読書 - ビジョナリーカンパニー(弾み車の法則)

成長企業が行い続けているファクターはいったい何なのか、自分の会社の組織も成長の重要なフェーズに差し掛かっているため、参考にして整備・運用したいと思い本書を手に取った。

はじめに

本書は、「ビジョナリーカンパニー」の4冊で語られている永続する偉大な組織を築くには以下の、4規律があり、キーワードとなっている「弾みの車」とは第二段階から第三段階へ移行する際の道具である。

第一段階:規律ある人材
第二段階:規律ある思考
第三段階:規律ある行動
第四段階:永続する組織
「弾み車」とは
ある要素を達成すると必然的に生み出される要素が次の要素を生み出し、その要素が巡りに巡って相互に影響を与えること(要素が循環し、グルグルまわり影響を与えるイメージ)

弾み車の重要性

弾み車があると、各要素が有機的に絡み合い企業成長を好循環にするものである。「弾み車」をきちんと設定すれば、爆発的に会社が成長することを可能にする、または、業績不振に陥ってもきちんとした「弾み車」を設定していれば打ち手が明確になる。従って、各会社練りに練って考え抜く必要がある。上手くいかない企業は、いとも簡単にこの「弾み車」を捨ててしまい、会社が倒れてしまうことが多々あるという。
文章だけではイメージがつかないので、Amazonの「弾み車」の例示を記載する。

Amazonの「弾み車」
「より多くの商品の価格を下げる」⇒「サイト訪問者数が増加」⇒「サードパーティーの売り手の増加」⇒「品揃えが豊富になり配送が充実」⇒「固定費あたりの売上が増加」⇒「より多くの商品の価格を下げる」⇒・・・

ただし、推敲した「弾み車」を作ったとしても外部環境の影響で機能しなくなったり破壊されることもある。その場合は、「弾み車」をアップデートや捨てる場合もあるかもしれないが、捨てる場合は本質的に「弾み車」を理解したうえで捨てることが重要である。

弾み車の作り方

1. 再現性のある成功体験のリストアップ
2. 失敗体験のリストアップ
3. 上記1.2.を比較し、差分を分析
4. 上記3.での差分を4~6個の要素にグルーピング
5. グルーピングした要素を上記1.2.に適用し、要素の検証
6. 出来上がった弾み車をハリネズミの概念と照合

ハリネズミの概念とは
以下の3つの要素が全て重なり合うもの
(i) 情熱をもって取り組めるもの
(ii) 世界一になれる分野であるもの
(iii) 経済的競争力を強化するもの

スタートアップなどはエクセレントカンパニーや競合他社を分析して真似てみるのもいいとも記載している。

圧倒的勝者になるためには

圧倒的な勝者になるには、早期に手にした成功を持続的な弾み車に転換する能力がある組織であり、決して先行者利益を獲得できた組織ではない。つまり、成功体験を抽象化・体系化し、自社の成長ドライバーに乗せることである。
また、リソースの集中投資をする場合にも言及されており、偉大になりうる組織は、うまくいく実証的有効性が確認できてから会社のリソースを集中投資し勝負をかけるが、うまくいかない組織は実証的有効性が確認できる前に賭けにでてしまうからと言っている。
小さく行い、目星をつけて、一気に畳み掛けるという戦略が必要である。

最後に

この本は、100ページ弱の本だが、実質60ページくらいの本であり、非常に読みやすい。インテルやバンガードの例も記載されているので興味を持った方は読んでみることをお勧めします。取り敢えず、当社の「弾み車」をボードメンバーで考え抜くことから始めようと思います。


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