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■ 其の89■ 年末年始に感じたこと

 年末年始に親類縁者に会い、いろいろと感じることがありました。
🔣初めて会った小学1年の男の子は興味の向くまま行動する年相応の元気な子供でした。お父さんはウロチョロする息子が粗相をしないかと気に掛け、なにかと小言を言っていました。すると案の定という感じでお茶をこぼしてしまい、軽く頭をはたいて注意しました。わたしは場の空気を変えようと「お茶と畳は同じ色だから大丈夫‥」と言ってフォローしました。
また、その子が浮かれた調子で食べ物を欲しがったとき、父親が怒ってたしなめたので、わたしは「将来ここに居るみんなの面倒をみてもらうんだから、食べてもいいでしょう」と言いました。というのも、その場にいたのはその子以外全員が中高年でした。話は「少子高齢化で若い人に負担の掛かる世の中になる」という話題に移っていきました。
その時は神経質で細かい父親だなと思いましたが、訪問先で迷惑を掛けてはいけないという思いだったのでしょう。男の子に委縮する感じがなかったのと、お母さんの方はホワッとした方だったので、そこは救われた気がしました。

🔣これとは別で80歳の夫妻のお宅を訪ねました。老夫婦という雰囲気はなく、ずっと以前と変わらずおじさん・おばさんという感じでした。田舎で二人とも車を運転しています。免許更新は厳しくないかと尋ねたら、「実技は言われた通りにすれば良いし、認知症検査もそんな大した事でもない」と言われました。
またコロナの話題になると・・おじさんが食事の会合に行って罹り、それで奥さんにも移ったようだが、二人ともたいした事は無かったと言いました。病院に行っても、強めの風邪程度の扱いだったそうです。
万事楽観的でした。わたしは、これが子ども四人を育てあげた人の強さなのだろと感じました。すぐ近所には娘夫婦、隣街にも娘夫婦、東京に息子夫婦、ドイツに事実婚の娘がいます。二十歳ごろ結婚して60年経った今のお二人の状況を見ていると、華やかさはなくとも、〝勝ち組〟だよなあと思いました。ご当人はそんなこと思っていないだろうけど。

🔣国道二号線を車で往復したのですが、立ち寄った先、山口の道の駅「ソレーネ周南」で思ったことです。 ここは6年前、大阪の警察署から逃走した犯人が逮捕された場所です。彼は自転車を盗んで旅をしながら四国から広島、山口を巡っていました。当時のニュースで、周防大島などでは住民と打ち解けて交流する姿も報じられました。悪事を働き逃走中の人間にも、心安らぐ楽しい時間があったことが印象に残っています。懲役17年だそうですが、10年後今度は堂々と自転車の旅ができる本人と世の中になっていればいいなと思います。もしそうなった時、彼はソレーネ周南を通り過ぎるのか、それとも立寄るのか、どうするでしょう・・・そんなことを考えてしまいました。


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