やる気の無い生徒を変える!現役高校教師が考える自由の本質とは?

教育には正解は無いものの、トレンドというのは確実に存在します。
現在は、型にはめる指導から生徒の主体性を重視する方向に転換しつつあります。
つまり、生徒を1から10まで教師の指示に従わせるわけではなく、生徒に考えさせ行動させる余地を残す教育です。
その象徴が「総合的な探究の学習」の導入であり、課題設定や探究の方法、まとめ方などは生徒に委ねられています。
しかし、生徒を管理することに慣れている教師は不安を感じていることと思います。
「生徒が自分勝手に行動して面倒な問題を引き起こしたらどうするんだ?」
と、

この記事を読むことで、新しい時代の教育を実践する上での心構え、つまり自由とは何かについて考察していきたいと思います。
自由の本質をつかむことができれば、恐れることはありません。生徒に接する際の道標となることでしょう。

それでは、早速見ていきましょう!

「自由」とは何でしょうか?
よくあるのは、「自分勝手」、「何をしてもよい」という誤解です。
本当の自由とは、それとは真逆で「厳しい」のです。
それはなぜか?もし、教師の言うことを1から10聞いていれば良い環境や、勉強さえしていれば文句を言われない環境であれば、正解が決まっています。
正解が決まっているのであれば、そこには自分で考える必要がありません。正しいとされることをただすれば良いわけです。
しかし、その一方で、何をどこまですれば良いのかが生徒に委ねられている探究の授業の場合、正解はありません。
つまり、その学びの機会を最大限に活かしてそのアイデアを起業などに活かしていける猛者もいれば、学びを放棄して何もしないで過ごせることもできてしまいます。
この学びの格差こそが「厳しさ」です。

それでは、この格差を放置しても良いのでしょうか?

もちろんそんな訳はありません。生徒の学びを最大限引き出すのが教師の腕の見せどころとなる訳です。

予備校などのトップ講師の授業映像を見せておけば、もう学校は要らないという暴論をたまに見かけますが、この学びに向かわせるための生徒のモチベーションを引き出すことは、ライブの授業でしかできません。
なぜなら、映像授業は不特定多数に向けての発信であり、固有の教室環境は考慮されていないからです。

話を元に戻しましょう。

「自由」な学習活動にやる気を見せない生徒に対して、どのように語りかければよいのでしょうか?

ずばり、自由の本質は「選択する」ということです。
探究活動に取り組まないのは、受動的なことではなくて、それは生徒自身で積極的に選んでいる結果であるということを強調することが大切です。
これからの人生も、面倒なことは取り組まないという選択を続けたら、その先に待ち受ける未来がどうなってしまうのかは火を見るよりも明らかでしょう。
今後の人生で良い選択ができるように、自分の心を育てていかなければなりません。
「それをせずに社会に出た時に、痛い思いをしてやっと気づくのでは遅すぎる。会社をクビになってから後悔してもダメ」
ということを、真摯に語りかけるのです。

もちろん、この語りかけに響くかは「集団の力」が大きいです。
つまり、周りのクラスメイトのほとんどがやる気が無い状況だと、一瞬やる気スイッチが入ったとしても、やがて周りに引きずられて元に戻ってしまいます。

それでは、集団の力はどう高めれば良いのでしょうか?それこそ、学校行事や日々の授業でのペアワーク・グループワークの積み重ねで培われます。
教師の仕事としては、生徒の得意を把握して然るべき生徒にリーダー役として活躍できるような環境を整えてあげることです。
生徒自身の強みはやる気が無い生徒ほど、自覚が無い傾向があります。
リーダーの役に就かせることで、生徒は周りを見るようになり、今まで見えなかった自分と向き合う必要性に迫られます。それこそが、成長のチャンスであり、教師は積極的にサポートをすることが求められます。
集団力の育成はすなわち、教師以外のリーダー的存在を作ることです。
クラスメイトから認められているリーダーが頑張っている姿を見ることで、クラスにやる気が少しずつ充満していきます。
最終的には、生徒同士で厳しいことも言い合いながらお互いを高め合う存在となることが目標になります。
そこまで行けば、教師の手を離れて生徒自身で自走できるようになります。
そして、生徒の成長を褒めてあげてください。
生徒は必ず変わります。

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