ポストカード集め(その2)

今回は絵画と建物のポストカードを紹介したいと思います。

まずはターナー。
初めてターナーの名を目にしたのは、F.スコット・フィッツジェラルドの作品「楽園のこちら側」(This Side Of Paradise)の一文でした。
主人公が慕っているカトリックの司教の部屋に入ってきた様子が、ターナーの描く日没に例えられています。余談ですが、この作品は半自伝的で主人公はフィッツジェラルド自身、司教はフィッツジェラルドの学生時代の親友フェイ神父を元にしています。

「ソマーヒル、トンブリッジ」
イングランドの田舎を描いた作品。

「ソマーヒル、トンブリッジ」

「夏の夕べ」
ターナーは柔らかく包み込むような光の描き方が特徴的ですね。

「夏の夕べ」

続いてはロートレック。
絵心がない私が美術鑑賞に目覚めたのは、中学校の美術の授業で知ったロートレック。裕福な家庭で生まれながらも足に障害を持ち、19世紀末期のパリを彩ったムーラン・ルージュにて女優、娼婦、そこを行き交う人々などを描きました。彼が生きた19世紀末期は日本の美術が欧米で人気を博し、版画や浮世絵は逆に西欧の美術にまで影響を及ぼしました。

「ムーラン・ルージュのイギリス人」

「ムーラン・ルージュのイギリス人」

次は函館の旧イギリス領事館。

現在の建物は1913(大正2)年、イギリス政府工務省上海工事局の設計によって竣工し、1934(昭和9)年に閉鎖されるまで領事館として使用されていました。

https://hakodate-kankou.com/british/history/

「旧イギリス領事館」
国際貿易港だった函館。展示室ではその歴史を肌で感じる事が出来ます。

「旧イギリス領事館」

最後は旧朝香官邸(現在は東京都庭園美術館)
皇族であった朝香宮鳩彦王が怪我の療養でパリ滞在が長引き、1925年のパリ万博でアール・デコ様式に惹かれ、自邸をアール・デコ様式にしたのが始まりです。アール・デコの巨匠アンリ・ラパンが一部のデザインを手掛けましたが、設計の殆どは宮内省(現:宮内庁)が担当。戦後はGHQの命令により、朝香宮鳩彦王は皇室を余儀なく離脱する事になりましたが、その後は吉田茂首相の公宅としても使われました。詳しくは「旧朝香官邸物語」(東京都庭園美術館 編)に載っています。

「旧朝香官邸の大客室と香水塔」
香水塔はアンリ・ラパンがデザインを手掛けました。

「旧朝香官邸の大客室と香水塔」


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