私はいつも何かになりたいと願っている。

小学生の頃、1番仲がいいと思っていた友達に虐められた。だから私は誰かの1番になりたかった。

中学生の頃、私の幼馴染はみんな賢かった。だから私は賢くなりたかった。

高校生の頃、私の友達はみんな個性にあふれてた。だから私は個性的になりたかった。

大学生になった今もなお、この思いに囚われている。

でも、本当にそうなのかな、わたし。

そのくせ、私は大した努力をしない。

愛されたいのに、愛想を振りまくことをせず、
賢くなりたいのに、勉強をせず、
個性にあふれたいのに、なにも吸収せず吐きもせず

だけど、からっぽな私を見られるのは嫌で仕方がないから、化けの皮を被り、持っている人間のふりをする。

本当は私は、なりたいんじゃなくて、思われたいのかもしれない。

ただよく見られたいだけ。

でも、本当にそれでいいのかな、

誰かによくないって言ってほしいのかもしれないし、いいよって言ってほしいのかもしれない。

結局、私は人に見られることでしか、私を作れないから。

何かになりたいけど、何にもなれない。