エカワ珈琲店のコーヒー豆焙煎物語

小麦粉の生地からメンを作る時には、まずメン帯を作ってからメン線を切り出すそうです。

その時の、メン帯・メン線の物理的な数値ですが、製造する規模によって違いが出てくると言われています。小麦粉への加水量・添加物量など、俗にいうレシピを同じにしても、違いが出てくるそうです。

小型の製メン機で作る場合と、大型の製メン機で作る場合とでは、あきらかに物理的数値に差が出るそうです。

理由は、小麦粉や添加物などの材料の組み合わせだけでメンの性質が決まるわけではなくて、生地の発熱・放熱・水分の拡散や蒸発など、いろいろな現象の組み合わせが関係してくるからだと考えられています。同じことが、コーヒーの焙煎や抽出・ろ過においても言えると思います。

大型の焙煎機の場合、最大公約数的な取り扱いになりますが、小型の焙煎機を使う場合、周囲の些細な環境が違ってもコーヒーの香味に違いが出てきます。

食品加工の世界での大量生産とは、原則的に、個人が手作業で加工生産している作業を、できるだけ真似て大掛かりにしたものです。アナログ的相似の関係にあるわけですから、手作業で加工生産している製品と比べると、可もなく不可もなくという平均的なものになるのだと思います。

手作業の場合、作業を行う人のレベルの違いで製品にデコボコが発生するわけですが、大量生産の場合、そういうデコボコは少なくなります。それが、大量生産された製品が、達人と呼ばれている人の製品に太刀打ちできない理由なのだと思います。

ということで、零細な製造事業者であっても、その技術のレベルアップに努めていれば、大手の製造事業者に負けるはずがないと、エカワ珈琲店は楽観的に考えています。

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