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クリスタで使えるアニメ作画用3D人物モデルの制作(その5)

一枚絵のループアニメーションについてプチ研究しています。

アニメーションの中でも、特に人物の動作は高い画力が問われる難しい表現のひとつだと思います。そんな人物アニメーションですが、簡単なテンプレートがあることで作画効率がグッとアップします。

そこで、アニメーションテンプレート用にオリジナルの3Dモデル素体を作ってみることにしました。

人物アニメテンプレ用3Dモデルの制作に関する記事の5回目です。

デッサン人形との比較

作りたての3Dモデルを、クリスタのデッサン人形と並べてみました。

ローポリではあるものの、アニメーション用には十分な気がします。

当初の予定どおり、関節部分、腕と脚部の内側に彩色しました。また、髪の生え際にも彩色していましたが、違和感があったためこちらは止めました。

ボーンによる動作確認

クリップスタジオモデラー(以下モデラー)を使い、標準ボーンを埋め込んだ状態で動作確認してみました。

動作そのものに大きな問題はありませんが、関節を曲げたときの形状がうまくコントロールできていません。

特に関節周囲の変形がひどく、アニメ用とは言え、このままでは使えません。

ちなみにクリスタのデッサン人形は下図のような感じで、関節を大きく曲げても比較的自然な形状が保たれています。

こちらはMayaというソフトで作られているようです。お安ければMayaを使ってもいいのですが、とても手の出る金額ではありません。

まずは身の丈に合ったソフトを使い、デッサン人形のクオリティにできるだけ近づけようと思います。

モデラーでは、ウェイトがかけられない

関節折り曲げ時の不自然な形状は、ウェイトがかかっていないことが原因のひとつのようです。ウェイトは、関節周囲のメッシュに対し、ボーンの影響度を数値や色で指定できる機能です。

下図は、メタセコイア(以下メタセコ)の教科書に添付されていたサンプルの大腿部につけられたウェイトのカラーマップです。

赤が最も影響が大きく、青に近づくほど影響度は小さくなります。カラーをグラデーションにすると、関節を曲げたときの形状変化がソフトになります。

ロボットのようなメカ部品に対しては必要ないものかも知れませんが、生物や柔らかな素材の関節部分には必須な処理と言えます。

残念ながらというか、何故かモデラーにはこの機能が備わっていません。そこで、メタセコ側でMMD(MikuMikuDance用)というボーンを埋め込み、ウェイトをかけてみました。

ボーン情報を維持しながら出力するには、FBXで出力しなくてはなりません。OBJ形式の場合、ボーン情報は失われてしまうようです。

標準ボーンマッピングモード

モデラーでは、ウェイトがかけられない代わりに、他のソフトで埋め込んだボーンとクリスタの標準ボーンとを連動させる機能があります。これは標準ボーンマッピングと命名されています。

この標準ボーンマッピングを使い、各ボーンを紐づけると以下のような表示が現れ、正しく連動しているかがチェックできます。

細かなところまではわかりませんが、おおよそ正しくマッピング出来ているようです。

次に、モデラーデータをクリスタで読み込み、クリスタ側で改めて動作および形状確認を行いました。

関節を曲げたときの肘、肩、尻、膝などの形状にまだまだ不自然さが残っていることがわかりました。また、メタセコで張ったメッシュよりもかなり粗く見えます。

メタセコでの形状確認

メタセコ側では、綿密にウェイトをかけ、形状を確認していたはずです。ここで、改めてメタセコ側でモデルの動きや形状を確認してみました。

脚を上げたときのお尻の形状についてはこんな感じです。腿を上げても丸みがきれいに保てています。

しかし、モデラーを通すと、このようにひどい形状になってしまいます。

データが変更されてる?

ウェイトが設定どおりに再現できないのは、どこかの段階でデータが悪化している可能性があります。

データが変換される場面は次のように2か所あります。

  • メタセコのオリジナルデータ → FBX

  • FBX → モデラーデータ

特にメタセコからFBXでは、すべての面が3角形に張り直されますので、かなり大きな変更が入ってしまうことになります。まずはこの段階でウェイトが大きく変化していないかの確認が必要ではないかと思います。

まとめ

メタセコイアの30日間の試用期間が満期になりました。十分な日数とはとても言えませんが、3Dモデルはそれなりに進化できたように思います。

さて、30日は過ぎたものの、どういうわけかメタセコはフル機能で使えています。

そこで、現時点の認証状態を確認してみたところ、残り日数がこんな具合に表示されました。

この日数なら、一生どころか死ぬまで使ってもおつりがきます。

いいんかい?

ただ、ちょっと時間を置いて改めて確認すると、数値が加速度的に減っていることがわかりました。どうも、上6桁+単位(秒)が正しいようです。

計算してみると、残りは10日前後になります。30日に加えて10日ほどサービスしてくれたのでしょうか。

実際のところ、評価期間としてはそれでも全然足りませんけどね。残り日数、やれるところまでやってみようと思います。

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