表面張力? No,i'm a 東京ドーム.
ここは活気ある居酒屋。
来客の度、オーダーの度に威勢の良い掛け声が飛び交う。
何か凄く嬉しくなってしまうノリの良いお店だ。
冷酒を頼むと、「カウンター◯番さん、◯◯を一丁!」
大きめなお猪口に一升瓶から並々注ぐことをウリにしている。
受け皿なく、注ぎ足し無しなので、常に一発勝負。
どのスタッフも真剣な眼差しで一升瓶を傾け、お猪口に集中する。
知るところ、一度も場外コボレや注ぎ足しを見たことがない。
女性スタッフが目の前にきて、一升瓶の口栓を開ける。
ポン、と心地よい音が響く。
お猪口にトクトクと注いでいく。
「おおぉ~」と歓声を上げる。「すごい表面張力だね。」
「ウチでは、今、東京ドームと呼んでるんですよ。」
とカウンター越しから調理スタッフでお酒に詳しいJUNちゃんが声を掛けてきた。
Why???
どーゆーこと?
事情を確かめると、こういうことだ。
調理場からホールスタッフに投げかけたコトバ。
それは、ヒョウメンチョウリョク(表面張力)。
それをホールスタッフが聞き違えた。
あろうことか、トウキョウドーム(東京ドーム)。
ヒョウメンチョウリョク = トウキョウドーム
何度、リフレインしても、そのように聞こえないが、言い当て妙で盃に盛り上がるフォルムと東京ドームが重なり、すごく面白い。
いや、実は腹がよじれるほど可笑しい。
JUNちゃんと一緒に大笑いした。
「よ〜し、わかった。東京ドームを見せてもらおう!」
ちょ~と、待った。
東京ドームを愉しませてもらう前に、日本酒についてひとくさり。
◯純米酒・・・米、水、麹を原料。
◯本醸造酒・・・醸造アルコールを加えたお酒。醸造アルコールの割合は10%以下。
つまり、純米酒は読んで字のごとしで麹以外、混ぜ物がないのです。
本醸造酒はコーヒーで言うブレンド=MIXなのです。
※醸造アルコール
デンプン質物や含糖質物から醸造されたアルコール。
適量加えると、香りが高くすっきりとした味わいになるほか、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止する役割もあります。
店頭で日本酒のラベルをいくつか見てください。
醸造アルコールが含まれてる物がいくつもありますよ。
◯特別純米、特別本醸造
特別とは、精米歩合が60%以下、または特別な方法で製造している日本酒に「特別」の名前をつけることができる。
特別が付くと、ワンランクアップなのです。
◯吟醸酒、大吟醸酒(醸造アルコールを含む。)
吟醸酒・・・精米歩合60%以下
大吟醸酒・・・精米歩合50%以下
吟醸と聞くと、良い響きですよね。
よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、粕(かす)の割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することなのです。
醸造過程でしっかり手をかけ、味のバランスを整えるために醸造アルコールを加えているのです。
◯純米吟醸、純米大吟醸(醸造アルコールは含まない。)
純米吟醸酒・・・精米歩合60%以下
純米大吟醸酒・・・精米歩合50%以下
純米大吟醸酒が日本酒の最高峰。
有名銘柄では、獺祭、十四代の純米大吟醸があげられますね。
獺祭の磨き二割三分は、精米歩合23%という極限に挑んだ品です。
コーヒーで言うと、シングルオリジンで極上品。
皆さんご存知のブルーマウンテン、ハワイコナ、トラジャ、スペシャリティーコーヒーのパナマゲイシャなどですかね。
日本酒を表す必要項目が2つあります。
◯精米歩合
お米をどれだけ磨いたかの数値。
何故、磨くのかというと、日本酒造りにおける米の表層部分は雑味の原因とされているからです。米の表層部分にはたんぱく質や脂質、でんぷんなど重要な栄養素がありますが、これらの栄養素が多すぎると、雑味が残り、お酒の香りが消されてしまいます。
従って、精米歩合の数値が低い程、お米の量が必要となり、クオリティーが高くなるのと同時に値段も高くなるというわけです。
◯日本酒度
日本酒の比重を表すもの。普通の水を基準にした場合、糖分などのエキス分が含まれれば含まれるほど液体自体は重くなります。
プラスになるほど糖分が少なく辛口、マイナスになるほど糖分が多く甘口ということになります。
一般的に、アルコール度数が同じ場合、日本酒度-3.5から ー5.9が「甘口」、ー1.5からー3.4が「やや甘口」、+1.5から+3.4が「やや辛口」、+3.5から+5.9が「辛口」とされています。日本酒度が+10を超える日本酒は「超辛口」と呼ばれています。
以上を踏まえ、下記HPをお読み頂けば整理が付くと思います。
これからは、日本酒を買う時にラベルに表記されている内容をご覧頂き、どの分類の日本酒かをお確かめの上、購入されることをお薦め致します。
また、お店で呑む時も同様に目安としてみてください。
さあ〜て、本題に戻ります。
東京ドームを見せてもらおうじゃないか!
まず、辛口から行こう!
辛口タイプは、ここまで。
日本酒の王様、純米大吟醸は呑まなかったが、これほど良い日本酒に巡り会えるとは思わなかった。
農口尚彦氏は、杜氏界のレジェンド、カリスマで現在91歳、幾度となく引退しては復活し、美味しい日本酒造りに命を捧げてらっしゃるとても高名なお方だ。
ところで、こんなに呑んで大丈夫?
ご安心ください。
γGTPの値は全く変わりません。
血糖値も血圧も正常値です。
そうは言っても、流石にこんなに呑むのはしんどいので、3度に分けて訪店しました。
旬の魚(刺身)や天婦羅なども大変美味しいお店です。
いずれの日も、刺し盛りと春野菜の天婦羅はしっかり頂きました。
機が熟したら、突撃潜入ルポでじっくりご紹介しますね。
今回は、焼きおにぎりで〆ておしまいです。
お読みいただきありがとうございます。よろしければサポートをお願い致します。いただいたサポートは活動費に使わせて頂きます。よろしくお願い致します。