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シャドウイングは発音の練習になる?

この記事は、2024/4/22にPodcast、StandFMで配信した内容を読みやすく編集したものです。

こんにちは。 英語発音コーチのAkiです。
今日はシャドウイングについてお話ししたいと思います。 みなさんシャドウイングって聞いたことありますか?



シャドウイングとは

シャドウイングとは、何かを聞きながらそれと同じことを口に出して言うという練習方法です。 例えば、英語ネイティブの人が話している会話やスピーチを聞きながら、それと全く同じことを口から出すという練習の方法です。 シャドウ (shadow) は影ですよね。 影のように、同じものがついていくという意味で「シャドウイング」と呼ばれています。

通訳の訓練でシャドウイング

「シャドウイングで発音の練習をしています」という方もおられると思うのですが、私もシャドウイングは何度もやりました。 しかし発音の練習のためではありません。 過去に通訳者の養成学校に通っていたとき、そこで通訳の訓練の一つとしてやってたのがシャドウイングです。 シャドウイングは耳から聞いたものをそのまま口から出すという練習なんですよね。 耳から聞きながら、ずっと聞き続けながら、それを口からどんどん同じことを出していくというもので、最初は「日本語を聞いて日本語を口から出す」という練習。 それに慣れてきたら、「英語を聞きながら英語を口から出す」というやり方に変わり、最後は「英語を聞きながら頭の中で訳して日本語を出す」というように、慣れるに従ってレベルをあげていきます。

シャドウイングは発音の練習には向いていない

一度でもシャドウイングをしたことのある方だったらお分かりだと思うんですが、シャドウイングをしているとき、聞くことにばかり意識がいきますよね。 とにかく耳の方に集中して、まず何を言っているかを聞き取り、それを口から出す時には、口の方には全く意識がいっていない。耳と口の両方に意識を向けることはできないから、とにかく聞こえてくるものに集中し、口から出すのは無意識でやる。それができるようになるための訓練なんですけれども、口に意識がいっていないので、発音の練習にはあまり向いていないかなと思います。 発音の練習をするんだったら、口に意識がないとできないですよね。 私が発音の練習にならないと思ったのはそういう理由からです。 

理由1. 聞き取れないことを繰り返すことになる

もう少し詳しくお話しすると、そもそも英語の内容が聞き取れていないことがありますよね。 英語の発音に慣れていない方だったら聞き取れないのも全然不思議ではありません。それでもシャドウイングしようとすると、聞き取れたところだけを口で繰り返しているという状況に陥ってしまいますよね。 自分では何を話しているのか分かっていない、理解できていない、つかめていない状態で、それをただ繰り返すのは、あまり練習にはならないと思います。 まずそれが1点ですね。

理由2. 口がスピードについていけていない

2点目が、英語のスピードについていけなくて、そもそも口が回らないということ。
そのスピードで話せるようになるために、食い下がって早く話す練習をするより、ゆっくりのスピードから始めて少しずつ上げていく、少しずつ慣れていく方が、さらに効率がいいと思います。

発音の練習に使うなら

シャドーイングを使って発音の練習をするならおすすめしたい方法があります。
それは、ただ爆速で聞くのではなくて、自分が聞き取れるぐらいのスピードに落として聞いてみる。 爆速で聞くと気づかないくらいの弱い子音も、スピードを落とすことでかすかに聞こえることがあります。聞こえないくらいの音でも、その音のスペースはちゃんと空いている、という感じ。スピードを落とすとそういう音が分かるようになるんですね。 どういう風にネイティブスピーカーが発音しているかを聞き取れるようなスピードまで落として、それを聞き取って、それからその真似をするのがおすすめ。 その真似をする時も、英語を流しっぱなしでやるのではなく、ときどき止める。 切りのいいところで切って、繰り返す。 それも発音に意識を持って繰り返す。聞く時はちゃんと聞くことに集中。 話す時はちゃんと話すことに集中。 というのを繰り返すと発音の勉強になるんじゃないかなと思います。

YouTubeに上がっているものを使うのならスピードを半分くらいに落としてもいいと思います。再生スピードを変えられるアプリもあるので、そういうのも使ってみるといいんじゃないかなと思います。

では今日のお話は以上です。 最後までお聞きいただきましてありがとうございました。

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