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じつは「日本人」にとっては意味がないのかもしれない健康法

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本日はこの記事について。


一般的な健康法は、体質による違いが見落とされがち?

同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果ということさえあるのかもしれません。

メディアは欧米で流行している健康法をきそって紹介しますが、日本人は欧米人とは異なる遺伝子を受け継ぎ、異なる環境要因のもとで生きてきました。こうして作られた日本人の体質は、当然ながら、欧米人の体質とは多くの点で異なるのです。

欧米人に有効な健康法が日本人にも効果があるとは限らず、それどころか有害なことすらあるのです。

そんな健康法にはどんなものがあるのか、記事から3つ抜粋したので、日本人と欧米人の体質の違いに注意しながら見ていきましょう。

日本人は頑張って筋トレしても“やせ体質”にはならないの?

 筋肉がつくと基礎代謝量が増えることがわかっています。無酸素運動をしっかりおこなうと、その後、約48時間にわたって基礎代謝が高い状態が続くことから、「筋力トレーニングで“やせ体質”になれる!」と言われるようになりました。

しかし、理屈どおりにはいかないものです。問題は、日本人は欧米人と違って簡単に筋肉がつかないことです。

人の筋肉は筋線維という細い線維が集まってできています。
鍛えることで太くなるのは大部分が白筋なので、日本人が筋肉をつけようと思ったら、もともと少ない白筋を集中的に鍛えることになります。

これは効率が悪いうえに、苦労して筋肉を1kg増やしても基礎代謝量の増加は1日あたりせいぜい20kcal、わずかキャラメル1粒分のカロリーです。これによる体重の減少は年に1~2kgとされています。

体力があって、プロなみのトレーニングを続けられる人であっても、筋力トレーニングだけで基礎代謝を十分高めるのは難しいのかもしれません。

日本人が夏バテをおそれてしっかり食べれば太ってしまう可能性が!

日本人の基礎代謝には大きな特徴があります。基礎代謝量が季節によって変わり、それにつれて食欲が変動するのです。

夏は暑いのでエネルギーを燃やす必要がありません。そのため基礎代謝が1年で最も低くなり、これにともなって食欲が減って、活動量も自然に下がります。夏になると「夏バテを防ぐために、しっかり栄養を取りましょう」とよく耳にしますが、基礎代謝が下がっているのにカロリーの高いものを食べたら太るだけでは?

夏は食が細くなるのが自然です。体にたくわえられないビタミンやミネラルの摂取にさえ気をつけていれば、神経質になって無理に食べる必要はないでしょうか?

日本人の便秘予防、食物繊維を摂取するだけでは不十分?

食物繊維の摂取を少しでも増やす努力が必要なのは言うまでもありませんが、日本人の便秘には、もう一つ、隠れた原因があります。それは脂肪の取り過ぎです。

食べた物が便になるまでの時間は、日本人は平均1日半と言われています。といっても、消化に良いものを食べれば1日もかからずに体内を通過しますし、逆に消化に悪いものを食べると3~4日かかることもあります。食事の内容によって大きく変わってしまうことも…。

日本人は伝統的に炭水化物中心の食生活を送ってきたので、脂肪や蛋白質が豊富な動物性食品を消化、吸収する能力が低く、たとえば胃酸の分泌量は欧米人の半分程度しかありません。

そのため、肉、肉製品、揚げ物、乳脂肪を多く含むケーキやクリーム、ナッツ類、チョコレート、スナック菓子などは消化に時間がかかり、便通が遅れる原因になります。便秘が気になる人は動物性食品の摂取をひかえてください。水分をしっかり取り、規則正しく食事をすることも大切です。

近年、新たな健康法を耳にすることは多くなりましたが、何を実践するにも「自分に合った健康法」なのかが重要になってくると思います。
「日本人だから」と一括りにするのではなく、その人自身に合った健康法や食事メニューなどを考えることを意識していきましょう!