■ 其の157 ■ 市民集会に行ってみた
芸備線存続 / 赤字路線 / 庄原 / 藻谷浩介
わたしがno+eをやり始めたのは昨年10月。そのころJR芸備線が廃止されそうだという話がありました。
とくに備後落合~備中神代(びんごおちあい~びっちゅうこうじろ)の間は一列車あたり10人にも満たない超赤字ローカル線です。
このまま鉄道が無くなるのは、寂しすぎます。
それでどうしたら良いか勝手にアイデアを考え、no+eに載せました。ただの妄想だし、読んでいる人はわずかだし、何の影響もありません。
あれから約半年。
きのう庄原市民会館で開かれた「芸備線存続に向けての庄原市民集会」に行ってきました。何だか縁を感じたからです。広島市内から車で約2時間。半年前に書いたアイデア文のコピーを取りあえず3枚持って。
初めに国会議員などお偉いさんの挨拶が続きました。なるほど、これが市民集会の「儀式」かと思いました。そのあとゲスト講師の藻谷浩介さんの講演が始まりました。
藻谷さんは「里山資本主義」などの著書があるエコノミストです。
何度かテレビで拝見し、知性・論理・親しみやすさ‥というイメージを持っていました。ですが、実際にステージ上で語る姿は、強い思いがあふれ出るエネルギッシュな人という感じでした。
印象として残っている話は、
*鉄道が廃止されると、そこの住民は「自分の住んでいる地域が衰退してい
る」と思い込んで、本当に人が離れていってしまう。
*東京や大阪などの都市部は、住民一人あたりの生活保護費の負担が、過疎
地域の十倍以上。とくに高齢者は地方の方が生活しやすい。
*海外の多くの鉄道は「上下分離式」である。
国が鉄道の建設や維持など施設部分〈上〉を負担して、鉄道会社が運行部
分〈下〉を担う。 日本のように企業にすべてを行い、赤字になれば廃止
というのはおかしい。道路の場合は、赤字でもつぶしたりはしない。
*JR西日本は本社が大阪なので関西重視。中国地方には力を入れてない。
最後に質疑応答が行われました。わたしは自分の考えについて聞いてみたくて手を挙げましたが、タイムアップでした。
それで閉会したあと、ステージ上の司会者に「良かったら、これ読んで下さい」と言ってコピーを2枚渡しました。司会者は、藻谷さんにも渡しておきますと言われました。もし読まれたとして、共感する部分があったのか、ピンとはずれと思われたか、それはわかりません。
ただ何より、思ったことを行動してみるのは、生きている!という実感になって良かったです。
以下は、わたしの妄想アイデアです。
芸備線は廃線どころか、可能性の宝庫!
■JR西日本が、広島県と岡山県を走る芸備線の一部区間について、沿線自治体などと協議する「再構築協議会」の設置を国に要請しました。岡山県の伊原木知事は「JRからは廃線にしたいという思いが伝わる」と言っています。
岡山の備中神代駅~広島の備後落合駅の区間。状況をご存じの方はたぶん「やばいだろうな」と思っていることでしょう。わたしは山間部をドライブ中、両駅に立ち寄ったことがあります。ひなびた山あいの駅とそこから延びる線路の光景、たまらなく良いです。と同時に「無くならないでくれよ」と思ってしまいます。なにしろ広島県内ではこの二十年間にふたつの廃線を経験していますから。
■そんな思いから、勝手に夢のようなアイデアを妄想しています。それは中国地方をひとつのかたまりとして見るものです。
①まずは、「赤字路線=鉄道会社お荷物」ではなく「日本の原風景を楽し
める超観光資源」というプラスの視点で地図を開いてみる。
②三次ー庄原―新見ー真庭ー津山のラインは、山陽と山陰(瀬戸内と日本
海)の中間に位置する観光の中継基地だと思えてくる。
③車を無料で停められ、しかも無料で「泊められる」拠点駅をいくつか確
保する。すると山間部にドライブしてきた人が、駅に駐車し、電車に乗り
換えて山陰方面へ行ける。車窓からみる日本の原風景はディズニーランド
やUSJの予算を掛けたって作ることのできない超観光資源。
三次~津山の山間部ラインは中国自動車道が走っており、関西方面からも
九州方面からもアクセスがいい。広島・岡山からドライブやツーリングで
行くにも程よい。
④新見か庄原あたりに拠点駅を作れば、伯備線で米子に行けるし、木次線
で出雲や松江に向かえる。津山あたりなら因美線で鳥取に行ける。更にそ
こから山陰本線に乗って日本海沿いを走り、宿泊してぐるっと周遊し、元
の駅に戻ることも出来る。
⑤次は「道の駅との隣接コラボ」作戦。集客力のある「道の駅」を「鉄道
駅」のできるだけ近くに作る。観光客はもちろん地元の人だって電車でも
車でもそこへ行ける。さらに温泉や神楽施設などを作れば賑わいが増す。
訪問客と地元の交流も深められる。
⑥さらに宿泊とJR料金のセットプラン。例えば「津山のホテル宿泊+ロ
ーカル線2日間乗り放題」「三次と鳥取で2泊+ローカル線3日間乗り放
題」等。 前者は、広島発芸備線・姫新線→津山に宿泊→津山線・山陽本
線で広島へ。 後者は、遠方から車で来て三次に宿泊→芸備線・木次線で
出雲や松江へ、そこから山陰本線で鳥取へ行き宿泊→因美線・姫新線・芸
備線で三次に戻る。といったイメージです。
⑦また、今回の廃線検討対象となっている備中神代 ⇔ 備後落合間にあえ
てとんでもない企画をぶつけてみる。所要時間1時間15分で860円の
区間だが、2000~3000円払っても乗りたいと思わせるアイデアを
公募して全国に注目してもらう。優勝賞金100万円。鉄オタならずとも
燃えると思います。
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