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去年、東京オペラシティにて

画像フォルダを見ていたら、この写真が入っていた。

「いま一番面白くて、一番伝え上手な作家だよ」って言われて、
その情報だけを携えて見た展示。

去年の雨の日だった気がする。ちょっと湿った靴底と、肌にあたる空気の冷たさがよみがえってきた。

雨の日特有の暗さが記憶の中にあるけど、その天気の悪さの中、静かに鑑賞する人ばかりでも、場の空気が明るかった。見る人がみんなが夢中になって見ていて、彼の作る世界に期待しているのが伝わってきた。

途中、設備の使い方が分からなくて困っていたら、気さくなお兄さんが声をかけてくれた。ただの親切で気さくな人のように世間話をしながら解決してくれたお兄さん。漫画『魔入りました!入間くん』に出てくるウォルタースタッフのようだった。

印象に残っていた作品は、残念ながら写真を撮っていなかった。
地面から膝くらいの大きさの同じ形の箱がたくさん並んでいた。すべての箱に小指サイズくらいの光る溝があって、その光が動く速度だけが違う。

不思議に思って箱に小さく書いてあった文字を見たら、「ニューヨークの信号機」とか「日の入り」みたいな雰囲気のことが書いてあった気がする。

無機質な箱が並んでいるだけかと思ったら、世界中の時間が同時に流れてた。光と短い文字以外の情報は何もないのに、たくさんの人が歩く情景や音、鼓動、動きがぶわって浮かんできた。

1つ1つを丁寧に味わえてたら浦島太郎みたいになりそう。そういう楽しさだった。その体力と時間がなかったのが少しくやしい。

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