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清水の舞台から飛べなかった結果

欲しいなあと思っても、高くて買えないもの、たくさんありますよね。

8つ上の姉は「お小遣いも少なくて、リボンが欲しくても買ってもらえず、プレゼントが包装されていたリボンを工夫して髪につけていた」、「かわいいかわいいとほめてくれた友達もいたけど、『それ、プレゼント用じゃない』と小馬鹿にしてくる同級生もいて悲しかった」などと言うので、両親が若いころはかなり経済的に苦労してたんでしようね。

幸か不幸か私が生まれる頃は多少裕福になってきたのか、あるいは末っ子の特権で甘やかされていたのか、「これ欲しい」といったら大体買ってもらえた気がします。ただ、何を買ってもらったのかほとんど記憶にないのですが。

オットは物欲のない人で、誕生日とか記念日に何か上げようと思ってもほとんど何も欲しがらないのですが、私は物欲にまみれているので、その都度その都度あれこれ欲しい。

欲しいと思ったときにどれくらいまでなら手を出すかというのは人によるのでしょうけど、ローンを組まなきゃ買えないものは手を出さない。桐島洋子さんの本で、それは食べるものの話ですけど、食事の贅沢をどこまで許容するかという話がありました。一週間働きに働いて、それでバーンと豪華な食事をするというのは働くモチベーションになると。数日分の稼ぎを一食に費やすその背徳感と満足で、また次の仕事を頑張ろうという気になるとあって「なるほどなあ」と思いました。この話には続きがあって、「そうはいっても数週間分の稼ぎを一食に費やすことはない。そのバランスをとるのが大事」とのこと。

そう、だから私も欲しいものがあるときに、欲しいという気持ちと、金額的な問題と、いろいろと天秤(それこそbalance)にかけて考えます。その結果、指をくわえて眺めるだけになる場合もある。

もう20年以上前ですかねえ。札幌に行ったときに、ふと出会ったバッグに恋に落ちました。まさしく一目惚れ。なんて素敵・・・!

目をハートにして眺めていたら「どうぞお手に取ってご覧ください」と言われ、肩にかけたり腕に下げたりしてみましたが、どこからどう見ても素敵。

とはいえ値段を見てビビりました。10万超えてる! 

涙を呑んで棚に戻し、それ以降、札幌に行く機会があるたびにその店に寄って、ああ素敵可愛いなんて美しいのと大賛辞をして眺めまわしてまた棚に戻して泣きながら帰るの繰り返し。

2年前に、予想もしていなかったことが起こりました。つまりは昇進したのです(私以外の人にとってはどうでもいい)。この機会に、あのバッグを・・・!!

東京にも店舗があるので勢いよく行って、手に取って肩にかけ・・・・たら。

お、重い・・・。

そうなんです。以前はA4の書類がらくらく入るバッグにしていたのですが、年々、バッグが重く感じるようになって、まずはサイズを小さくして、さらにはナイロン素材に変え、どんどん軽量化していたのです。だから久しぶりに本皮のバッグを持ったら、カラでも重く感じる。ああっ・・・!

以前福山雅治さんが「ずっとずっと欲しかった時計があって、最近ようやく手に入れたのはいいけれど、老眼でよく見えない」という話をしていました。

うーん、バランスをとるのは大事ではありますが、本当に欲しい、と思うものは、欲しいと思ったときに手に入れないとダメなのね(涙)。