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外国で生活をするということ(9)

待遇の違い

このシリーズも(9)まできました。
ここで生活する外国の話ではなく、外国で生活する法人に対する
日本国の対応について書きたいと思います。

コロナで大変な三年間だったと思いますが、みなさんは国から
給付金が配られたと思います。
それを揶揄した某府知事や市長の会話にはとても腹立たしく思い
ましたが、ご存知の通り在外邦人には配られませんでした。

これは賛否あると思います。
日本国内の日本人という対象でしたので外国で暮らす日本人には
配られませんね。厳密にいうと住民票を置いている人には配られた
のです。

しかし住民票を抜いて外国で暮らしている邦人へは配られませんでした。
国の言い分としては、「把握が難しいことと、あくまで国内に住まわれている方」というのが、国の言い分だった。

なので国内にいる外国人には配られました。

もう一度言います。
国内に居る外国人に給付金が配られました。

しかもその外国人の一部は自国での給付金ももらったそうです。
(合法二重取り)

国の言い分も含めて、賛成する意見としては税金を払っている方
という考え方もあります。しかし、税金はそこで居住するための
サービスを受けるという概念で考えれば、それを言い訳にするのは
少し違うと考えています。

ただ国内に居る方を対象という大義も起こっている事象(コロナ)を
考えれば間違っています。

それは、コロナが国内だけで流行しているのであれば、納得できますが
世界的に起こっていることです。
当然、ここタイでも同様に起こりました。
ロックダウン。
日本より厳しく、夜間は外出禁止となりました。

そしてここでも給付金が配られました。
もちろん外国人の私はもらえません。
タイでは所得によってもらえる資格が発生したり
しなかったりするので少しややこしいですが。

外国にいる日本人の、コロナの影響を受けております。
生活が少し厳しかったことは事実です。

しかし、そこには救いの手は差し伸べられなかったのです。

この件は、国会議員の方や、言論人(インフルエンサー含む)
の方々も言ってはくれていましたが、政府の耳には届かなかった
ようです。

せめて、「諸外国に邦人の補助をできるだけお願いしたい」
と話してくれれば救われたかもしれません。

政府「本国を出て外国で生活をしている方々は自身で
   頑張って生き延びてください」

ということですね。

そのわりに、在外邦人選挙は出来るんですね、
これは、一部できなかったんですが、訴訟の判決で
出来るようになったんですけどね。

邦人救出

1985年4月イラン・イラク戦争の際、邦人救助のための
飛行機を出せず、トルコ航空に救助してもらったという話を
ご存知でしょうか。

有名な話なのでご存知の方も多いでしょうが、これはテヘランで
起こった上空を飛行する航空機は民間機でも撃墜するというもの
でした。(イラン・イラク戦争)

この時の結果(トルコ航空機による救助)に対する
国の国会答弁で、説明するところがあった。
政府委員:日本の航空機が行かなかったのは、トルコ政府からトルコ航空機
     の空きに法人を乗せると連絡があった。
外務大臣:日航には了解を得ており、要請があれば行けるように準備をして
     いました。安全の確認もできていました。
政府委員:我々は準備をしていたが、トルコ航空の方がワンテンポ早く
     救援機を準備できた。

ということだが、

現地の大使はこう言ってます。
大使:私は、ことが起きた時すぐに政府に要請をしましたが、
   災害救援の際のイラン・イラク両国に安全を確約してほしい
   と指示があった。
  (日本では救援のための体制や救援機がなかった)
   民間機の乗務員の安全が優先されました。
   両国への安全の確約は不可能でした。
さらにこう続けた。
大使:各国大使に救援機にわが国の国民を乗せて欲しいと依頼すると
   快く受け入れてくれたが、あくまでも自国民優先と言われ、
   空きがあれば乗れるという状況でした。
  
   タイムリミットの前日、トルコ大使から連絡があり、明日二機
   救援機がくるが、空席があるので人数を教えてほしいと連絡があり
   ました。
   その時点では、空爆も始まっており、在留邦人は郊外のホテルや
   テヘラン市内のホテルの地下に避難していました。
   
   当日の午前までに邦人と連絡をとり、その日の晩にトルコ航空機
   二機に分かれて脱出することができました。
   トルコ政府とトルコ航空には大変感謝しております。

とのことで、政府と大使との内容の乖離が激しく、要するに
政府は、適当に嘘を並べてその場を繕っていたのではないでしょうか。

政府とは国民の生命と財産を守るのが仕事ではないでしょうか。

大使は、こう言いました。
「我々の責務は邦人の生命と財産を守ることです」
大使の中には、企業で残っている邦人のために、多くの大使が
テヘランに残ったそうです。

これこそ、政府のする仕事なのではないでしょうか。
それだけ、外国で生活をすることはリスクを伴うということですね。


ではまた。


  

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