銀世界
雪が降った。
辺り一面が銀世界になった。
人がそう表現するのを聞くと、今まではそんなチープな表現しかできないのかと少し失望していたが、いざ目の当たりにすると、そうとしか言えなかった。
私の語彙も随分安っぽいんだなと思った。
それとも私の五感が安っぽいのか、そんなことはどうでもいいか。
雪は好きだ。
一面に広がる、誰の足跡もついていない真新しい雪をみると、世界に私ひとりだけみたいだから。
煩わしいことを忘れられる。
人が嫌いな訳では無いけれど、人には独りの時間が必要だと、私は思う。
私は、わたしで、貴方は、あなたで、
偶には、私の言葉で、私の思考で、この世界と向き合わなければならないから。
雪解け。
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