EL XACHAPURI'O

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EL XACHAPURI'O

ここではEL XACHAPURI'O(エルハチャプリオ)https://www.elxachapur.io/ の作品を解説しています

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片端を着色した熟竹

(日本語訳) 竹に閉じ込められた炭素が叫び、 重力に沿って縦に裂ける 閉じ込められた炭素が叫び、 緑色が濃くなる また炭素が叫ぶ 少し薄い色に取って代わられる まだ叫び足りない 黒色が重力で雨となる それは炭素だけに許された黒色 五感的無菌な都市生活空間には熟した竹の居場所はないのだが、 端面を人工的紫色に塗して、 そこに割って入る リミナル空間で竹が叫ぶ

    • 片端を着色した熟竹

      手間と暇。竹が熟すのが暇であり、端部を着色するのが手間である。手間と暇を英語にするとEffortとTime、英語の方が直感的に理解できるかもしれない。暇をかけることで神が宿り、手間をかけることで人が宿る。Liminal Object、境界の物体とでも訳せばいいのか。ここでも英語の方が説明としてはしっくりとくる。しかし紛れもなく和な存在であるから不思議である。 試しに、神と人の境界に立つその物体に一輪を投げ入れた。

      • 今日の寿司 「高粘度」

        前菜のための2貫の寿司と箸休め、名称は高粘度。左上がウニの握り、左下がイクラの握り、右上が煮大根に黒豆を乗せて、右下がタクアンと生ハム。ウニとイクラはまとわりつく。鼻、口、ご飯、舌、脳の知覚と、あらゆるものにまとわりついていく。ウニはウニであり、イクラはイクラであり、もちろん私は私である。しかしこの前菜の後では、私とウニ、私とイクラの境界は曖昧と言わざるを得ない。

        • 今日の寿司 「赤のその先に」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は赤のその先に。左から順番に、マグロに桜葉を乗せて、マグロに醤油漬けカイワレ大根を乗せて、マグロに黒豆と筋子を乗せて。マグロの赤色の照りは、透明でも半透明でもない。輝きは近くにも遠くにも感じ、西洋的遠近法は成立していない。その赤色の先には、いい黒色がある。甘味が黒色と同一となり、遠くでも近くでもない無距離の場所にある黒色に吸い込まれていく。その黒色の奥にあなたは立つことができるはず。

        片端を着色した熟竹

          今日の寿司 「さくらいろ」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称はさくらいろ。上は赤鯛をおろしポン酢で、左は赤鯛の桜の葉締めを岩塩で、右は菜の花の塩漬とおろしポン酢、下の2貫は塩漬けした桜の葉に乗せて。桜の葉の漬物を体験したことがありますか。唯一無二の香り。桜の花のピンク色が淡いのに激しいように、その葉の香りも単純にはカテゴライズさせてはくれない。”さくら”という体験である。日常の前提を捨て去るのに、私は桜の葉の香りほどの存在を他には知らない。この神の領域を指で掴んで味わって欲しい。

          今日の寿司 「さくらいろ」

          今日の寿司 「点と赤と」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は点と赤と、縁起良く白に赤を纏わせました。日本では正月に四つ足を食べない風習があり、この牛肉の3貫は正月が明けた今に相応しいでしょう。すべての具はローストビーフで左から順に水戻し黒豆と岩塩、コチュジャン、アルガンオイルを塗った黒と赤の粒胡椒と岩塩を添えています。本格的な2024年の幕開けに相応しい肉の食感の向こうで、米粒がほぐれて解放され、酢だけが有する独特の酸味が広がっていきます。 ところで牛肉を強く噛んで赤みが舌から体の全体に広がって

          今日の寿司 「点と赤と」

          今日の寿司 「小正月の赤色」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は小正月の赤色、縁起良く赤い色を食べるのが日本の風習です。左から順に、鱈子と大根おろしの和物、鰹と新生姜の漬物、鰹と大根おろしポン酢。すべてにゆず皮を擦って振りかけて。この季節にゆずが欠かせないことは言うまでもない。赤の高い粘度の遅い時間の進み、三者三様の酸味の軽やかさ。その重力の不在が口の中から脳へ体へと支配を進めているうちに、一年を開始しましょう。

          今日の寿司 「小正月の赤色」

          今日の寿司 「SMELLS LIKE」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称はSMELLS LIKE、脳の過去のどこかで誰かが立ち止まる寿司です。その仕掛けはゆずの香り。奥から順に、鮑肝の醤油煮に長葱、数の子の西京漬、鮭の燻製に梅干、すべてにゆずをのせて。手を使うことを躊躇うことはないはず、ゆずの香りほど手を使うに適した寿司はない。ゆっくりと口に運ぶことを推奨します。冬の寒さで頭や肩に重苦しい重力が解放され、清涼な残り香だけがそこに残ります。

          今日の寿司 「SMELLS LIKE」

          今日の寿司 「滑らか緑色」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は滑らかな緑色です。寿司は左から順に、鮪、レモン漬け鮪、レモン漬け帆立。すべての上におろしたワサビを添えて。ワサビを上に乗せるオープン・ワサビ型。ワサビが直接口の中に放り込まれると、それは頭の中の秘密の通路を通ってニューロンを刺激します。刺激は上へ上へと移動し、頭頂を越えていく。体の内と外の境界を越えたとき、もはや重力は存在しない。

          今日の寿司 「滑らか緑色」

          今日の寿司「木の実の実」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は木の実の実です。全ての寿司は鰤の漬けです。左から順に、大葉ポン酢、アルガン油とカシューナッツ塩、照り焼き風醤油と少しのスリダネ。すべてに銀杏を添えて。左、中央、右の順番に食べてください。手を使うことを躊躇わないこと。この皿では寿司は左手を用い、それ以外は右手を用い。木の実の濃厚な油がすべてを覆い尽くすとき、重力はそこにはありません。指先への跡は非日常の証です。

          今日の寿司「木の実の実」

          背徳のキャラメルが世界を揺らす

          (日本語訳) 白塩が集まる 世界のエントロピー的巻き戻し 白塩が上る 世界の重力的巻き戻し 白の表出が絶対的天体をくすぐる 空が笑う 私は揺れる 空との間がたるむ 未来への時間が揺さぶられる

          背徳のキャラメルが世界を揺らす

          今日の寿司 「冠雪」

          これらは前菜のための3貫の寿司、名称は冠雪です。日本では、10月になると富士山の冠雪を騒ぐ。寿司は左から順に、筋子、アンチョビー、唐墨。すべてに雪を模した大根おろしを乗せて、レモン汁を注いで。食べる順番の推奨はありません。塩で発酵して粘度の高いネタはいつまでも口に留まり、時間の進行に抗います。いつしか重力の存在を忘れています。

          今日の寿司 「冠雪」

          今日の寿司 「玉蜀黍の存在」

          日本では、9月は玉蜀黍(とうもろこし)の季節です。これらは前菜のための3貫の寿司と3種の香の物、皿の名称は玉蜀黍の存在です。シャリは米とコーンが混ざっている。寿司は左から順に、舞茸、万願寺唐辛子、牛タン。すべてのネタが焼かれ、醤油がまぶされている。香の物は左から順に、ワサビ漬、ナスの浅漬、コーン。食べる順番の推奨はありません。コーンがその黄色から想像する通りに様々な感覚から働きかけてきて、重力を忘れさせてくれます。

          今日の寿司 「玉蜀黍の存在」

          今日の寿司 「胡麻の音」

          日本では、9月は胡麻の季節です。これらは前菜のための3貫の胡麻の寿司、名称は胡麻の音です。左から順に、帆立の貝柱、湯通しスプラウト、ゴマサバ。すべてに少量の胡麻が振りかかった。食べる順番の推奨はありません。帆立とスプラウトは生姜醤油で、ゴマサバはそのまま食べます。軽やかな胡麻の音が、束の間、重力を忘れさせてくれます。

          今日の寿司 「胡麻の音」

          背徳のキャラメル

          随分むかしの流行歌の詞に「背徳のキャラメル」という言葉があった。背徳とキャラメル、すごい言葉の組み合わせを考える人がいるものだと、衝撃を受けた。

          背徳のキャラメル

          固いもの

          (日本語訳) 足を動かすと 固いものに当たった 私の足の形に完全に一致した固いもの 足を動かすと 固いものは消えた あったはずの固いもの 私のための固いもの 足を動かす 固いものが生成 足を動かす 固いものがない 消滅 私のためだけの生成と消滅 それがおもしろくて歩き続けた 幾千もの生成と消滅 そして転んだ 足の疲れの解放 私の背中に合わせた固いものの生成 眉間が言う ここが空だ