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■ 其の71■ 日大アメフト部、再生問題の本質

🔣少し前に、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、「自分に物申したい人がいれば、番号を公開しているので直接そこへ電話してください」と言ったという話がありました。これに対して驚きや賛否の声があったようですが、考えてみれば、なにかトラブルや問題が起きた際、まずは当事者同士で話をするというのが当然といえば、当然です。それが困難なときに初めて、誰かが間に入るとか、裁判のようなシステムを使うというのが筋でしょう。
まず「個人」が存在しての組織や社会です。人として対峙できる「個人」がぼやけた状態で、主張や正義を持ち出すというのはおかしな話です。

🔣そこで、今の日大アメフト部問題を見ると、疑問がわいてきます。
当事者と距離をおいた所で、まとめて解決しようとするから混迷しているのです。
現在アメフト部員のなかには三種類の人たちがいることになります。
 ➀大麻を使った 
 ②自分は使っていないが、それを(ほぼ事実として)知っている
 ③自分は使っていないし、知らなかった
  
今これほどの問題になっているのです。
ならば、トップの理事長と一人一人がさしで面談し、
A. 各自が、自分はどうなのか
B. 部活動を続けるのか
それを話し合って確認することだと思います。
部員が120人ほどなら、やろうと思えばできます。というかそれをやらずに、やるべき事があるとは思えません。

そして、
 ➀の人は自首してもらう
 ③で部活動を続けたい人は、認める。
 ②への対応はなにが正解なのかはわかりませんが、大学としての考えを決めて対応する。

大学が教育の場というのなら、真摯に毅然として「個人」に向き合って話をする以外にありません。罪を犯した人がいるのなら、理事長と話し合いをしたという特別な場を経てから、再起再生の道へ向かわせることが彼らにしてやれることです。
そして理事長はその結果を公表します。
そこまですれば、理事長以下経営陣や監督などへの処分や対応だって、ごまかしのきかない適切なものになるでしょう。

🔣日大には何万人という学生が在籍しています。 アメフト部以外にも薬物を使っている人がいるかと問われ、自信を持ってNOと言える人が正直いるでしょうか。 早慶でも、MARCHでも、東大でも、そして全国すべての大学においても、薬物使用者がいないと断言できる大学があるでしょうか。いないと信じたいが、何人かいるかもしれないというのが本音でしょう。 
だからこそ、疑念が生じたときには、学長や理事長など大学の責任者と1対1で話し合いをさせてもらう。それだけ本気だという姿勢で臨めばいいのだと思います。
調査だ、聞き取りだ、手順を踏んでからなどと、離れた所から間接的に関わろうとすれば、舐められて不祥事を起こされる可能性が高くなります。結果的に皆が不幸でみじめな事になるだけです。
日大が、そして実は日本が、「個人」を失った集合体から脱することができるのか、それが問われているのだと思います。


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