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1500+1500+800+800+5000

「日本選手権の1500m。田中は前を走らずに、後ろから行くつもりです」
最下位で終わったダイヤモンドリーグユージーン女子1500mの夜。田中希実選手のコーチであり、父でもある田中健智氏はホテルのロビーに差し入れとしてもっていった缶ビールをぐいっと飲み干しながら、そう語った。「卜部さんや、うちの後藤が前で自分たちのレースをすすめ、その中でも自分の良さを出して勝つことが、これから世界と戦う上で必要となってきます。でも、これは大失敗するかもしれません。でも、それを乗り越えないと」。

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つまり、これまでの国内での田中のレースは序盤から積極的に前に出て、後続をふるい落としにかかり、さらに、ラストで突き放すというもの。この田中希実の一番得意な型を封印しながら、さらに勝つレースを世界陸上内定がかかる日本選手権の本番でやってしまおうというものだ。もしかすると田中が後ろに控えることで、本来ならもっとハイペースで押せるはずの卜部選手らも自重してスローペースになり、数多くの選手が終盤まで脚を溜めた状態でラスト400mで一斉にスパート合戦になることもありえる。しかし、世陸やオリンピックといったタイムではなく順位が大事になるレースでスローペースで推移し、ラストだけで勝敗が決まるということは大いにありえること。だからこそ、どんな状態でもラスト400mで世界と戦えるラストスパートを磨く必要があるということ。

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