参加監督<2020.4.1現在>: 田中雄之

          #1 映画『命乞いコレクター』企画書公開!

          『天真爛漫ミイラガール』第3話(全3話)

          15. 爛子の実家・部屋(朝)寝起きの爛子。相変わらず包帯まみれ。カーテンを開け窓の外を眺めている。そこへスマホに着信。 画面を見て慌てて姿勢を正し、一度スマホを机に置き、手を合わせ祈ってから出る。 爛子「(深呼吸して)もしもし」 三橋・声「あ、もしもし三橋です」 爛子「お疲れ様です」 三橋・声「お疲れ様です遅くなってすみません、こないだの最終選考の件なんですけど」 爛子「はい」 三橋・声「バラシになりましたので、来週の木曜は空けちゃって大丈夫です」 爛子 「…

          『天真爛漫ミイラガール』第3話(全3話)

          『天真爛漫ミイラガール』第2話(全3話)

          7. 走行中の車内(夕方)来た時同様、曽太郎が運転している車に助手席に恵、後部座席に爛子が乗っている。後部座席のベビー用品の箱が来た時よりも増えており、爛子が座るスペースが狭くなっている。 爛子「え、明日の飲み会に、木下先生も来るってこと?」 曽太郎「想像したら緊張してきた」 恵「久しぶりでしょ? 爛子」 爛子「うん、卒業してからは会ってないから、もう5年?」 曽太郎「なんか腹筋痛くなってきた」 爛子「あ、出た、腹筋!」 恵「私も会うのは久しぶりなんだけどさ、折

          『天真爛漫ミイラガール』第2話(全3話)

          『天真爛漫ミイラガール』第1話(全3話)

          1. 都会の道路道行く人々とすれ違いながら、颯爽と歩いている爛子(23)。 全身の7割が淡いピンクの包帯でぐるぐる巻き、左目は包帯で隠れ、左腕もギプスで固められ三角巾で吊るされている。 異様な風貌の彼女だが、道行く人々は誰も彼女に目を止める事もなく、爛子も真っ赤なスーツケースを引きながら軽快に歩いている。 タイトル「天真爛漫ミイラガール」 2. 田舎の駅前の駐車場改札を出て駅から駐車場へ歩いてくる爛子。 駐車場で待つ恵(23)と曽太郎(23)を発見し、大きく手を振り回しな

          『天真爛漫ミイラガール』第1話(全3話)

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』最終話(全6話)

          24. 廃劇場   歌手子が走ってくる。トニーが追いか    けて入ってくる。 トニー「藤川!あぶないぞ!」 歌手子「村松さん!イオリさん!」 トニー「藤川!」 歌手子「トニーさん、私、オーディションの  ために、ここで特訓してもらったんです」 トニー「ここで?誰に?」 歌手子「イオリさんと…ベルナルド村松さん」 トニー「おい、悪い冗談はよせ」 歌手子「冗談じゃないんです。ほんとなんで  す。いるんです!ベルナルド村松は!ここ  に!村松さん!イオリさん!」

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』最終話(全6話)

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第5話(全6話)

          19. 合宿稽古場   トニーとまりあと歌手子が稽古終える。 トニー「よし。いよいよ明日はプレビュー公  演だ。今日までの稽古を体に叩き込んで、  よろしくな」 歌手子「はい!」 まりあ「はい!」    歌手子、まりあに声かける。 歌手子「まりあ」 まりあ「なによ」 歌手子「いろいろ付き合ってくれて、ありがとう」 まりあ「あんたのためじゃないから。この舞  台が成功しないと、困るのは私なの」 歌手子「そうね。ごめん」 まりあ「それに…共演者は、最後まで付き

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第5話(全6話)

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第4話(全6話)

          10. 合宿稽古場/廃劇場※このシーンは舞台をカミテシモテで分け、それぞれ「合宿稽古場」と「廃劇場」の同時進行。映像で言うところのカットバック。 廃劇場…村松×イオリ 合宿稽古場…トニー×歌手子、まりあ。 村 松「トニーとおれは、劇団の同期でな」 トニー「ベルナルドには、よく稽古終わって  も自主練に付き合ってもらってたんだ」 村 松「お互い燃えててよ。ウエストサイド  物語のトニーとベルナルドの役やって…」 トニー「トニー浅井と、」 村 松「ベルナルド村松、って

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第4話(全6話)

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第3話(全6話)

          4. 特訓モンタージュ   村松が芝居を、イオリがダンスを教え、    たまに歌手子が歌を歌うモンタージュ    的な一連。歌手子が芝居をしてみるが、    首が水平でいまいち堂々としていない 歌手子「いいえ、終わりなものですか!まだ  終わりではありません!」 村 松「違う!顔をもっとあげろ!自分が思  ってるより30度は上にあげろ!」 歌手子「いいえ、終わりなものですか!」 村 松「もっとだ!」 歌手子「いいえ、終わりなものですか!」 村 松「今度は声が小さい

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第3話(全6話)

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第2話(全6話)

          2. 藤川家・リビング   歌手子が帰ってくる。待っていたのは、    姉の藤川あゆみ(28)。水商売っぽい    格好。 歌手子「ただいま。ごめん遅くなって」 あゆみ「予備校は6時まででしょ。店あける  前に帰って来てよ」 歌手子「ごめん…」 あゆみ「明日の午前中、水道の工事が来るか  ら立ち会いお願い」 歌手子「え、明日は…」 あゆみ「私は朝までお店だから無理なの。お  願い」 歌手子「わかった…」 あゆみ「予備校はちゃんと行ってね。じゃよ  ろしく」

          『成仏(フィナーレ)は劇場で』第2話(全6話)